viewpoint 業界
海運業界とは船による貨物、旅客の運送を海上で行い、陸上輸送、航空輸送と並び全世界を「物」によってつなげる絶対不可欠な業界である。
国際化による世界取引が求められる現在、日本では海上輸送が担う重要性はその他二種類の輸送方法に比べて高く、その例として「日本の貿易の99.7%が海上輸送で行われている」という事実から私たちの生活に欠かせない存在であると分かる。日本の貿易に焦点を当てた際、海運業界にとって大きな顧客である自動車産業との繋がりは無視できるものではない。日本経済を大きく支える自動車産業にとって車の原材料、部品、完成車これらが海上輸送を通して世界を行き来するのであるから海運業界との関係性は一段と重要なものとなる。また、海上輸送独自の強みとして一度の大量輸送、運送コストの安さ、環境への悪影響が少ない事などが挙げられ、これら様々な要因から世界の海運業界への需要は高まり続けるものだと考えられる。
viewpoint 企業
トヨフジ海運株式会社(TOYOFUJI SHIPPING CO.,LTD.)〔以下「トヨフジ海運」〕は、トヨタ自動車株式会社、株式会社フジトランス コーポレーション、トヨタ輸送株式会社の三社の共同出資により1964年に設立され、現在トヨタグループ唯一の海運会社として運営されている。トヨフジ海運はトヨタ自動車の輸送を主な業務とし「安全・確実・タイムリー」をモットーとして日本国内、海外の主要港に自動車を輸送している。輸送に利用される貨物船は自動車専用船として設計され、名古屋JRゲートタワーと同じ大きさをほこり、一度に5000台もの車を積み込み、運ぶことが可能である。
トヨフジ海運の業務内容は海運業界に対するイメージにより体育会系の仕事だと誤解を受けがちだが、実際はオペレーション業務(船の運航管理、トヨタ専用ターミナルの管理など)を担当する。どの目的地にどの船を使用し、いつ出発、到着をするかなどを計画、管理を行い全体の司令塔としての役割を演じる。さらに海外勤務として現地で経営者(現地リーダー)として業務にあたることもある。
今後、全世界の生活水準の向上に伴い車の必要性は高まっていく。トヨフジ海運はトヨタ自動車唯一の海運会社として、トヨタの世界戦略に同調した事業展開を繰り広げ、トヨタ自動車株式会社と共に発展し続けていくであろう。