-人の価値-
私たちはこの取材で、JTBで働く人々について知ることができた。その中でも最も大きな発見は、人の力に勝るものはないということだ。特に「人」について良いと感じた点を2つ挙げる。
まず、仲間の観点より「JTBの強みは人が魅力的である」ことだ。「他社にできてJTBにできないことはない」とおっしゃったほどである。実際、お会いした方々はとても気さくにお話をされていて上司と部下というよりも家族に近い雰囲気であった。また、まるで家族のようだと言った理由は気さくな部分だけではない。例えば、OBの矢部さんが挑戦したいことに対し、上司で浜松支店支店長である白石剛さん(以下「白石さん」)は見守ったり、時には挑戦できるような環境を整えたりする。要するに「やれることが多い」ということだ。このような関係は魅力的な人財を育てるうえで大切なことではないか。
次に、事業の観点より「デジタル・ヒューマン」という言葉が出てきた。これは、新型コロナウイルス感染流行に伴い、感染防止のため人との接触を避ける風潮から生まれた。しかし、JTBの魅力のひとつである「人財」をなくすことは惜しい。そこで、店頭を残しつつも一部をデジタルに置き換えた。つまり、人の価値を保ちつつデジタルを融合することで「人財」という魅力を残したのである。
これらのことから、JTBは「人」をいかに大切にしているのかがわかった。
-挑戦をやめない-
JTBの目指すべき人財像として「自律創造型人財」を掲げているが、その中に「挑戦し続ける人」がある。
実際に、人事チームの海野健太郎さん(以下「海野さん」)、支店長の白石さんに会社で活躍する人の共通点を聞いたところ、お二方とも口をそろえて「挑戦し続ける人」と答えていた。環境の変化に対応しながら、自分の限界を決めずにチャレンジする人が生き生きとした社員であるとおっしゃっていた。
また、矢部さんにJTBで働く魅力は何か聞いたところ、「チャレンジできる環境」と答えていた。何か新しいことに取り組むときに背中を押してくれる人、仲間がいるということを教えてくれた。
新型コロナウイルスの影響がある中、お客様とコミュニケーションをとりながら新しい旅行や観光地をゼロから生み出したり、ワクチン接種会場の運営やオリンピック会場の支援など今までやってこなかった事業をしたりと今だからこそできる挑戦をしている。コロナ禍によって厳しい状況にある旅行業界であるが、ピンチをチャンスととらえ、JTBは挑戦し続ける人たちによって、成長している。
背中を押してくれる仲間がいること、「挑戦し続ける人」を目指す雰囲気があることを感じ、矢部さんが「チャレンジできる環境」と答えた理由がわかった。