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愛知大学低年次キャリアデザインプログラム「OB・OG探訪記」
山崎製パン株式会社
日本の「食」を支える会社
所在地東京都千代田区岩本町3-10-1
設立1948年6月21日
代表者代表取締役社長 飯島延浩
従業員数19,478人(2018年12月31日現在)

viewpoint 業界

  今や、私たちの生活にはなくてはならない存在となっているパン。
一日三食の食事のうち朝食はパンにしている家は多いのではないだろうか。
そもそもパン食が増えた理由として、主に三つある。一つ目は、家族構成の変化である。人口は減っているが、世帯数は増え、世帯当たりの人数は減っている。そのため、簡単に食事を済ませる人や済ませたい人が増加した。二つ目は、生活様式の変化である。24時間営業であるコンビニエンスストアなどの普及により、いつでも安くパンを買い求めることができるようになった。三つ目は、供給体制である。技術革新により、高品質で安全安心な製品を安価に安定して供給できるようになった。これらのことから、パン業界の売り上げは堅調な推移を見せているといえる。しかし、そんなパン業界だが問題視されていることもある。その一つは、日本の食料自給率の低さである。日本の食料自給率は38%であり、中でもパンに使われる国産小麦は15%ほどで、ほとんど輸入に頼っている状況にある。その他にも、食品ロス・給食でのパン離れ・TPPの行方なども大きな課題であるため、これらの動向に注目していく必要がある。

viewpoint 企業

  山崎製パン株式会社(以下、「山崎製パン」)は昭和23年に創業され、現在は東京都千代田区に本社を置く日本最大、世界でも第二位の規模の製パン企業だ。
 山崎製パンは「良品廉価」と「顧客本位」という企業理念のもと「真に価値ある製品と真に価値あるサービスの提供」に挑戦している。特に「顧客本位」においてはライバル企業に目を向けるのではなくお客様の第一を考えている。さらに、山崎製パンの最大の魅力は、オンリーワンビジネスモデルとして、全国各工場での生産、フレッシュな製品を届ける物流、デイリーヤマザキでの販売を自社で行う体制だ。さらには、そのいずれにかかわっている人でも新製品のアイデアを出せるということだ。そのため年間でも商品開発で3000~5000種類もの新製品が生み出されている。こういった製品開発力は他に無い。国内シェアNO.1 であるのもうなずけるのではないだろうか。

人に愛されるパン作りを

山崎製パン株式会社
尾関実月  氏

営業課
2015年度 国際コミュニケーション学部 卒業
水野真太郎  氏
総務課
2013年度 経営学部 卒業

なぜ他の会社ではだめなのか

  本学OGの尾関実月さんは営業課量販係に勤務している。言わば、お客様と製品をつなぐ、無くてはならない存在である。その中でも尾関さんは新市場係に所属しており、自社製品を店舗に置いてもらうため、ドラッグストアや大学の生協などに足を運び商談を行っている。ドラッグストアには化粧品などの女性が購入する商品を多数取り扱っていることから、市場調査に訪れた際には「女性が来てくれてありがたい。」というお声を頂いたそうで、この新市場係は女性も働きやすい場であると話してくれた。
就職活動の際に、食品業界を選んだ理由と山崎製パンを選んだ理由について伺うと、「食品は人の口に入るため、非常に丁寧に扱っていることから人の心が込められていると感じ、食品業界が一番暖かみがあり親近感をもった。また、学生時代、よく部活の後に山崎製パンの製品を分け合って食べていたことから、こんな素敵な製品を作っている山崎製パンに入社したいと思った。」と語ってくれた。

  本学OBの水野真太郎さんは総務課に勤務している。建物の防災管理、廃棄物の管理、会議室の準備・運営を行っている。言わば、課と課をつなぐ架け橋のような存在である。工場内の消火器1600本の管理から名古屋工場記念行事の運営まで幅広い業務内容であり、あまり表には出ない仕事だが、「ありがとう。」と感謝の言葉をかけてくれる人がいると、「ちゃんと裏側の活躍を見ていてくれているのだな。」とやりがいを感じると話してくれた。
水野さんにも山崎製パンを選んだ理由について伺うと、「パンが好きなことと、働くなら製パン業界のリーディングカンパニー(業界を主導する企業)である山崎製パンで働きたいと思った。」と語ってくれた。

