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愛知大学低年次キャリアデザインプログラム「OB・OG探訪記」
株式会社PALTAC
誠実と信用の120年
所在地大阪市中央区本町橋2番46号
設立1928年12月22日
代表者代表取締役社長  糟谷誠一
従業員数2,217人(2018年3月末現在)

viewpoint 業界

  商品が消費者の手に届くまでには、生産→流通→販売という工程がある。その中の流通を担当しているのが商社である。商社はあらゆる分野の商品を扱い、広い領域で事業を展開している総合商社と、特定の事業分野に特化している専門商社(=卸売業)の二つに分けられる。総合商社とは身近なコンビニの経営から海外のインフラ事業への投資などといった幅広い事業を行っているのに対し、専門商社は取扱商品の幅を限定して(食品だけ、化粧品・日用品だけ、医薬品だけ 等)事業活動を行う。
現在の流通業界は、メーカーが商品を生産し、商社が輸送して小売業が店舗で販売するという流れが主流である。しかし今後、メーカーが生産した商品をネット通販会社が一括仕入れし、直接消費者のもとに届けるという流れが増えてくることが予想されるため、今後の動向から目が離せない。
一方で、卸売業は総合商社やメーカー、ネット通販会社と違い、自社で多くの在庫を持つという特性があるため、PALTACのような日用品・医薬品といった生活必需品を扱う卸売業は、地震など災害時対応の際の社会インフラとして注目されるようになり、改めてその評価が高まっている。水や電気と同じ生活に欠かせない重要な役割としても今後さらに欠かせない存在になっていく業界であると感じた。

viewpoint 企業

  “Want to be a road” ~豊かな生活に繋がる「路」を真摯に、誠実につくっていきたい~
サプライチェーン(ある製品が、原料の段階から消費者に至るまでの全過程のつながり)にかかわるすべての人を支える「路」。その「路」を安心して歩いてもらえるように、自分たちで信頼できる「路」をつくり、また、自分たち自身が「路」となれるように。これはPALTAC従業員が心に深く刻み込んだ《PALTAC MIND》である。
PALTACは「美と健康」の関連商品、主に化粧品・日用品・一般用医薬品を取り扱う卸売業である。1898年、化粧品・小間物商として創業し、今年で120周年という長い歴史をもつ。「誠実と信用」を胸に、「顧客満足の最大化と流通コストの最小化」をコーポレートスローガンに掲げ、効率的な品ぞろえや販売活動を支援する営業、徹底した高品質・ローコストを追及する物流機能強化に日々取り組んでいる。その《PALTAC MIND》を追及し続け、努力し続けることで日用雑貨・化粧品卸売業界で売上No.1の企業として活躍している。

業界No.1としての矜持

株式会社PALTAC
松浦充利 氏

名古屋支社営業部
2009年度 経営学部 卒業
吉田旭宏 氏
名古屋支社営業部
2015年度 経営学部 卒業

働くOBの姿

  営業部の仕事には、「メーカーと商談→小売業との商談→PALTAC内での商品手配」という大きな流れがあり、この流れに沿いつつ、各店舗や各メーカーそれぞれに対し、調整・対応していく。
営業部で働くOBの松浦充利さん(以下、松浦さん)は本部担当10人、エリアに3~5人、計20人ほどのチームの一員として、国内に1000店舗以上を展開する大手ドラッグストアのシャンプーや男性化粧品のカテゴリーを担当している。本部と連携し、どうすれば売り上げが伸びるかを考えたり、実際に現場に出向いて陳列方法を提案したりする。
また、同じく営業部で働くOBの吉田旭宏さん(以下、吉田さん)はドラッグストア2社・ホームセンター1社の計3企業を担当している。担当するそれらの小売業が、多い時には1ヶ月で3~4店舗もの新店を出すこともあり、オープンに合わせたスケジュールや納品の管理を行うことも多いそうだ。
働く中で感じるやりがいについて伺うと、吉田さんは、自分の提案した販促物や陳列方法が採用されることがやりがいであると話してくださった。また松浦さんは、自分の仕事が明確な数字として出てくること、そして小売業やメーカーから感謝されることだと話してくださった。

