viewpoint 業界
小売業界に属している百貨店業界は日本で明治時代から親しまれ、時代とともに変容を遂げ幅広い年代が利用するようになった。時代における消費者ニーズに応え、これまで消費者の生活を支えてきた。
数年前は、若者の百貨店離れや郊外型ショッピングモールの台頭、金融危機により業界成長は停滞したが、近年、インバウンド需要や消費者の購買意欲の向上、増税前の駆け込み需要により成長をみせている。
現在、百貨店業界内の各企業は、海外にもビジネスの可能性を追求しており、アジア各国で出店を実現している。そのほかにも“脱百貨店”という新体制で新たな試みを目指す企業も出てきた。2017年4月にはJ.フロントリテイリングがGINZA SIX を展開し、新たな話題を呼んでいる。
しかし、今後の国内人口の減少や消費動向の変化による成長低迷の懸念や、さらにはIoTの注目、インターネットの普及によるネット通販の大幅な成長への対応が課題となるだろう。現在、ネット通販を立ち上げる企業はあるものの浸透率が低いことが問題であり、今後、インターネット社会で生き残るため新たな試みや再編、リニューアルなどの動向に注目が集まっている。
viewpoint 企業
株式会社ジェイアール東海髙島屋はJR東海を親会社とし、2000年3月15日にジェイアール名古屋タカシマヤを開業。2017年4月に新たにタカシマヤ ゲートタワーモールを開業した。ジェイアール東海髙島屋は、名古屋駅に立地しており独自の買い物環境を提供している。例えば、休憩スペースをフロアの中央に設け、視認性(見通し)を高め、ゆとり空間を実現している。開業当初からダブルエスカレーターを導入し、お客様の移動を快適にした。また、毎年開催している22億円もの売上げを誇るバレンタイン催事、アムール・デュ・ショコラは名古屋の方だけでなく全国各地から訪れる方も楽しめるよう大々的に行っている。2017年9月に開催されたフランス展では、現地フランスまで交渉に行き、日本にあるフランス商品ではなく、本場の商品、本場の料理を本場のシェフの調理で提供した。
社風としてCS=ES、つまり従業員が満足していなければお客様に満足してもらえるサービスを提供できないという考えのもと、社員一人一人の自己実現を大切にしている。来場されたお客様がネット販売では感じられないような良質なサービスを五感で感じとってもらえるよう心掛けている。また、お客様に満足していただけるよう、社員だけでなくお取引先の方も一緒にチームとなって目標達成を目指している。そして、現状に満足せずに常に向上心を持って挑み続けている。