1946年に創立された本学の設立趣意書には、「世界の平和に寄与すべき日本の人文の興隆と、才能ある人材の養成」を本学の使命とし、同時に地方の学術文化・社会の発展への貢献、国際的教養と視野をもった人材の育成を特殊な使命とすることが謳われています。この建学の精神は、当時としては先駆的な内容のものですが、国際社会のグローバル化がいっそう進み、国内における地方の創生と発展が求められている今日において、ますます大きな意義をもつものといえます。また少子高齢化、デジタル技術の急速な発展、経済構造の変化、安全保障秩序の不安定化、新型感染症の世界的蔓延と収束など、日本と国際社会は絶えず変化しつつあります。
建学の精神を踏まえて変化する時代の要請に対応しつつ、本学は第5次基本構想(2021-2025年度)において10年後の大学の将来像(ビジョン)を設定しました。それは①高い志を持ち、自ら柔軟に考え判断でき、変化に対応できる自律的な人材を育成すること、②世界と地域社会の諸課題に関心をもち、その解決に協働して取組むこと、③社会から高く評価され持続的に発展することです。そのビジョンを実現するために第5次基本構想における四つの基本目標を定め、その達成に向けて本学の教育・研究、社会貢献、持続的発展に向けた経営等の役割をいっそう発揮させていくこととしています。
基本目標に関連して特に指摘したいことは、第一に時代の要請に応える質の高い教学プログラムを整備強化するとともに、学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)で設定した学習目標の達成度=学修成果を学生及び教職員が具体的に確認できる仕組みと教学マネジメントを充実させることをめざします。今年度は教学マネジメント行動指針の制定、外部テストの導入を含む学修目標成果の達成度の点検・評価、次期カリキュラム方針に基づく内容の具体化等の取組を推進する予定です。
第二に、本学と地域社会との連携を推進し、学生が地域のさまざまな現場に接して地域の人々と協力し地域の諸問題を理解し解決策を考える社会参加型の主体的な学習をさらに推進することです。地域との連携による社会参加型の教育は、2021年度に受審した大学基準協会による第三期認証評価結果においても本学の特長として高く評価されたところであり、いっそうの充実を図る予定です。
第三に、本学と外国の諸大学との国際的連携を推進し、学生が国際的な視野から多様な価値観をもつ人々とコミュニケーションをとり、活動できる能力をもつ自律した人材を育成するための国際教育プログラムを推進することをめざします。この点は建学の精神の一つとして本学はこれまで成果を蓄積していますが、今後は留学生寮の設置、留学生へのサポート制度の整備等を含めて国際教育環境の充実に向けた取組を推進します。
以上、第5次基本構想と同アクションプラン及び2023年度事業計画を、本学の教職員一丸となって推進していきます。
2023年4月