アットホームな社風がチャレンジできる環境に

  山崎製パンは、アットホームで働きやすく、何事にもチャレンジさせてくれる社風であると人事部の谷垣武志さんは仰っていた。そして、その社風は、尾関さんと水野さんお話からも伝わってくる。
尾関さんにこれまでの仕事の中で成功したことを伺ったところ、お取引先からは売れるはずのないと思われていた商品を説得してお店に置いてもらい、売上アップに貢献して感謝されたそうだ。前例のない商品であったためにその実績が評価され、仕事に対して融通が利くようになった。そして他のことにもチャレンジしてみたらどうだと言われるようになったと語ってくれた。また、尾関さんの所属する営業課量販係は、一人ひとりにノルマはなく、部署全体で成果を上げていくアットホームな雰囲気だと教えてくれた。
水野さんは山崎製パンがどのような会社か、語ってくれた。「ひとりひとりが活躍できる場があり、達成感を味わうことができる。失敗にも寛容なので、積極的にチャレンジできる人ほど楽しい会社だ。」と。
チャレンジすることは決して簡単ではない。だが、山崎製パンは、何事にもチャレンジをさせてくれ、サポートしてくれるアットホームな部署がある会社だ。そしてそこでのチャレンジは、更なる自身の成長につなげることができる。

やりたいことに打ち込む大切さ

  お二人は取材の中で、「学生時代の経験が今の仕事に活かされている」と語ってくれた。
 水野さんは大学時代、バトミントン部に所属して、毎日、大好きなバトミントンの活動に打ち込んでいたそうだ。部活動に打ち込むことで得た体力が意外なところで活躍したのである。山崎製パンでは営業職の男性社員は、入社後、研修としてトラックで商品を配送、商談する仕事に配属され、早朝5時から配達するため、とても早起きしなければならない。また、トラックに積んである商品を積み降ろしするのにも相当な体力が必要である。しかし水野さんは部活で得た体力があったからこそ乗り越える事ができたと話してくれた。
 尾関さんは大学時代に国内や海外にたくさん旅行に行き、見ず知らずの地でコミュニケーションを取るために相手の表情を汲み取る力をつける事ができ、営業の仕事をする上でとても活かされていると話してくれた。また大学時代に自分の好きな事に没頭する事で今しかない感性を磨く事ができたと言う。この相手の表情を汲み取る力と今しかない感性が尾関さんの新市場係という新しい物事を考える場で生かされているのだ。
 お二人のお話に共通しているのはどちらもやりたい事に打ち込んだ経験が、意外なところで自分の力となり発揮されているという点である。学生時代の経験は大人になってからも一生の宝物である。お二人のようにやりたい事に打ち込むことでその経験が活かされているのである。それはお二人のお話からもわかることだ。人生は今、今、今、の連続である。今を大切にする事が一番の成功への近道と言えるのだ。

誰もが製品開発担当者!?

column 発見

  山崎製パンでは全国各地に工場及び事業所が存在するが、その工場の一つで起きた興味深いエピソードを紹介しよう。その工場で行われたメロンパンの新製品開発コンクールに参加した女性チームのひとりが「メロンパンって皮の部分が美味しんだよね」というつぶやきから、それをもとにメロンパンの皮だけを使った新商品が開発された。そしてSNSで拡散され一躍人気商品となったのだ。このエピソードの面白いところは、ふとしたつぶやきから思わぬ大ヒット商品が生まれた事である。山崎製パンでは、工場一つ一つが一つの会社組織のようになっており、社員全員が新製品開発に携わる事ができるのである。このような会社のシステムにより、多くの意見が反映され、みんなに愛される大ヒット商品が生まれるのである。

チーム紹介

堀 航大(国際コミュニケーション学部 1年)
大木 優奈(法学部 2年)
横内 遥香(法学部 2年)
丸山 雄哉(経営学部 1年)

※本記事は2018年1月現在の内容となります。