viewpoint 業界
私たちは火災・死亡など偶然に発生する事故によって不安を抱えて生きている。それに備えた制度が保険である。損害保険は人や企業の挑戦を支える役割を担っていて、再起の力にもなっていることや、日常生活から宇宙まで密接に関わっている。損害保険業界では、自動車の安全性能の向上に伴う事故の減少により、2018年1月から自動車保険料の引き下げが行われた。自動車保険料は損害保険会社の主要収入であるため、収益減対策として、サイバー保険やネット炎上保険など、企業に向けた新種保険の開発が盛んに行われている。
国内は少子高齢化により人口は長期的に減少傾向が予想されている。今後を見据えて、大手損害保険各社はM&Aや事業投資などを行い、海外事業の拡大を進めている。
viewpoint 企業
三井住友海上火災保険株式会社は三大損保グループの一つであるMS&ADインシュアランスグループの主要会社である。自動車保険や火災保険などの損保会社の主な収益のシェアはグループとして3割程度を占めている。親会社であるMS&ADはどの損保会社より代理店数が多いことが特徴で、その中でも三井住友海上は36,478店舗存在しており、人々の身近に存在していることがわかる。その例として、名駅約2km圏内に13店舗存在していた。
特徴はもう一つある。海外事業に力を入れていることだ。損保会社は収益を国内事業だけに大きく依存している状態から脱却すべく、海外事業で収益増加を狙っている。三井住友海上は、他企業に比べアジアに強くASEAN10か国すべてに出店しており、アジアへ出店する企業をサポートする態勢が一番整っている。それだけでなくMS&ADは2016年ロイズ市場の有力な会社であるアムリンを約6350億円で買収した。今後はアジアだけでなくヨーロッパでの事業展開も期待したい。
また、近年は相次ぐ自然災害やコロナウイルスによる保険金支払いが増加し、収益環境が悪化したことから人工知能(AI)を活用してコスト削減を目指している。2020年11月、人工知能(AI)保険大手のヒッポに約360億円投資すると発表した。