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愛知大学低年次キャリアデザインプログラム「OB・OG探訪記」
岡崎市役所
私たちの今を守り将来を作る仕事
所在地愛知県岡崎市十王町2丁目9番地
代表者市長   内田康宏
従業員数3,723名(2018年4月1日現在)

viewpoint 業界

  公務員とは、国や地方公共団体など、公務に携わっている人たちのことをいう。選任の方法や立法、司法、行政などの部門に関わらず、公務に従事する限り公務員と呼ばれる。公務員は大きく分けて、国の選任を受けた国家公務員と地方公共団体からの選任を受けた地方公務員の2種類に分けられる。
特徴の一つとして、ストライキや労働組合結成が禁止されるなど、自由や権利の面で制約を受ける一方で、景気に左右されないため給料が安定していることが挙げられる。
公務員の魅力は、民間企業との働く目的の違いにある。どちらも人のために働くという点では同じだが、民間企業の最終的な目的は、会社の利益を上げることである。それに対して公務員は、国民の生活を支えることを目的に働いているため、利益の有無にかかわらず、誰に対しても手を差し伸べることができる。つまり公務員は純粋に人のために働くことのできる唯一の仕事だと言える。そんな公務員の中に属する地方公務員が働く市役所はどういった仕事をしているのだろうか。

viewpoint 企業

  市役所の仕事は私たちの生活に密接にかかわっている。身近なところでいえば、水道や道路の整備、町の外観を守るための川の整備、他にも町おこしのためのイベントの開催や歴史的建造物の保全などが挙げられる。要するに、市役所は私たちの生活にとって必要不可欠な存在なのだ。
市役所には上記のような幅広い仕事を行うために、多くの部署が存在しており、基本的に職員は3年から5年で部署異動を行う。部署によって仕事内容が全く違うため、何歳になっても新しい仕事に挑戦することができる。これも市役所の仕事の魅力だ。
私たちの取材した岡崎市は、人口約38万人、面積387キロ平方メートルの愛知県第三位の人口を誇っている。市の60%が森林に囲まれており、「人・水・緑が輝く活気に満ちた美しい都市岡崎」を「将来都市像」として掲げ、西三河の教育・文化・産業の中心都市として、市の着実な発展に貢献している。

市民一人ひとりが豊かな生活をおくれるように

岡崎市役所
渡邉祐希 氏

財務部資産税課
2015年度 法学部 卒業

市役所で働くOBの姿

  今回私たちは、岡崎市役所財務部資産税課所属の渡邉祐希さんにお話を伺った。
渡邉さんが所属する財務部資産税課は固定資産税を扱っている。固定資産税とは、毎年1月1日に土地や家屋といった固定資産を有している人に市役所が課す税金のことである。これは、市が様々な行政サービスを提供していくために欠かせない税収の根幹をなす重要なものだ。資産税課と聞くと事務作業が多いイメージを思い浮かべるかもしれないが、実は実地調査といった外回りが一日の大半を占めており、伺った家屋の固定資産税の計算といった事務作業は、デスクに戻ったのちに行う。他にも、他自治体が災害などで人手が足りない際、被害を受けた方が様々なサポートをいち早く受けられるように、建物の被害状況の調査の支援のため現地に派遣されることもある。実際に渡邉さんも熊本地震の際、現地に派遣されたそうだ。このように外での仕事が多い財務部資産税課は、ほかの部署に比べて市民と直接接する機会が多い。このことから様々な市民と関わることが多い仕事では、コミュニケーション能力が必要とされることが分かる。渡邉さんは、学生時代に所属していたサークルでの経験が、仕事上で必要とされる能力を形成したとおっしゃった。

