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所在地名古屋市中区錦3-19-17
設立昭和24年12月6日
代表者取締役頭取 藤原 一朗
従業員数1,948名
(2017年3月現在)

viewpoint 業界

 金融業界は数多く金融機関が存在する。そのうちの一つが銀行である。銀行は主に都市銀行、地方銀行、信用金庫に分けられ、主にお客様へ融資することで得た利益で運営している。また同様の事業体として信用金庫も存在している。顧客は個人から法人までと幅広くさまざまであり、金融を通して生活や産業を支えている。中でも都市銀行は大都市を中心に全国に店舗を構え、大企業などを主に取引の相手方としている。信用金庫は非営利組織として地元の中小企業と取引をし、地方銀行は本店を構える各都道府県を中心に店舗を構えている。主に地元の中小企業などを取引しており、地域密着型の経営をしている。また、銀行の新しい形態としてネット銀行やATM専業なども存在している。 今、銀行業界で日本銀行の異次元緩和金融政策のもと生じている「マイナス金利」という状況である。この影響より銀行業界は金利収入が減少し、利益の計上が難しくなっている。そのような状況においても地方銀行はお客様が安心して利用できる銀行となるために、そして地域の発展に貢献できるように地域に特化した経営を行っている。

viewpoint 企業

 名古屋銀行は1949年(昭和24年)に創立された、愛知県名古屋市に本店を置く地方銀行である。名古屋銀行の特徴は、「堅実経営」があげられ自己資本比率が12.16%と東海3県の地方銀行のなかでトップである。「堅実経営」では、社是である「地域社会の繁栄に奉仕する」を創業当初からの理念とし、昔からお客様に対していつでも真剣に向き合ってきた。愛知県の主要産業である製造業への融資など地域特性を生かした経営が特徴である。また、地域とのネットワークの強さを生かして、商品やサービスの提供側とその利用者側との間に入って結び付けビジネスに繋げるという『ビジネスマッチング』にも力を入れている。名古屋銀行は他の東海3県の地方銀行と比べると、創業68年と歴史は浅いが、短い期間で著しく成長を遂げてきた。自己資本比率が高い背景にはバブル時代において積極的な投資を控えてきたことがあげられる。歴史が浅いからこそ時代に合ったお客様が必要とする新しいことに挑戦しやすい銀行であり、日々変革を進めながら地域社会に貢献している。

企業の夢を繋ぐエージェント

株式会社名古屋銀行
山田 祐也 氏

今池支店
2011年度 経営学部 卒業

責任の大きい仕事で活きる熱い思い

 本学OBの山田祐也さんは、現在名古屋銀行で法人営業の仕事をしている。山田さんの仕事は基本的に外に出て、会社の社長などに一日に何件も訪問して融資の相談や企画の提案をすることだ。また、合間の時間には事務の仕事も行うなど、毎日忙しく働いていることがうかがえる。そんな山田さんは、学生時代から営業の仕事がしたかったそうだ。「人と接する仕事がしたくて、営業の中でも金融・住宅・商社などを受けていました。」では、なぜその中で名古屋銀行を選んだのだろうか。山田さんは、「いい人材がいる中で競争をしたい。」という思いがあった。そして、OB訪問で名古屋銀行へ行きOBの方とお話をしたときに、山田さんの思う「いい人材」だという印象を抱いたということを教えてくれた。人事グループの岩井さんにどんな人なのかお聞きすると、「常にお客さんが何を求めているかを考えている人で、熱くて元気のある人ですよ。」とおっしゃっていた。地方銀行である名古屋銀行では、『地域社会の繁栄に奉仕する』を創業以来の経営方針としている。山田さんはそのOBの方のようなお客様に対して熱心な人たちがいる所で、一緒に仕事をして成長したいという思いで名古屋銀行に決めたと語ってくれた。

