地域政策を考える上で、地元企業の海外進出や外国人の移住など、世界の視点を欠かすことはできません。また少子高齢化や過疎化といった地域の課題は日本全体の問題にも直結しており、地域政策には広い視点と深い洞察力が求められています。この社会ニーズに応えて2011年に誕生した地域政策学部では、「地域を見つめ、地域を活かす」をコンセプトに、課題発見と課題解決の能力である「地域貢献力」を備えた人材を育成してきました。2022年度には、変化する時代に合わせ、より大きな視点で地域社会を捉えて学べるようにカリキュラムを改編し、公共政策、経済産業、まちづくり・文化、健康・スポーツ、食農環境の5コース体制としました。カリキュラム面では、合理的な政策立案に不可欠なデータサイエンス系科目を充実。従来の特色であるフィールド重視型教育、GIS※(地理情報システム)と共に3本目の柱と位置づけました。また、専門教育の学際性向上のため、他コースの専門科目も学びやすいカリキュラムを編成し、複数領域からの地域課題の追究を可能にしました。さらにはアートや地域デザインなど新たな領域の科目も設置しています。このように新しい学問体系と教育システムにより、高度な地域貢献力を備えて持続可能なまちづくりに積極的に関わることのできる人材を育成します。 ※GIS:Geographic Information System
標高などの地形や人口密度、災害危険度や避難所の位置といった情報をコンピュータの地図上に重ね合わせることで、地域の問題点を視覚的に表示して解決の糸口を見いだすシステムとして期待されるGIS(Geographic Information System:地理情報システム)。地域政策学部では所属コースを問わず、所定の成績を収めることで、GISの専門技術を認定する資格「GIS学術士」を取得できます。