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法学部

人間は、衝突する生き物だから法的な思考や視点が生きる術となる。

国家間の対立から日常のささいな人間関係まで、“法”は問題を解決する判断基準であり、複雑化する社会情勢の中でその重要性は増しています。「法を学ぶ」とは、法的知識を得ると同時に、公平な物の見方や人権感覚、そして人と関わる上で必要な論理的思考力と交渉力を育てること。司法・行政だけでなくビジネスの現場でも法的な視点と思考力を持った人材が求められている今、中部地区で最も長い伝統を有する愛知大学法学部では、「司法コース」、「行政コース」、「企業コース」、「法科大学院連携コース」(法曹コース)の4つの履修モデルを設定して、多様な学生の学習意欲に応えるとともに、生きた法を学ぶ実践的な科目を多数開講しています。なお、2年次から各コースに沿った学習を進めます。

【参考】法曹コースに関する詳細はこちら。(文部科学省ホームページリンク)

実践的に法を学び、 問題解決に向けた論理的思考力を。

人と人が生きていく上で生じる対立や衝突を合理的に解決するために生まれたものが“法”です。日常生活のささいな出来事から国際社会の問題に至るまで、法は、幅広く、さまざまな場面で重要な役割を担います。この法について、本学部では、専門的知識を修得するだけでなく、社会における法の運用について実践的に学び、問題解決に向けた論理的思考力を身につけることをめざしています。ここで重要であるのは、法の運用に不可欠な“人権感覚”や “正義感”を育むことです。そのため、法が実際の現場でどのように運用されているかを体感的に学ぶ機会を積極的に設け、法に対するより深い理解を促します。その一つが、学生が裁判官や検察官、弁護士となって法廷を再現する模擬裁判です。法律を実務面から理解するだけでなく、模擬裁判を運営する上での議論や交渉を通じて社会で通用するコミュニケーション力、組織内での調整能力も養います。さらにハワイ大学や愛知県庁と連携した講座も設けています。国際的な視点から、または、地方行政の立場から法律のあり方を考え、知識の修得にとどまらない現場感覚を重視した学びをめざします。このようにして身につけた、高度な法的知識と論理的思考力、リーガルマインドを基盤に、法曹・公務員・教員・民間企業など幅広い分野へと学生を送り出しています。

特色ある科目・プログラム

名古屋キャンパスが“裁判所”になる日

実践的な法知識と社会的な能力を養う「模擬裁判Ⅰ・Ⅱ」

市民参加型の裁判員模擬裁判を毎年開催しています。現実の裁判を正確にシミュレートするために、学生は裁判例や専門書などを綿密に調べ、扱う事件や公判の内容を決めていきます。当日は一般市民から選ばれた“裁判員”も参加します。これらの経験を通じて学生は、教室で学んだ刑法や刑事訴訟法が実際にはどのように運用されるのかを学びます。また、企画運営や広報活動も学生主体で行うため、企画力や交渉力、プロジェクト管理能力やプレゼンテーション能力など、社会で役立つ力を身につけることができます。

ハワイ大学ロースクールプログラム

アメリカ法とその運用を現地で理解

法学部は、ハワイ大学ロースクールと国際交流プログラムに関する協定を結び、春季休暇中にハワイ大学ロースクールで開催される2週間のプログラムに学生を派遣しています。学生は、英語でアメリカ法の講義を受けるだけでなく、裁判所や州議会、刑務所などを見学し、実践的にアメリカ法を学びます。2020年にはプログラム期間中に開催されたシンポジウムで、英語を使ってハワイ大学の教授や院生たちの前で日本法について発表をしました。

政治学特殊講義

行政実務の“現場”を県職員から直接学ぶ

行政は、多様な制度・政策・組織が絡み合って動いています。その現実の姿を理解するには、職業として行政実務を担う現役公務員から学ぶのが近道です。この科目は、愛知県庁の各部門で活躍する職員を招き、職業人としての公務員の在り方、実務上のさまざまな実体験、備えるべき使命感・倫理原則などを学びます。長い職業人生を公務員として全うしたい学生にとって役立つ講義です。

