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所在地東京都品川区西品川一丁目1番1号 住友不動産大崎ガ-デンタワー
設立1993年(平成5年)10月1日
代表者佐々木  淳一
従業員数3,992名(2021年3月末現在) ※従業員数は連結の就業人員

viewpoint 業界

 私たちの周りには数えきれないほどの商品があり、売買を繰り返すことで経済が動いている。そのためには商品を作るメーカーと商品を売る販売者がいればいいわけではなく、その間に入り流通の仕組みを作らなければならない。売り手と買い手の間に立ち、パイプのような役割を担い卸売業を行っているのが商社である。
 商社は大きく「総合商社」「専門商社」に分けられる。前者は扱い品目に制限がなく幅広い分野を扱い、発電やエネルギー関連などの社会インフラ事業などが挙げられる。後者は扱い品目を専門分野に絞り、医薬品や繊維、鉄鋼、食品などを扱う。
 コロナ禍の現在、外食産業の需要が大幅に減少し家庭で食事を楽しむケースが増加した。なかでもストックの利く冷凍食品やドライ食品は、日々の外出制限により自宅時間の長期化の中で需要が高まってきた。これらの現在ニーズのある商品を専門的に売りにし、社会の変化に答え続けているのが「株式会社日本アクセス」である。


viewpoint 企業

 株式会社日本アクセスは総合食品卸売業として多様な機能とサービスを提供している専門商社である。「心に届く、美味しさを」を企業理念とし、常に食のライフラインを担う者としての責任をもって業務している。伊藤忠商事を親会社とし、伊藤忠グループにおける食ビジネスの担い手として収益力は業界No.1、食品物流インフラも日本No.1であり、食料品卸売業界売上第二位を誇っている。国内外の調達ネットワークによりチルド、ドライ、フローズン等の商材の扱いが約20万点以上である。独自のネットワークと日本国内約520拠点に及ぶ全温度帯対応のインフラを駆使し、高度なロジスティクスサービスを展開し、遠距離の地でも運びやすい環境が整備されている。
 海外に向けては中国やイギリス等13の国と地域に向けて、どこでも日本食が食べられる未来を目指し商品供給が行われている。
 さらにSDGsの目標実現に貢献する活動を行う他、ストレスチェックや定期健康診断を始めとした健康経営にも注力していることから、社員がやりがいをもって働きやすい環境下であることが分かる。

つながりを忘れない

株式会社日本アクセス
松井 駿道 氏
広報営業部門ドラッグストア第1営業部営業第1課
2016年度 現代中国学部 卒業

攻めの姿勢で臨む

 愛知大学OBの松井 駿道さん(以下「松井さん」)は、愛知大学現代中国学部を2017年に卒業後、日本アクセスの大阪支店に配属され、現在は本部にて広域営業部門ドラッグストア第1営業部営業第1課に所属されている。メーカーと商品の価格を決定し、それを得意先のドラッグストア本部の担当者へ商談に行く仕事だ。松井さんがその上で大切にしていることは、攻めの姿勢である。絶対に売りたいという商品を絞りメーカーと商談を進める際、自分の譲れないところは積極的に強気で交渉に臨んでいる。また身なりについても、食品を扱う仕事にはより清潔感が求められるため、服装の乱れや食品の風味を損なうような強い香水をつけたりしないように気をつけている。そもそも松井さんが日本アクセスを志望したきっかけは、食品業界に興味があったからというだけではない。就活中の企業説明会での日本アクセスのプログラム内容が1番のキーだ。「同業他社に比べ、内部を見せてもらえたことが決め手であった。先輩方の本音の話を色々聞かせていただき、こういった隠していることのないところで働きたいと思った。」と松井さんは語る。

