文字サイズ
所在地名古屋市中区錦三丁目3番8号
設立1948年(昭和23年)
代表者経営管理委員会会長 齋藤 種治 、 代表理事理事長 磯村 幹夫
従業員数 349人(2023年3月末)

viewpoint 業界

農業協同組合(JA=Japan Agricultural Cooperatives)は、全国・都道府県・市町村の各段階に組織があり、行政機関に似た組織構成をしている。
このように全国規模の組織から地域に密着した組織まであるJAは、広く、深く様々な業務を行うことができる。
そのため幅広い分野で事業展開をしており、信用・共済・厚生・経済などの事業を行なっている。
JAの事業はいずれも社会貢献性が高いため、社会・地域に貢献することに挑戦したい学生はもちろん、公務員を目指している学生もキャリアを検討できる組織であると言える。

viewpoint 企業

愛知県信用農業協同組合連合会(以下、JA愛知信連)は、JAの信用事業(金融業)を行なっている組織である。金融機関として、貯金・融資・為替といった業務の他にJA愛知信連特有の業務もある。それが、「余裕金の運用」「JAの信用事業に関わる指導・支援」といった業務である。まず「余裕金の運用」について、JA愛知信連は貯金量が7兆9939億円(令和3年度末)となっており、愛知県の地域金融機関として最大の貯金量を誇っている。その内およそ3兆867億円が余裕金として運用されているが、これは全国の地域金融機関のなかでトップクラスとなっている。それほどJA愛知信連は安定した経営を行っているということだ。こうした県内有数の強みを活かして、余裕金運用を行なっている。そしてもう一つの「JAの信用事業に関わる指導・支援」業務であるが、前述したようにJAには全国段階〜市町村段階まで全国を網羅した組織が各地にある。市町村段階の組織として、愛知県内には全域を20に分割し、それぞれの地域にJAの組織が置かれている。JA愛知信連は、それら県下20のJAの本部機能を果たす組織として、JA金融部門における経営戦略、人材育成などを指導・支援する業務を担っている。この市町村段階に合わせて細分化された組織があるからこそ、地域に密着し、きめ細やかな業務を行うことができるのである。

〈日本の食を守るために〉

OB紹介
愛知県信用農業協同組合連合会
岡本 拓也 様              道下 雄一 様
総合企画部 総合企画グループ 次長     総務部 人事グループ 係長
法学部卒                                                                 経済学部卒


JA愛知信連はJAグループのなかでも金融部門に特化した農業専門金融機関である。そのため「農業」については、OBの岡本さんが特に熱く語ってくださった。現在、ロシアのウクライナ侵攻によって穀物価格の高騰など、世界的に食料価格が上がっている。そんな中、日本の食料自給率は38%と他の先進国に比べて圧倒的に低い。このような現状で万が一、海外からの食料輸入がストップしてしまった場合、我々はどうなってしまうのか。いわゆる日本の食料安全保障について、岡本さんは危惧されていた。だからこそ日本国内で、農業を活性化させ、拡大していくことが必要であり、そのためにJA或いはJA愛知信連として何ができるのか、岡本さんは真剣に考えていらっしゃった。まさに全国から各地域にいたるまで全国津々浦々に組織があるJAだからこそ、全国規模の課題にも取り組むことができるのだろう。

〈求める人材〉

OBの道下雄一さんと岡本拓也さんのお2人に、就活生に求める人材について尋ねたところ、求める人材は2つあると仰っていた。
1つ目は「自律型人材」である。具体的には、①主体的である、②多様的に物事を見ることができる、③コロナ禍など時代の変化に対応して挑戦できる、といったことが必要とされるそうだ。OBの岡本さんは、大学時代に準硬式野球部の副キャプテンとして、チーム運営や試合戦略を立てる経験をし、その中でも、学年の違う部員の様々な意見をまとめることに苦労したという。しかし、この組織マネジメントの経験が、自律型人材や時代に合った企画の立案といった現在の仕事にも繋がった、と仰っていた。さらに、同じくOBの道下さんは、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)の本質は中身の熱量である、と仰っていた。学生時代に頑張ったことは、部活やアルバイト、資格取得など人それぞれだが、なぜ頑張れたのか、なぜ挑戦しようと思ったのか、という中身の熱量こそが重要であるということだ。
2つ目は、「JA愛知信連のビジョンに貢献できる人材」であることだ。JA愛知信連の経営理念は、「JAとともに地域社会の豊かな未来を創造」である。JA愛知信連では、この経営理念を果たすために、人材育成に力を入れているそうだ。特に、資格取得制度が充実しており、資格の取得に関わる研修費、受験費などの費用は全て組織が負担する。さらに、試験時間も勤務時間とみなされるという特色もある。そのため、各職員が自己啓発に進んで取り組むとともにキャリアアップを明確化した研修体系も整っており、より地域社会へ貢献できる人材へと繋がるとのことだ。

〈福利厚生〉

女性だけでなく男性もまた、将来のライフプランのために育児休暇は重要な注目ポイントであるだろう。JA愛知信連の令和5年度4月時点の育児休暇取得率は、女性が100%、男性が30%と高水準で推移している。また、育児休暇後も休暇前と同じキャリアで働くことができ、短時間勤務も可能である。
そして、整った福利厚生は育児休暇だけではない。令和4年度末実績の平均年次有給休暇取得日数は14日であり、加えて福利厚生制度である通年特別休暇でさらに5日間の休暇を取ることができる。つまり、年間に20日弱の休暇を取得することができるのである。取材でも有給が取りやすい環境であると仰っていて、福利厚生の面でも働きやすい職場であることが分かった。

コラム

愛知大学OBのお二人からは、仕事を通じて世の中を良くしていきたいという熱意を強く感じた。取材の中で熱い思いをたくさん語って頂き、素直に「かっこいい」という気持ちが芽生えた。もちろんOBのお二人だけでなく、他の社員の方も同様の熱意を持ち仕事に励んでいることで、素晴らしい雰囲気の職場になっていると実感した。(伊岐見柾人)

取材の中で感じたのは、明るい雰囲気だ。初めての取材で緊張していたが、OBのお二人が温かく迎え入れてくださり、時には笑いが起こるほど楽しく取材をすることができた。発表に使用する写真を撮影する際も、社員同士の会話から和やかな雰囲気を感じ、職場明るさや社員同士の人間関係の良さを感じた。(豊田真央)

JA愛知信連は「安定」しているだけでなく、「挑戦」もしている組織だと感じた。取材前はJAだから公務員のような感じで堅いのかな、と思っていたが、全く逆だった。公共的な事業をしていて、経営も安定しているという点では公務員的であるかもしれない。しかし、ただ安定しているだけでなく、新しい取り組みにも挑戦しているということが今回の取材でわかった。何より、取材したお二人がどんな質問にも的確に、そして熱く語って答えてくださった。このことからも、JA愛知信連で働いている一人一人がこの仕事に対してどれほど真剣に、そして柔軟に向き合っているのかということが伝わってきた。自分も将来、JA愛知信連のような熱意・やりがいのある職場で働いてみたいと思った。(松村光起)

チーム紹介

伊岐見 柾人(法学部2年)
豊田 真央(法学部1年)
松村 光起(法学部1年)

※本記事は2023年11月現在の内容となります。