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所在地〒432-8611 静岡県浜松市南区高塚町300
設立1920年3月
代表者代表取締役社長 鈴木 俊宏
従業員数15,646名(2020年3月31日現在)

viewpoint 業界

 スズキ株式会社が属している「自動車業界」は、日本の経済を支えている基幹産業である。自動車業界は他の業界への影響力も大きく、日本経済の中心とも言うことが出来る。
また、横のつながりが強いということも特徴である。現在、自動車業界では「100年に一度の大変革期」を迎えている。これは、Connected(接続性) Autonomous(自動運転) Shared(共有) Electric(電動化) という4つの言葉に象徴されることから、「CASE」と呼ばれている。この変革期を乗り越えるため、スズキとトヨタの提携のように同じ業界内で企業提携を結ぶことがある。ライバル会社のように考えるのではなく、日本の自動車業界がワンチームとなって助け合いながら、この変革期を乗り越えていく。これが、今の日本の自動車業界である。




viewpoint 企業

 スズキ株式会社(以下スズキ)は、静岡県浜松市に本社を置く日本の大手完成車メーカーである。スズキの社是は「消費者の立場になって価値ある製品を作ろう」であり、お客様に喜ばれる真の価値がある製品作りに努めている。例えば、スズキが得意としている軽自動車のユーザーの多くは女性であることから、女性ならではの視点や意見を生かして女性社員が活躍できる環境が整っている。また、「小少軽短美」という言葉のもと、ムダのない効率的な健全経営に取り組んでいる。その日頃の考え方や取り組みを大切にすることで、現在のようなコロナ禍においてもスズキは黒字を保っている。さらに「小さなクルマ、大きな未来。」がスローガンであり、スズキの強みであるコンパクトカーを通じて、豊かな未来作りに貢献している。スズキは、これから発展していく国でのシェアが高いことから、その国の発展とともにスズキも成長していくことが言えるだろう。さらに今後は、不景気や少子高齢化の影響で、スズキの安価な車やコンパクトな車の需要が高まる事が予想される。スズキは「不況を追い風に」して今後も成長していくだろう。

様々な環境の中での挑戦

スズキ株式会社
大谷 優奈 氏
人事部 人事第一グループ 
2018年 3月 経済学部 経済学科 卒業


挑戦の機会が得られる

 本学の経済学部出身である大谷優奈さんは、スズキ株式会社の人事部でご活躍されている。大谷さんがなぜスズキに就職しようとしたのかそのきっかけを伺ったところ、就職活動を行っていた際、大谷さんは出身地である静岡県浜松市で長く働きたいという思いがあったそうだ。その中でも、自動車業界屈指の企業であり、浜松市に本社を構えるスズキを意識し始めたのがきっかけであると話してくれた。
 そこからスズキの企業説明会に参加し、人事部の方から就職の決め手となる1つの言葉をもらった。「クルマというものは、人との思い出の中に必ずあるもの。」この言葉に共感し、日ごろから人々の暮らしを便利にしているものであり、幼いころから身近に感じていた「クルマ」に携わりたいと考え、スズキへの就職を決めたという。
 大谷様はスズキの人事部で採用の仕事に関わり始めて2年になるが、自分の話や企画を通して、企業説明会などで学生たちがスズキへの就職を決め、様々なフィールドで活躍している姿を見ることがやりがいであると話してくれた。学生にとって就職活動とは自分の将来を決める大きな分岐点であり、採用の仕事はそのような大切な瞬間に携わる仕事である。また、採用した社員の活躍を目にすることで自身のやりがいにも繋がっている。大谷様は一般事務職として入社し、当初はサポート業務ばかりだと考えていたが、職種関係なく幅広い業務に挑戦させてくれる環境がスズキにあると語った。求めれば挑戦の機会を与えてくれるのがスズキである。

At Homeな雰囲気

 大谷さんにスズキを一言で表すとどんな言葉になるかとお伺いしたら、「At Home」と答えていた。会社の特徴として、役員~若手社員まで同じフロアで一緒に働くという形をとっている。どの部門でも多くの若手社員が活躍しているため、社員同士で意見が言いにくい雰囲気はなく、自分がやりたいことについて相談したいときに、気軽に上司に相談ができる雰囲気があると教えてくれた。
 また、スズキのワークライフバランスについては、スズキでは有休をたくさんとるように呼びかけをしていたり、自由に運動施設を使うことができる中で、育休や産休を経ての復職率が98%であることと、その理由について私たちに話してくれた。スズキは復職する社員に寄り添うため、「パパ・ママ情報交換会」というものを休職している社員に対し提供している。具体的には、休職から復職を考えている社員に対して、会社に関する最新の情報を共有し、復職後でも会社の状況が把握でき、再び働きやすい環境を用意している。また産婦人科の方を会社に招き講演を行うことによって、育児や産休のサポートを受けると同時に、休職している社員同士で交流することができる。そのため、どの部署においても、休職後の職場復職率が高いのではないかということを教わった。
信頼のおける先輩や上司に相談でき、いつでも帰ってこられる場所を作るという、本当の家族のような温かい雰囲気を感じて、大谷様がスズキを「At Home」と表したことが伝わった。

就活生に伝えたいこと

 現在、社会全体が新型コロナウイルスのより影響を及ぼされている。企業では、テレワーク、在宅勤務など様々な働き方が増え大きな変化があった。学生もまた、オンラインでの講義、様々なイベントの中止、オンラインでのインターンシップなど大きな変化があった。このような状況で就職活動を迎えるにあたり、多くの学生に焦りや不安が募るということは仕方がないことであろう。そんな私たち学生に向けて、人事部で働いている大谷様からメッセージを頂いた。
 就職活動は、多くの企業やその企業に務めている方々と出会える貴重な機会ということを教えて頂いた。このような出会いの中で、挑戦し、新たな自分の発見や、自分の成長へと繋がり、自身の可能性を広げる機会になるということ学んだ。また、誰しもが通る就職活動では、自分自身が挑戦したいことや夢が実現する企業を選ぶ選ぶことが重要であるということを教えて頂き、就職活動を悲観的に考えず、楽しむことが大事であるということを学んだ。



個人の挑戦が束となり、会社の大きな発展へ

column 発見

 自動車業界は「100年に1度の大変革期」に入り、市場は目まぐるしく変化している。このような環境の変化に対応するには、社員一人一人が目標に挑戦し、自らを成長させなければならない。そこで、ここではスズキが行うキャリアアップのための取り組みとして、「自己申告制度」を紹介する。
 自己申告制度とは、年1回、自らの仕事や能力を振り返ることで、能力開発につなげるとともに、将来チャレンジしたい仕事や部門をキャリアプランとして描き、上司と人事部門に申告する制度である。スズキはこのような、個人のチャレンジ精神をバックアップする、充実した人材育成を実施していることから、若手も挑戦しやすい環境が整っている。
「小少軽短美」から生み出す安定性を土台に、海外市場をはじめとした成長性が築かれる。さらに、個人の挑戦が束となり、会社の大きな発展につながる。安定性・成長性・挑戦を武器に、スズキはこれからも走り続けていくだろう。


チーム紹介

松下 加奈 (経営学部2年)
山田 光一郎(国際コミュニケーション学部2年)
山田 彩夏 (国際コミュニケーション学部1年)
下田 大智   (文学部1年)

※本記事は2020年12月現在の内容となります。