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所在地大阪市北区大淀中一丁目1番88号 梅田スカイビル タワーイースト
設立1960年8月1日
代表者仲井 嘉浩
従業員数15,017名 (2022年1月31日現在) 一級建築士 2,994名

viewpoint 業界

 積水ハウス株式会社(以下積水ハウス)が属する「住宅業界」は戸建て住宅の設計、施行そして販売に携わる住宅メーカーのことを指す。多くの人にとって人生における最大の買い物ともいえる住まい。その一度きりの買い物においてお客様の夢を叶えるお手伝いをする、それが住宅メーカーである。
 そのような住宅業界だが、問題視されていることもある。現在、少子高齢化の影響により日本国内の消費者が減少傾向にあるのだ。そこで住宅業界ではITなどの最新テクノロジーの力を駆使した「スマートハウス」という新たな住宅モデルへの動きが見られる。さらに大型施設や高層ビルの建設といった非住宅分野への事業展開も進められている。
 時代によって変化を伴う住まいの需要にどう対応していくのか、今後の住宅業界の動向に注目が集まっている。

viewpoint 企業

 今回取材させていただいた積水ハウスは大阪府大阪市に本社を構える日本の大手ハウスメーカーである。「人間愛」を根本哲学として掲げ、「人間性豊かな住まいと環境」の実現を目指している。「お客様との信頼関係」を重視し「高い住宅性能と設計自由度の両立」を強みとする企業である。常に相手本意で家づくりを進めており、環境に配慮した安心安全・快適な暮らしを提供している。少子高齢化が進み、新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、積水ハウスは「高価ではあるが付加価値のある商品の提供」という路線を変えず、今後も成長していくだろう。
 さらに先端技術を用いた「プラットフォームハウス構想」により、スマートフォンひとつで家の状態確認や機器の操作ができるシステムを実現させ、利便性を備えた魅力のある家づくりを提供することで消費者の需要に応えた。
また顧客はもちろん、社員の幸せも大切にする企業である。積水ハウスでは子育てを応援する社会を先導する「キッズ・ファースト企業」として男性社員の育児休業取得を推進している。働きやすい環境のなかで育児と仕事を両立させることができる職場なのだ。

業務の説明・仕事で大切にしていること

積水ハウス株式会社
三井 彰 氏
名古屋東支店
2014年度 法学部 卒業

 本学OBの三井彰さん(以下「三井さん」)の業務は、営業を主としている。営業ではお客様とコミュニケーションを取りながらそのお客様ごとに必要な商品を提案する。その上で重要となってくるのはお客様との信頼関係をどのようにして築いていくかである。出会ったときの第一印象から営業はスタートしているといっても過言ではない。また、話を聞きたくなるような営業の仕方、家づくりのパートナーとして任せたいと思われるような行動をすることは難しいことであるが営業という業務には必要不可欠なことであると三井さんは語ってくれた。
 企業の理念として大切にしている「相手本意」をベースとして、「このお客様だったらこの提案をしたら幸せに暮らせるだろう」という相手の目線になって物事を考えることが重要であるのだ。

積水ハウスの強みとは

 積水ハウスの強みは、商品力、IOT住宅である。商品力では、窓だけの空間のような自由な間取りが他社より安い価格で作ることが可能であり、外壁に関しては長持ちで地震に強い家を作ることができるのだ。
 また、積水ハウスは根本哲学として「人間愛」を掲げている。そのため、積水ハウスでは、お客様が快適に過ごせるよう、暮らしの様々なシーンと家電製品や住宅設備をインターネットで繋ぎ、スマートフォンやタブレット、スマートスピーカーで遠隔操作が可能なIOT住宅に力を入れているそうだ。
 また、科学技術は常に変わっているためお客様にIOT化の良さを伝えることができるよう、接客以外にもIOT化することによってどうなるかについても勉強しているという。
 IOT化することも大切だが、最後に必要となるのはやはり人のサービスなのだ。
 三井さんのお話からもよく分かるように積水ハウスでは「お客様と信頼関係を築くこと」を大切にしていた。そのため、お客様の期待を超えられるよう、相手に寄り添いながら快適な家を考えることや「このお客様だったら、この間取りにすれば、幸せに暮らせるだろう」というように相手の目線に立って物事を考えることが重要とされている。
 また、積水ハウスは男性育児休業制度を業界の中でも先駆けて導入している。制度の具体的な内容は、対象となる社員全員が「子供が3歳の誕生日を迎えるまでの間に1ヶ月以上の育休を取ることができる」というものである。制度開始後、対象となる社員の100%が取得している。そして、これは国内初となる取り組みでもあるのだ。 もちろん3ヶ月以上の育休を取ったからといって、人事の評価に影響することもない。このようなことから、男性社員が躊躇なく育休を取得し、実のある育休にできる制度を整えているのだ。加えて、積水ハウスの男性育休休業制度は会社にとっても重要となっている。なぜなら、実際の育児体験を家づくりに活かすことができるからだ。育児を通して、家庭を持つお客様の大変さを身をもって理解することで、相手の立場になって、物事を考えること」を実践し、より良いサービスを提供することにつなげている。そして、それが「我が家を世界一幸せにする」 家づくりへと繋がっているのだ。

コラム

 今回の企業訪問では、文字上だけでは分からないことを多く聞くことができた。例えば、ホームページの募集欄には資格を重視していないと記載されているが、OBの方に聞いてみるとたしかに就職採用の際には資格を重視していないが、働き始めてからは必要とされるとのことであった。三井さんは大学時代に宅地建物取引士の資格を取得しておらず働き始めてから帰宅後や休日を用いて資格勉強に取り組んだという。そのような経験から「時間のある大学生のうちに資格を取るといい。」というアドバイスを頂いた。先行性のある行動が大切だということを感じさせられた。
 三井さんが仰っていたように、私たち大学生は社会人に比べると自由な時間が多い。何をもって充実した時間であるかは人それぞれであるため、時間の使い方に答えはない。しかしながらこの大学生という時期は様々なことに挑戦しやすい時期でもある。読書、アルバイト、サークル、勉強、旅行などやれることはたくさん存在する。チャレンジすること、自分自身に経験値を積むことに上手く時間を使うことで、将来の選択肢を広げることができるであろう。

チーム紹介

滝 観有    (国際コミュニケーション学部2年)
石原 美南   (地域政策学部2年)
橋本 京果   (経営学部1年)
嘉茂 さくら (地域政策学部1年)


※本記事は2022年10月現在の内容となります。