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所在地愛知県名古屋市北区浪打町2-35
設立1954年(昭和29年)4月1日
代表者代表取締役社長執行役員 福井稔
従業員数207人(2022年12月31日現在)

viewpoint 業界

 国分中部株式会社が属している食品卸売業界は、私たちが普段食べている食材を生産者からスーパーやコンビニなどの小売店に届ける仲介の役割を担っている。小売業者の代わりに商品を仕入れ、保管することにより流通全体のコストを削減することが出来る。生産者の営業活動を引き受け、小売店と取引することで生産者の負担を大きく減らし、全国の小売店や海外にも安定した流通を整備することで、「いつでも」「どこでも」「どんな食材でも」届けることが出来る。
 食品卸売業は生産者の負担を減らすだけでなく、膨大な食品に関するデータを持っているため、その情報を基に食のトレンドを予測している。そしてお客様に提供を行い、他社の商品同士を組み合わせたセット販売を提案するなどの役割を担っており、生産者から小売業者、消費者すべてをつないでいる。

viewpoint 企業

 今回取材させていただいた国分中部株式会社は、国分グループのエリアカンパニーとして東海4県北陸3県の食品卸を担当している。国分グループは、長い年月をかけ、お客様の信用を獲得して実績を伸ばし、今年で創業311年となる大手食品卸売企業となった。加工食品や冷蔵、冷凍食品、お酒を取り扱っており、取扱商品数は食品卸売業社の中で1位を誇っている。また、食品卸売業としての仕事だけでなく、オリジナル商品開発やネット事業などの新規事業も行っている。国分グループでは、食品卸の知見を生かしエリアごとの商品開発を行っており、国分中部でも中部圏の食材を生かした商品開発が行われている。

取材させていただいた社員さんの紹介

国分中部株式会社
低温フレッシュデリカ事業部   低温フレッシュデリカ事業部     人事総務部付
瀬尾 隼大 氏       岸 桃子 氏          竹本 梨乃 氏
2019年 経済学部卒業  2021年 経済学部卒業        2023年 経営学部卒業


今回、OBOGである瀬尾様、岸様、竹本様の3名と人事総務部の村西様に取材をさせていただいた。
OBOGの3名の仕事内容を簡単に示すと、瀬尾様はお客様の声を聞くことやメーカーへの訪問、岸様はメーカーと小売りの仲介、竹本様は新人研修中のため様々な部署を回り、仕事を学びながら働いている。

企業の取り組み

  国分中部は積極的に地元を盛り上げる活動も行っている。その一例として、三重県松阪市と協定を結び、吉本興業さんと連携してみえ松阪マラソンを盛り上げたり、丸井食品さんと協力し、松阪の新たな食文化を広めるために「松阪とり焼肉」のタレを開発するなど、地域に密着して人々の暮らしを支えている。地域住民からの厚い信頼を獲得することで中部地方における食品卸売業のリーディングカンパニーとして発展し続けている。
 地域活性化のような取り組みを行っているのは、国分グループが大切にしている「共創圏」があるからである。「共創圏」というのはメーカー・小売店等の従来のつながりだけでなく、学校や行政など様々なつながりを持つことで、「モノ売り」だけでなく、「コト売り」にも挑戦していこうとするものである。その例として、大学と協力してプロジェクトを起こしたり、岐阜県の観光産業を盛り上げるために、地元の小鮎を使った商品開発を行ったり、観光地情報をQRコード化して商品とともに宣伝するお手伝いをしている。このように、取引先との1対1ではなく共創圏を繋げていこうとする会社であることがわかった。

