豊川市役所で取り入れられている制度
豊川市役所が行っている制度について説明していきたい。まず1つ目は、ジョブローテーションである。ジョブローテーションとは、若手職員は3年程度、中堅職員は5年程度でほかの部署に異動するシステムのことである。ジョブローテーションを行うことで、職員はひとつの部署にとどまることはなく、様々な部署で仕事をすることになる。このことについて、OGの神藤さんは、「市役所の仕事内容は、数年ごとに課が変わるので転職をしているようだという声を聞く」と仰っていた。また、部署間での協力が必須の仕事が多くあり、異動することで他の部署の仕事内容を理解でき、知識が増えることで市民からの質問にも答えられるようになる。さらに、多くの人と関わることで市役所の仕事で特に必要なコミュニケーション能力も身につく。
次にサポーター制度についても伺った。サポーター制度とは社会人経験のない新人職員に先輩が1人つき、仕事などで困ったことがあれば一緒に解決してもらえるというものだ。これによるメリットは仕事を早く覚えられるだけではない。相談できる人が明確であるので、1人で問題を抱え込むことなく、問題解決へとつなげることができる。また、サポーター制度により、職員同士の交流を深めることができる。OBOGの伊藤さんと神藤さんもこのサポーター制度により、不安が解消されたと仰っている。
仕事のやりがいと大変だったこと
お二方に仕事のやりがいと大変だったことは何かを伺った。伊藤さんは、秘書課として豊川市がどのようなことをやっているのか伝えることができること、記事を褒められることがやりがいだと話されていた。また、プロサッカー選手になった友人を取材し、記事にできたことが嬉しかったとも話されていた。大変だったことについては、触ったことのないソフトの使い方を覚えること、取材など未経験のことが多いこと、誰が読んでもわかりやすい文章を作ること、市民の皆さんからの意見を聞いて市長に届ける中で良くない意見があることが大変だと話されていた。神藤さんは、窓口で適切な対応をして感謝されたこと、1年目より担当業務に対して仕事ができていると感じたことがやりがいだと話されていた。大変だったことについては、老若男女色んな人がいて意見を聞くこと、厳しい意見を受け止めて次の機会で生かすことが大変だと話されていた。しかし、お二方はこの大変だったことを新人サポーター制度で乗り越えたと話されていたため、豊川市役所職員にとって新人サポーター制度が良いものだということが伺える。
仕事に生きた学生時代の経験
お二方に学生時代の経験が仕事に生きたことはあるかを伺った。伊藤さんは、飲食店で働いた経験が市民の方との接し方に役立ったと話されていた。飲食店には様々なお客さんが来るので、対応の仕方を学べるそうだ。神藤さんは、児童クラブで働いた経験が窓口での対応に役立ったと話されていた。OBOGの方々の仕事に生きた学生時代の経験に共通して言えることは、コミュニケーション能力を向上させるような経験が役立ったと感じていることである。豊川市役所では、個人情報のダブルチェックなど協力してやらなければならない仕事がほとんどであるため、たとえ合わない人であっても仕事内ではいい関係にならなければならないそうだ。そのため、人間関係を上手く構築できるようコミュニケーション能力が求められる。学生時代に資格を取ることも勿論大事だが、様々な人と出会い、コミュニケーション能力を上げることができれば、就活だけでなく、入職・入社後にもきっと役に立つことがあるだろう。