学生時代と転機

  渡邉さんは学生時代、愛大名古屋ささしま祭の部長を務めていた。これは、年に一度行われる愛知大学の学祭を主導するサークルであり、規模は百人以上にも及ぶ。このような大規模のサークルを運営していくことは、簡単なことではない。渡邉さんの話によると、そもそも規模が通常のサークルとは比べ物にならないため、周りの意見を集約するだけでも苦労したそうだ。また、自分の意見も通らず、思うようにいかないことが多く、比較的自分の意見が通りやすかった高校時代との違いを実感したとおっしゃっていた。こうした集団での経験は、実地調査や災害時の派遣など、年齢性別様々な人たちと接することの多い今の仕事や職場の人々とのコミュニケーションをとる際、大きく役に立っているそうだ。
そんな渡邉さんが市役所職員を選んだ理由として一番に挙げたのは、プライベートを大事にしたい、ということだ。というのも就職活動前、渡邉さんは民間企業で働いている知人の方たちから、「残業がつらい」、「転職したい」など仕事の話を聞く中で、自分の時間を大切にしたいと強く感じるようになったそうだ。その条件を満たす仕事として、自分が生まれ育った土地ということもあり、岡崎市役所を選んだ。勉強を始める時期こそ遅くはなってしまったが、就職の決まった友達の助けも受けて、市役所職員として入庁することができた。実際に働いてみて、残業があるなど、学生時代に抱いていた定時に帰れて自分の時間を大切にできる、というイメージとは違っていたが、現在の財務部資産税課の仕事に誇りを持って働いているとおっしゃっていた。

仕事への思い、そしてやりがい

  渡邉さんは仕事をするにあたって、市民への親切な対応を心掛けている。当たり前のことだと感じるかもしれないが、市民にとっては市役所職員と直接接する機会は少ない。そのため、自分の1度きりの対応がその人の市役所職員のイメージに直結する。少しでも市民に「あなたに対応してもらってよかった」と思ってもらえるよう、不手際のないように丁寧な対応を心掛けて働いている。
そんな市役所の仕事の中で、渡邉さんは2つのやりがいをもって仕事に臨んでいる。一つは、「岡崎市の市民38万人のために働いているという実感」である。想像しづらいかもしれないが、ここまで多くの人たちの生活を支えるために働くことができるのは市役所職員だけであり、とても素晴らしいことなのだとおっしゃっていた。2つ目は、「生まれ育った市へ恩返しができる」ということである。前述のように、岡崎市は渡邉さんの生まれ育った場所であり、思い入れのある都市だそうだ。そんな自分を育ててくれた岡崎市、延いてはお世話になった地域の人々や恩師の生活を、市役所職員としての仕事を通して、支えることができるのだとおっしゃった。

岡崎市の求める人物像からみた学生時代にすべきこと

column 発見

  大学生のうちにやっておくと良いことを総務部人事課の萩原新さんにお伺いした。萩原さんによると、「集団行動への参加」、「行政に関わる」、そして「インターンシップへの参加」の3つが市役所の仕事を知るうえでお勧めだとおっしゃっていた。
まずは「集団行動への参加」。市役所職員は市民全員の生活を支えるために働いている。こうした仕事では、様々な世代・性別の方とコミュニケーションをとる能力や異なる価値観に触れる経験はとても大切なことだ。その為、「学生のうちにサークルやボランティアといった活動に参加することで多くの人と関わるのがよい」とおっしゃっていた。
次に「行政に関わる」。市役所が何をやっているか掴めなければ、その仕事が自分に向いているか分からないうえに、市役所の採用試験を受けるとしても、市に対する熱意を伝えられない。そうならないためにも、市が主催するイベントに市民として参加することや、市議会の傍聴へ行くことで、市がどんな条例を決めているか、どんなところにお金を使っているか等、具体的に行政が何をやっているかを知ることができる。
最後に、「インターンシップへの参加」も、実際の仕事の一部を体験することを通して、自分で調べても分からない職場の雰囲気を体験することができるため、情報収集の上で大切だ。
以上の取材を通して、私たちは「行動する」という理念を岡崎市役所から感じた。受け身になっていては何も始まらない。多くの人や情報の交差する社会で必要とされるのは、自ら行動を起こそうとする主体性なのではないのだろうか。

チーム紹介

近藤友基(経済学部 1年)
武藤悠希(法学部 1年)
高井菜々子(法学部 1年)
小浜菜月(法学部 2年)
※本記事は2018年9月現在の内容となります。