 入行後、山田さんは学生時代とのイメージとの違いにとても苦労したそうだ。「銀行イコール窓口のイメージで、営業も一日10件回ったりすることも想像していなくて、すべてがギャップでした。」と話してくれた。また、仕事での失敗から責任の重大さを痛感したことも語ってくれた。「お金を扱う以上は慎重にならないといけないし、お客様の人生を左右する仕事です。だからこそちゃんと知識をつけて応対をすることを肝に銘じています。」その後、山田さんは銀行の新人賞を受賞することができた。人の人生に大きな影響を与える仕事だと失敗を通じて心に刻んでいる山田さんだからこそ取れた賞だろう。

ホスピタリティマインド

 「お客様のことを第一に。」私たちが取材をさせていただいた際に、人事担当の岩井さん、山田さんが、何度も仰っていた言葉だ。私たちは取材前、法人営業はBtoB営業であり、お客様との関係性よりも、より良いサービスを提供することが重要であると考えていた。しかし、取材を通し、いかなるサービスもお客様との信頼関係があって成り立つことだと分かった。仕事をするうえで重要な能力について尋ねた際に、「コミュニケーションスキルです。ただ、お話するだけでなく、常にアンテナを張り、お客様の様子や会話の内容から『お客様は何を求めているか、どのサービスがお客様に一番合うのか』を読み取れる能力が重要です。」と山田さんは仰っていた。山田さんは、実際にお客様を訪問する際に、いくつかのサービスを持っていき、お客様に合わせてサービスを変えて臨機応変に対応していると話してくれた。歴史が浅いのにも関わらず、愛知県下で有力な地方銀行となった背景に、お客様を第一に考え、お客様と密接度の高いコミュニケーションを取ることを重視する名古屋銀行の温かみを感じた。

未来に活きる今

 取材を通して、私たちは今後の学生生活に活かせる多くの事を学んだ。その中の一つが、お金に関する知識を身につけることだ。大学生になり、自身の口座を持つ、バイトを始める、保険に入る、年金を払うなど、お金と関わる機会が増えている。しかし、実際にそれらに関する知識は曖昧なもので、詳しく理解している者は少ないだろう。そこで、学生のうちから、お金に関する知識を学ぶことが重要だ。岩井さんは「銀行は、お金を扱う仕事であり、お客様の人生を左右する仕事です。私たちは責任を持ち、知識をつけて、慎重に仕事をしなければいけないのです。」と語った。人においてお金とは生きていくために重要なものだ。銀行員に限らず、私たちは生きていくためにお金に関しての知識を持つ必要があるのだと感じた。また、顧客の人生を左右することに対し責任を持ち続ける銀行員の姿勢から、学生という身分に甘んじず、一人の社会人として責任ある行動を取る必要性を感じた。

女性目線で働き方改革

column 発見

「ワークライフバランス」
多くの会社では育児休暇は1年(※平成29年10月より法令で2歳までとなる)だが、名古屋銀行は2年ある。このように福利厚生が充実している背景には「女性活躍推進プロジェクト・チームひまわり」の存在も欠かせない。このチームは女性のみで構成されており、話し合いながらより働きやすい環境になるよう改革を続けている。実は育児休暇は最初から2年あったわけではなく、5年前に次世代育成支援対策の一環として仕事と家庭の両立であるワークライフバランスが注目された時に改訂を行ってきた。その他にも、残業時間を0.5時間~2.5時間短縮することや職場の雰囲気を変えることに取り組み、それにより行員はいかに時間内で効率よく仕事を終わらせられるか考え、定時で帰る行員に嫌な顔をすることも無くなった。そして2015年、名古屋銀行は「くるみんマーク」を取得した。これは、次世代育成支援対策推進法に基づき、一般事業主行動計画を策定した企業のうち、計画に定めた目標を達成し一定の基準を満たした企業が厚生労働大臣から認められ贈られる証である。今年「チームひまわり」に2期生が誕生し、さらに働く環境を向上させるために話し合いを続けている。

チーム紹介

杉山 怜也(経営学部 2年)
彦坂 有希乃(経営学部 2年)
坪島 阿紀(経済学部 2年)
山田 雄太(経済学部 1年)

※本記事は2017年9月現在の内容となります。