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愛知大学低年次キャリアデザインプログラム「OB・OG探訪記」
愛知県庁
県の奉仕者として、 理想の愛知をめざす
所在地愛知県名古屋市中区三の丸3-1-2
設立愛知県知事 大村 秀章
代表者【職員数】約9,000名
従業員数(行政部門のみ、2016年4月現在)

viewpoint 業界

 公務員は、全体の奉仕者として公共の利益を目的に勤務している。公務員は、国の省庁で働く国家公務員と県庁や市役所で働く地方公務員の2つに分けることができ、それぞれ国家公務員法、地方公務員法によって給与や服務が定められている。また、公務員は、全体の奉仕者であるために、守秘義務や政治行為の禁止など服務上の強い制約があるほか、降任や免職について法律で明確に定められているという点が大きな特徴だ。

 県庁は、国の省庁と市町村の役所の、ちょうど中間のような規模と所管を持っている。勤務地は基本的に県内だが、他団体や東京の事務所に派遣されることもある。また、市町村より高い専門性を持つため、市町村からの要請により、県職員を市町村へ派遣したり、逆に市町村職員を研修生として受け入れたりすることがある。

 県庁の仕事は、多様な分野と幅広い業務内容があるため、いろいろな分野の仕事に就くチャンスがあり、入庁後に自分の適性を見極めることも可能だ。

 また、県庁は、国と市町村を繋いだり、市町村同士を繋いだりするだけでなく、複数の市町村に渡る広域的な事業も行っている。そのため県庁は、円滑な地方行政を行う上で欠くことのできない重要な役割を果たしている。

viewpoint 企業

 愛知県には山間部、都市部、農村地域の他に工業地域や海もあるため、多様な地域性に触れながら仕事ができるという、他県にはない魅力が愛知県庁にはある。また、東海・北陸地域の中核的ポジションを担う地域であり、予算規模も大きく、多様な地域性から生まれる様々な県政課題に積極的に取り組んでいる。

 現在、愛知県庁では、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催、2027年のリニア開業といった節目の年にターゲットを置き、「日本一元気な愛知」「すべての人が輝く愛知」「愛知一番」の実現を目指して、着実に愛知の総合力を高める政策を実施している。中でも重要な施策として「リニアを生かし世界の中で存在感を発揮する中京大都市圏づくり」、「日本の成長をリードする産業の革新・創造拠点づくり」、「安心・安全で誰もが夢と希望を抱き活躍する社会づくり」という3つを掲げ、中長期的な展望を持った地域づくりを進めている。

地道に、謙虚に、華やかに

愛知県庁
加藤 千尋 氏

県民生活部地域安全課
2007年度 大学院国際コミュニケーション研究科 卒業

働く加藤さんの一日

 今回、私達が取材させていただいた愛知大学のOGは、愛知県県民生活部地域安全課に所属する加藤千尋さんだ。地域安全課では、県民が安全に安心して暮らせるよう、犯罪のない安全なまちづくりと交通安全の推進をしている。ここで加藤さんは交通安全グループに所属しているが、いったいどのような仕事を行っているのだろうか。そこで、加藤さんの、担当しているイベントを控えている時期の1日について紹介する。

 加藤さんの1日は8時45分からのミーティングから始まる。それが終わると愛知県警察から送られてくる、昨日の交通事故死者数を記載した日報を編集し、市町村や県の事務所に配信する。そして、もう一人のイベント担当者を交え、事業を委託している広告代理店の担当者と打ち合わせをする。打ち合わせの内容を上司に報告し、修正点等があれば再度練り直すといった事をされているようだ。しかし、それ以外にも突発的な業務が入ることもあり、これらを全て業務時間内に終わらせられるように日々奮闘されている。

