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所在地愛知県岡崎市竜美南1-2
設立明治25年11月15日
代表者会頭 大林 市郎
従業員数31人(2024年4月現在)

viewpoint 業界

商工会議所は地元企業の成長と地域の発展を支援する地域総合経済団体で、商工会議所法に基づいて主に中小企業や地域が抱える様々な課題解決をサポートすることで「中小企業の活力強化」と「地域経済の活性化」に取り組んでいる。全国に515の商工会議所があり、それぞれが独立し、地域の中小企業を中心とする会員組織で成り立つ。
また、①地域を基盤とする「地域性」、②あらゆる業種・業態の会員企業で構成される「総合性」、③商工会議所法に基づく組織である「公共性」、④世界各国に商工会議所が組織されている「国際性」という4つの大きな特徴を持つ。
日本における商工会議所の歴史は明治時代にさかのぼる。江戸時代に欧米列強と締結した不平等条約改正の折衝に乗り出した内務卿・伊藤博文氏たちだが、その当時の日本には国民や実業界の意見を集約する民主的な場がなかったため、交渉が難航。そのため、当時の実業界に商工会議所「東京商法会議所(現在の東京商工会議所)」を設立したことが始まり。
以降、戦後復興、オイルショック、バブル崩壊、東日本大震災等多くの課題を乗り越えながら、中小企業・地域・日本経済の発展に向けて様々な活動を行っている。


viewpoint 企業

岡崎商工会議所は、明治25年に全国で16番目、県下2番目に設立された。取材日(2024/8/7)現在、職員数32人。
他の商工会議所と比較して、男女比が1:2と女性が多く、20~30代が全体の約43%と比較的高い点が岡崎商工会議所の特徴。
また岡崎市には、製造業だけでなく、商業、サービス業、建設業等、様々な業種の企業がバランスよく存在しており、岡崎商工会議所では各業界が抱える課題に対応するため、幅広い事業を行っている点が強みだ。



主な業務内容

会員企業の声に応える様々な事業のうち、代表的な「ヒト、モノ、カネ、情報」といった4つの経営資源の視点から紹介。
1.『ヒト』 企業の人材確保・定着・育成支援/中小企業の横のつながりづくり
独自で運営する就職情報サイト『OKナビ」を通して地売優良企業の魅力発信をしたり、学生と企業をつなぐ地元就職フェアを開催するなど、地元に特化した採用活動のサポートをしている。他にも、人材を定着させ、育成するためのセミナーや研修会も企画・開催。また、企業同士の課題の共有や共創が促進されるネットワークづくりの場の提供も行っている。
2.『モノ』 製造業・商業支援
製造業で重視される「カイゼン」の現場指導や、自社の技術力や強みをPRして新規取引先を開拓する商談会の開催、新商品開発支援プロジェクトの実施等、製造業が盛んな西三河ならではの充実した事業でサポートしている。商業では、販路開拓・ブランディングなどテーマ別のセミナー、事業者同士の事例勉強会・視察会を開催している。
3.「カネ』 補助金・融資制度、税制指導
融資や補助金・助成金等の情報発信や申請支援を行うことで、経営を安定させるとともに新たな挑戦を支援。
4.『情報』
毎月「会報」を発刊し、岡崎商工会議所の事業紹介、補助金情報、会員企業の新たな取組み紹介など、経営に役立つ情報を発信している。その他、ホームページ・メルマガ・Facebook・LINE・X(旧 Twitter)等を活用することで、タイムリーな情報を届けられるよう工夫をしている。




OGの方々の実際の体験

OB紹介
 岡崎商工会議所
 藤木七海 様                 鳥居玲里 様
   産業振興部 第二課 就職情報室
        会員事業部
 経済学部卒                                                             学部卒


先述の通り20~30代の職員が多く、若いうちから主担当として事業の企画・運営に携わる機会があるという。
上司や先輩のフォローのもと、質問や相談をしながら企画を作りあげていく経験は、1年目から責任ある仕事を自分で成し遂げたという実感が湧き、自信に繋がったそうだ。
実際にOGの藤木さんは1年目に会員企業向けの若手社員交流会の企画・運営を任せてもらい、上司のサポートのもと、講師の選定、交流会のプログラム構成、当日の司会進行まで担当した。
事業の一連の流れを体験し、成功体験を積むことができ、責任ある仕事を任せてもらえる楽しさを感じることができたという。



OGの方々の学生時代

お二方に「なぜ岡崎商工会議所で働こうと思ったのか/就職活動時に苦労したこと」について伺った。
藤木さん:就職活動を始めた頃は自分のやりたいことが明確ではなかったため、ギリギリまで企業分析やSPIの勉強にあまり力を入れておらず、勉強と面接対策を同時並行することに苦労したそうだ。おのずと企業選びも「年間休日」や「福利厚生」といった条件面に重きを置いていたのだが、岡崎商工会議所が「地元企業をあらゆる方向からサポート」していることを知り、初めて「仕事内容」を見てこの会社に行きたいと思ったのが岡崎商工会議所だった。自分に合った1社に出会うためには企業や業界研究、自己分析がとても大切と藤木さんはおっしゃった。
鳥居さん:商崎商工会議所を志望した理由は、広報や企画などに興味があり、若いうちから色々な仕事に携わることができるところに惹かれたから。
コロナ禍での就職活動でインターンシップ等が全てオンライン開催だったため、企業の雰囲気などを知れる機会が少なかった。対面が解禁されてからは積極的に説明会に参加し、色々な企業の生の声を聞いて視野が広がったそうだ。企業を知るためのポイントとして、街中で企業の看板を見つけた際、その企業について興味を持って調べてみるとより視野が広がり、自分のプラスになるとおっしゃった。
次に就職活動時に苦労したことを伺った。藤木さんは企業分析やSPIの勉強のスタートが遅れ、就活解禁日以降の会社説明会などで忙しい中、勉強も進めることに苦労したそうだ。鳥居さんはコロナ禍での就職活動であったため、対面でのインターンシップがなくオンラインでの開催であり、企業の雰囲気など分かりにくいことがあったとおっしゃった。合同企業説明会に参加し、様々な企業の話を聞くことで視野が広がったそうだ。




コラム

インタビューでは時間が過ぎるごとに空気が和み部署、年齢関係なく和気あいあいとコミュニケーションをとられる姿が印象的であった。
商工会議所という普段かかわりのない職業について知ることができ将来の職業の選択肢が増えた。
取材にご協力いただいた岡崎商工会議所の方々への感謝の気持ちを忘れないとともにこれからの学びに生かしていきたい。


チーム紹介

佐藤 花音  (現代中国学部1年)
佐野 七知子 (経済学部2年)
梅村 陽菜  (経営学部1年)
藤村 沙弥香 (経営学部1年)


※本記事は2024年10月現在の内容となります。