4年間の流れ

1年次

法学を体系的に修得します。知識はもちろん、筋道を立てて論理的に考える力、物事を多角的に捉えて公正さをみいだすリーガルマインドを身につけます。

2年次

希望の進路や関心に合わせ「司法コース」、「行政コース」、「企業コース」、「法科大学院連携コース」(法曹コース)の4つのコースから選択できます。専門知識を積み上げ、政治・法学の幅広い分野を深く修得していきます。

3・4年次

少人数で行われる専門演習(ゼミナール)で応用力を養います。テーマに沿って自ら調べ発表することで、問題解決力や情報収集力、コミュニケーション能力を修得します。また模擬裁判では学生自らが企画・運営し主体性・自主性を養います。

体系的・実践的な能力を養う3プラス1の履修モデル

履修モデル1 司法コース
裁判官・弁護士・検察官をめざす


法律専門職の養成を目標とし、法律全般を学びます。人間社会への深い洞察力など、社会正義の実現をめざす人に欠かせない資質を養います。法科大学院への進学に向けた講義を用意する他、司法書士・行政書士などの資格取得にも力を入れます。
履修モデル2 行政コース
国家公務員・地方公務員をめざす


法律を運用し、政策を考えて社会を動かす公務員をめざす人に向けたコースです。政治学・行政学を含む公務員採用試験に対応した科目群とともに、公務員に求められる資質や見識を養うための特別な授業も用意しています。
履修モデル3 企業コース
交渉力を備えた企業人をめざす


ビジネスシーンで役立つ法知識を身につけ、法的思考力を養います。憲法・刑法などの基本をおさえた上で、民法・商法などビジネスに直結する分野を学びます。専門演習ではプレゼンテーションの技法など、企業人に必須のスキルも養えます。
プラス1履修モデル 愛知大学法科大学院との連携コース
最短5年で司法試験に挑戦が可能


法学部と法科大学院で連携し、司法試験合格に向けて、一貫した教育プログラムを提供します。最短で大学入学から5年で司法試験合格も可能です(大学3年間+法科大学院2年間)。

学生の研究

小林 真紀ゼミナール

性別を変更した親から生まれた子の親子関係とは。
担当教員:法学部 教授 小林 真紀


●私の研究テーマ
「『性同一性障害』における戸籍変更する際の生殖不能要件の是非」
性同一性障害者が戸籍上の性別を変更するためには、現在では性同一性障害の性別の取り扱いの特例に関する法律に基づき、5つの要件を満たす必要があるとされています。このうち生殖腺除去手術を必要とする要件に着目し、研究を行いました。この要件は、日本では2019年に最高裁判所で合憲と判断されましたが、世界的には「リプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利)」を重要視し、撤廃の動きがあります。そこで最高裁判所の判決の妥当性と、要件を撤廃した場合に生じうる問題について研究しました。さらに性別変更前の性別に基づく生殖能力によって子が生まれた場合に、法的な性もしくは生物学的な性のいずれにより親子関係を築くのかという親族法上の問題に焦点を当て、ドイツ・オランダの法制度を参照しつつ解決策を考えました。解決策としては、特例法4条2項を「変更の審判後に生じた」身分関係にも類推適用し、性別変更手続の効果が、性別変更前の生殖能力によって子が出生した場合の出生した子との親子関係に及ばないようにし、生物学的な性で親子関係を成立させる方法が、現行民法の枠組みを崩さないという点においても現時点では最適であるという結論に至りました。

●私の研究活動
生命倫理と法の関わりを、諸外国と照らし合わせ研究する。

卒業論文の研究で実感したことは、日本におけるLGBT関連の法整備の遅れです。法務省の人権擁護局では「性自認を理由とする偏見や差別をなくそう」を強調事項として掲げており、今後は研究で扱った生殖不能要件を含む5要件すべてについて再検討が必要だと考えています。もともと私が小林ゼミを選んだ理由は、生命倫理をめぐる日本の法制度について、アメリカ・フランスなど諸外国の法制度も踏まえつつ客観的に研究できる点に意義を感じたからです。臓器移植・安楽死・医療訴訟など多様なテーマで議論する中で論理的思考力を養うことができました。

専門演習・卒業論文テーマ

取得を支援する資格

※1 佛教大学への学費が別途必要です。
※2 豊橋キャンパスにて開講。
愛知大学 受験生向けサイト