 私達学生は公務員というと、それだけで色眼鏡で見てしまうこともあるが、このようにある1日に着目してみても、民間企業とさほど変わらないということが分かる。

ジョブローテーションから見える成長と発見

 愛知県庁には若手職員に対するジョブローテーションという制度があり、加藤さんは今までに様々な人事異動を経験されてきている。この制度は、多彩な職務経験を通じて広い視野や知識を身につけると同時に、職員の適性を見出すために行なわれている。加藤さんの最初の配属先は、豊橋市にある東三河農林水産事務所であった。ここでは主に経理や農地整備等や工事の契約を始めとする、契約事務を担当されていた。その部署で3年働いたのちに健康福祉部保険医療局医務国保課に異動され、1年間救急医療を担当、次の年には周産期医療を担当し、周産期医療情報システムの改修に尽力された。その後、健康福祉部健康福祉総務課で部長等の秘書を務められ、現在所属されている地域安全課に異動された。

 加藤さんは、人事異動先では、すぐにでもその分野の専門知識が求められるため、その点はとても苦労すると話されていた。しかし、多彩な分野で業務ができるということは新鮮な体験で、自身の成長につながっているというお話も伺う事が出来た。

県で働く加藤さんのやりがい

 なぜ加藤さんは愛知県庁を選んだのか。それは大学院での様々な活動を通して、愛知県独自の魅力に気づいたからだ。愛知県には名古屋市という大都市もあれば、逆に、山や海に恵まれ自然豊かで美しいけれど過疎化が課題となっている地域もある。また、ものづくりが産業の中心であること、外国籍住民の方も多い等、多様な地域性がある。加藤さんは、愛知県はまるで日本の縮図のようであるとおっしゃられた。このような愛知県の魅力に気付いた加藤さんは市町村という規模ではなく、県という規模で様々な問題や課題に挑戦したいと思い、愛知県庁を選ばれたのだ。そして、現在は地域安全課で、「ながらスマホ防止キャンペーン」の事業を担当している。

 愛知県では、2016年、自動車運転中にスマートフォン用ゲームアプリを利用していたことが原因で交通死亡事故が2件発生した。その中でも、当時小学生の男の子が亡くなるという大変痛ましい事故が発生している。この状況を受け、車両運転中の「ながらスマホ」は極めて危険な行為であり、法令違反であるということを周知し、「ながらスマホ」による交通事故が1件でも減らせるよう、広報啓発活動を行っている。

 事業では、知事も出席するイベントを実施する他、テレビCMの放送や県内各所でのポスターの掲示、キャンペーンでの啓発資材の配布等、様々な手段を通じて広報を行う。そのため、イベントや啓発キャンペーンの詳細、ポスターやちらしのデザイン等について、より効果的なものになるように、課内の担当者や広告代理店の担当者とアイディアを出し合う。議論を重ねながら進め、「ながらスマホ」対策という前例のない事業が少しずつ形となり、さらにイベント実施、テレビCMやポスター等による広報が様々なところへ広がって行くことに、加藤さんはやりがいを感じているとのことであった。

今学生にもとめられるもの

column 発見

 人事課の藤森さん・松原さんに県職員に求められる人材を伺ったところ、次の3つの返答を得ることができた。まず1つ目は、広い視野から主体的に考え、スピード感と改革意識をもって行動できること。2つ目は、県民全体の奉仕者としての自覚をしっかりと持ち、県民の信頼の下で公務を担う責任感と使命感を常に意識して行動できること。そして最後に、組織の一員であることを強く意識し、個人ではなく組織で仕事に取り組むことができること。これら3つの資質が問われることになる。だが、これは県職員だけに求められる資質かといえば、それは違うと仰った。これら3つは学生から社会人になるにあたってどこでも求められる資質となる。その資質を育てるためにも、例えば学校やアルバイト、その他課外活動をする中でただ漫然と時間を費やすのではなく、「自分で考える」という行為を挟むことが求められる。大学生活の中でも何を学び、何を得たのか、その過程が大切になるのではないかと思った。

チーム紹介

伊藤 萌(法学部 2年)
黒川 恵里那(法学部 2年)
占部 拓人(法学部 1年)
渡邊 渉(経済学部 1年)

※本記事は2017年9月現在の内容となります。