福利厚生

 福利厚生も充実している。産休や育休は男性でも取得可能で、取材時では200名ほどいる社員さんの中で男女合計5名の方が取得中であった。また、テレワーク制度やフレックスタイム制度、キャリアコース転換制度などが導入されており、働き方も柔軟である。フレックスタイム制度とは、働く時間を決めることができる制度である。また、キャリアコース転換制度というのは、転勤の範囲を選択することが出来る制度である。地元に残りたい人も、新たな地でキャリアアップを目指したい人も満足できる制度となっている。他にも自己啓発支援制度がある。これは資格取得に必要な費用を援助してくれる制度であり、国分グループで働く上で必要な資格を取得する際に役立っている。これらの制度により誰でも挑戦しやすく、働きやすい環境が 整っている。

インタビュー内容

 では、インタビューの内容に入ろう。なぜ国分中部への入社を決意したのか。皆様口をそろえて3点のことをおっしゃっている。「食品に関わる仕事がしたかった」「(国分グループは)幅広い商品を扱っている会社」「人の良さ」以上の3点である。そこで、なぜ食に関わる仕事で食品卸売業社である国分中部を選んだのか伺った。前提として食品卸売業の魅力は、特定の商品だけでなく多種の食品を扱えることが挙げられた。インタビューの答えとして、瀬尾様は「なんでも売っているから、自分の才能をどこかでつかんで営業できると思った。」と仰っている。これは、取扱商品数が1位の国分グループが誇れる強みだといえる。また、「人の良さ」についてインタビューした際には、人事の方を含めた四名の社員さん達が楽しそうに会社での様子や実体験をお話ししてくださり、社員さん同士の仲が良いことが伺えた。それは、国分中部では部署や役職関係なく、全員同じ大きい部屋で仕事をしており、全員共通して「さん」呼びをし、人との壁を作らないことを大事にしている会社だったからである。 竹本様は「先輩がすごく優しく気にかけてくださる」「入社前後のギャップもなかった」と仰っており、皆様が楽しく働いている印象を受けた。食品卸売業である国分中部は、時に商品開発も行っている。そんな国分中部で同じ営業を受け持ち、担当する課が異なる瀬尾様と岸様に「やりがい」についてお伺いした。瀬尾様は「トレンドを含めメーカーや店にメニューなどを提案し、お客様に美味しいと言われること」「店頭に出ているのを見ること」と仰っていた。「どのようにトレンドを発見しているのか」加えて質問させていただいたところ、「メディアなどを活用し、常に情報収集は怠らないようにしている。情報収集をし、集めるだけでなくその情報を用いて考える能力は役に立つ」と仰っていた。 岸様は「自分が提案したものを手に取ってもらえたとき」「世に出ていないメーカーの商品を取引先に採用してもらった時」「取引先に感謝された時」など付加価値があるものをもらえた時にやりがいを感じると仰っていた。また、新規のメーカーから依頼が来る際に「こだわりのあるものは国分さんに頼もう。」と案件をもらうそうで、その理由として国分グループの調達力や創立年数から多くの人に信頼されていることが挙げられた。
 国分グループが大切にしている「信用」。国分グループの社員1人1人が「信用」を大切にし、それぞれが異なる業務に取り組むことで得られた付加価値が「信用」につながっているのである。

コラム

 国分グループは人との信頼関係を築くこと、「信用」に重きを置いている企業であった。それにより、多くの人から「信用」される企業となり、今や311年という長い歴史を持つ大手食品卸売企業として成長した。良質な福利厚生や社外活動、社員さん達の距離の近さからアットホームな企業であることや、積極的に地元と協力して事業を起こすなど、歴史を守るだけでなく繋いでいこうとする。このように長い歴史を守りつつ、常に挑戦の志を持って進んでいるからこそ、国内No.1の食品卸売企業となっているのである。現在、国分グループは「人の想いを紡ぎ、食で新しい未来を創る。人と食の『縁むすび』」を大切にしながら、「食のマーケティングカンパニー」として価値創造No.1企業となることを目指しており、今後更なる発展が期待される。

チーム紹介


鈴木 凛  (経営学部2年)
古川 愛花 (現代中国学部1年)
川渕 順奈 (経済学部1年)
柘植 駿輔 (経済学部1年)

※本記事は2023年11月現在の内容となります。