受け継がれる《PALTAC MIND》

  営業部のお二人が、仕事をする上で大切にしている点は何なのか。それは、「約束を守る」、「やると言ったことはやる」ということだ。一見当たり前のことに思うかもしれないが、取引先であるメーカーや小売業からの信頼を得るためには欠かせないことだろう。
さらには、取引先からの要望があったとき、それに対するPALTACの対応が他のどの卸よりも早い・良いものになるように努めているそうだ。このようなお二人の仕事に対する姿勢から、自社のことだけでなく、メーカーや小売業といった相手方のことを真摯に考えていることが窺える。
では、なぜこのような姿勢で仕事に臨んでいるのだろうか。
卸売業というのは、メーカーとは異なり、商品を作っているわけではない。そのため、「一緒に仕事をしたい」、「この人から商品を買いたい」というように、メーカーと小売業の双方から愛される人材になることが大切だ。だからこそお二人は先ほど述べた、お客様のことを第一に考える姿勢で仕事に臨んでいる。ここに創業以来から掲げられている「誠実と信用」、すなわち《PALTAC MIND》に通じるものがある。この精神が従業員の姿勢や行動に現れて取引先の小売業・メーカーからの信頼が高まり、それが長年積み重なった結果の一つが業界NO.1の売上につながっているといえるだろう。

インフラ企業としての使命 ~どんなときにも「当たり前」を~

 2018年は災害の多い年だった。特に風水害による被害が大きく、全国的に多くの死傷者が出た。このような自然災害に対し、PALTACはどのような対応をとっているのだろうか。
 名古屋支社管理部部長鈴木照夫さん(以下、鈴木さん)のお話によれば、全国に展開しているPALTACの大型物流センターには、3~4日分の非常用発電機が常備されているそうだ。また、台風など事前に対策を講じることのできる災害に対しては、ものが倒れたり飛散したりすることを防ぐため、事前にセンター内への取り込みや高積みをしないようしたりする。メーカーからの入荷の日程を繰り上げたりもするという。さらに、PALTAC名古屋支社3拠点では約1200人のパートの方が働いているが、台風などの接近によって、特に子どもを持つ家庭の方々は働くことが難しくなる。そのため、最も台風が接近する時間帯の通勤を避けたり、出勤できないパートタイマー以外の従業員に出退勤時間の変更や延長を交渉したりし、安全と労働力の確保に努めているという。
災害により、店舗への入荷が期日に間に合わないことが起きた場合には、東京や横浜、近畿、北陸の大型物流センターから代わりに出荷することもできる。
「消費者の皆様に商品を届けるために、“止めない物流”を心がけている」と話す鈴木さんの眼差しからは、私たち消費者の当たり前の日常を支えるという強い信念を感じることができた。

ライバル企業の存在

column 発見

  ライバル企業と聞いて、皆さんはどのようなイメージが湧くだろうか。もしかすると、自社とは敵対関係・常に競争している、といったイメージがあるかもしれない。
実際、OBのお二人の口からも「当然ビジネスである以上、小売店の売場を如何にして当社の取扱商品で構成することができるかを同業他社と常に激しく争っている」というコメントが聞かれた。ただその一方で以下のようなコメントも聞かれたことが印象的だった。「実は当社も同業他社も、小売業・メーカーの売上利益の向上、また実際にモノを扱う消費者の生活向上のために・・・という大きな目的は同じ。その点ではライバルでもあり、同じゴールを目指ししのぎを削りあう存在ですね。」
お二人のお話から、卸売業は小売業を支えているだけでなく、我々の生活の当たり前を生み出していることがわかり、世の中に欠かすことのできない存在だと感じることができた。

チーム紹介

山本 夏美(経営学部2 年)
遠藤 扶佐(国際コミュニケーション学部 1年)
青山 和幹(国際コミュニケーション学部 1年)
松岡 寛人(国際コミュニケーション学部 1年)

※本記事は2018年9月現在の内容となります。