社員に寄り添う職場環境

 働きやすさという点で、その職場の雰囲気がどのようなものなのかというのは、多くの人が留意するポイントの一つだろう。日本アクセスの社内の雰囲気を伺ったところ、大きく分けて二つの特徴が見られることがわかった。一つは、若手が多く、その活躍の場が提供されやすいということだ。上司や先輩の協力のもと、若手のうちから経験を積むことで主体性を身につけることができる。食品の情報を集め、お客様にぴったりのものを提案するためには、自分から価値を模索し、積極的に動いていくことが必要不可欠だ。同社ではそうした主体性をより早い段階から身につけられる環境が整っている。もう一つは、上司や先輩との距離が近く、相談しやすいということだ。先に述べた、若手の主体性の育成には、上司や先輩などの周りのサポートが重要となってくる。上司と部下の間で円滑なコミュニケーションが取られているからこそ、若手が成長しやすい環境が作り上げられているのだ。もちろん、良好な関係を築けているのは上司と部下の間柄だけではない。同社では社内交流の一環として、同期との絆を深めるためのプログラムなどを定期的に開催している。こうしたプログラムの成果もあり、同社は同期との横のつながりもより強固なものとしているのだ。
 このように同社では周囲の人とのつながりを大切にしており、仕事をする中でその恩恵を受けることも非常に多い。その一つとして、仕事中のミスへの対応が挙げられる。実際に松井さんに仕事中の失敗談を聞いた際、大きな失敗はしたことがないという回答をいただいた。これは、日ごろからコミュニケーションをとる習慣があるおかげで、周囲の人々とのつながりがしっかりとしているため、ミスが大きくなる前にお互いに声を掛け合うことができるという理由が土台としてあるようだ。こうしたつながりが効率的な業務遂行を可能にし、同社の食品商社としての立場を確固たるものにしているのではないだろうか。
 働きやすさという面では、同社は福利厚生や手当がしっかりとしている点も魅力の一つである。例えば、育児を行う方が仕事と生活を両立させられるように、時間短縮勤務を法律よりも長く設定していることなどが挙げられる。福利厚生を充実させることで、社員のワークライフバランスの向上に力を入れているのだ。手当に関しては、残業手当の場合だと、パソコンを開けてから閉じるまでの業務時間を一分単位で記録しているため、正確に残業代が支給される。残業時間も月に20時間ほどであり、会社として社員の生活に真摯に向き合っていることがわかるのではないだろうか。



本質を考える

 松井さんが仕事のやりがいを感じるのは、自分が商談で携わった商品が実際に店頭に並んでいるのを見たときだ。業界1位で勢いのある青森から大分まであるチェーンのドラッグストアを担当しているということで、非常に規模の大きいことがうかがえる。また、仕事中の印象深いエピソードとして、大阪支店に在籍されている時のお話を聞かせていただいた。約3年前に発生した大阪府北部地震の震源地は日本アクセスの支店があるところだったため。相当揺れて電気も付かない状況だったそうだ。そんなときに日本アクセスの社員みんなが一丸となってお客様に商品を運ぶという仕事を担った。大変な災害の時に人間味のあるこういった対応ができるこの会社はいいなあ、と松井さんは思ったようだ。自分のことだけではなく、他の人のことを想っているこの会社はホスピタリティ溢れるように感ぜられる。そういったことができる会社は多くはないであろう。だからこそ、緊急時の対応にその会社の目に見えない価値が反映されると考える。




社会で活躍するには

 大学生が働くことに対する疑問の1つとして、「どのような人材が求められているのか」という疑問が湧くであろう。今回の取材で、その疑問に対して人事の水島さんは、日本アクセスは「主体性」と「コミュニケーション能力」を備えた人材と答える。日本アクセスは、食品商社であるので、自分たちの食品をただ売るメーカーとは異なり、いろんな情報を集めて、お客様にぴったりな情報を届けることが仕事である。そのため、+αの価値を提案することが求められているが、自分から動いて+αの価値を生み出せない人は商売が難しいため、自分から動くという「主体性」が求められる。また、情報を提供する際に、相手がどのような情報を求めているかを考えなければならない。つまり、相手に有益な情報を提供するには、相手の立場を考えて行動できる能力が必要である。その能力が、「コミュニケーション能力」である。
 このように、日本アクセスの仕事は「主体性」と「コミュニケーション能力」が大事であるが、日本アクセスの仕事に限らず他の仕事においても「主体性」と「コミュニケーション能力」は必要な場面は多いであろう。大学生活において、この2つの能力を身に付けることはとても大切だと感じた取材であった。




チーム紹介

寳達 大翔 (法学部2年)
岩間 理圭子(文学部2年)
水上 京南 (経済学部2年)
高山 日菜子(文学部2年)

※本記事は2021年10月現在の内容となります。