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愛知大学低年次キャリアデザインプログラム「OB・OG探訪記」
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
未来のクルマ社会への挑戦
所在地愛知県安城市藤井町高根10番地
設立1969年5月15日
代表者取締役社長 尾﨑 和久
従業員数連結 29,977名/単独 17,590名
(2017年3月31日現在)

viewpoint 業界

 製造業とは原材料などを加工することによって製品を生産する日本の基幹産業であり、鉱業、建設業とともに第二次産業を構成する一大分野である。製造業において、中心的な役割を担うのが自動車製造業だ。車1台あたり、約3万点の部品が使われており、それらの部品を作る産業が自動車部品製造業である。部品を作るメーカーがなければ自動車を作ることはできない。つまり、自動車部品製造業は国内の製造業を陰から支えている存在ともいえる。

 国内においては高齢化、新興国においては自動車需要の高まりなど、自動車産業を取り巻く環境は日々目まぐるしく変化している。今後、自動運転や電気自動車など、高度化・多様化することも予想されており、社会が求める自動車需要に対応していくことが求められるだろう。

viewpoint 企業

 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社(以下「AW」)は、アイシン精機を中核とするアイシングループの中で最も売り上げの高い企業である。AWが目指す理想の車は「馬のように優れた車」だ。それは知能を持ち、乗り手の意を反映して走る車である。馬の脚力はオートマチックトランスミッション(以下「AT」)である。ATはエンジンの力をタイヤに伝える重要な役割を果たしており、世界シェアNo1を誇っている。ATは誰にでも運転しやすいという利便性があり、馬のような軽快な走りでドライブの楽しさを実現している。また、馬の知能にあたるのがカーナビゲーションシステムである。初めての場所でも快適な道案内を実現しており、AWは世界初の音声案内機能が搭載されたカーナビゲーションシステムを開発した。今後、自動運転や電気自動車の増加という業界動向に対し、新しい部署やプロジェクトを設立して挑戦し続けている。

未来のクルマ社会の創造に向けて

アイシン・エイ・ダブリュ株式会社
中屋 友宏 氏

生産管理本部 生産管理部プロジェクト 進行管理グループ
2012年度 経営学部 卒業

常に考え、臨機応変な対応

 本学OBの中屋友宏さん(以下「中屋さん」)は生産管理部プロジェクト進行グループに所属している。調達や製造、開発など様々な部署と関わり、新製品や工場の立ち上げプロジェクトの日程及び進行を管理する業務を行っている。言わば、全体の取りまとめをし、様々な部署との連携を図る中枢的な存在だ。そのため、他部署や顧客との会議及び会議の準備が仕事の大半を占める。中には国境を越えたグローバルに展開するプロジェクトもある。入社5年目の現在では大小合わせて150ものプロジェクトを担当している。相手の地域特性・状況・求めるものが様々であるため、臨機応変に対応することが必要とされ、常に考えることが求められる仕事である。

 就職活動時、中屋さんがAWを志望したきっかけを伺った。「自分がやった成果が目に見える仕事をしたいと考え、製造業を選んだ。海外旅行に行った際にトヨタなどの日本車が数多く走っているのを見て日本の自動車の偉大さを実感した。いつか海外で仕事をしたいと考えていた中、本学内での企業セミナーでAWを知り、世界中の会社と取引をし、グローバルな活動を行っているAWなら自分のやりたいことができると考えたから」と中屋さんは語ってくれた。

考えることが自己への成長

 中屋さんは学生時代、ハンドボール部にて副キャプテンを務められていた。チームを強くするために他のチームの練習を見学しに行ったり、外部から監督を呼んだりと自発的に活動していった。試合で勝つためのあらゆる戦略を自分たちで考えたのである。

 就職活動時には、他人と差をつけるためにセミナーや説明会に数多く参加し、実際に企業で働く人と会って情報を手に入れていた。表面的ではなく深層的に知ることで自分の個性とその企業はマッチングするのか、どういう仕事をしていきたいのか。などと明確なイメージを描くことができたという。ここでも自分で考えて行動することが活きている。

 人事部リクルートグループの永井潤さん(以下「永井さん」)からは、就職活動において企業を選ぶ際に大切なことを学んだ。学生は企業の規模や時代に流される傾向がある。しかし、重要なことは自分の考えと企業の考えがあっているか、企業の向かう方向性に自分は何ができるのかを考えることだ。自分の意思を尊重することが志望企業を定めるにおいて重要なことではないだろうか。

どんな厳しい状況でも前向きに

 中屋さんに新人時代の仕事で印象に残っているものについて聞いたところ、入社半年後で担った中国の新工場立ち上げプロジェクトについての話をしてくれた。プロジェクト進行グループは、モノを作る部署ではない。モノを作ってもらう部署である。そのため、各部署に納得してもらう必要がある。この仕事は物事が思い通りに進むとは限らない。入社して、何もわからない状況下でどうすればよいのか自分で考えた。テレビ電話などうまく自分の意思を伝えることができない時には、中国への出張の許可を取り、直接現地の人と会って話をした。そして約2年後、中国の更地には工場ができ、生産ラインができ、製品が出来上がった。その時、自分が手掛けたプロジェクトの成果が目に見え、多くの人から認められ、大きな達成感を感じたと語ってくれた。

 プロジェクト進行という仕事は多くの部署や会社を巻き込む。そのため、他人から言われたことのみをしているのではなく、その場に応じて何が必要なのかをくみ取って動くことが求められる。そして諦めずに努力できる人は信頼が得られ、前の自分よりも成長できる。

 プロジェクトの中では多くの問題が発生する。どんなに厳しくても強い根性を持ち、前向きに考えることが成功へ繋がるということを学んだ。

―働く場の工夫―

column 発見

 AWは働く場所にもこだわっている。開発拠点として2011年に建設された技術センターは実際に働く人がコンセプトを考えた。技術センターには、活発に議論ができる場・誰もが意見を言いやすい場というコンセプトのもと、16のシチュエーション「場力(ばりき)」がある。スロープ状の廊下には小規模の打ち合わせをするスペースやベンチを設置した。他にも、柱を無くすことで圧迫感を無くし、部署を超えたコミュニケーションを活発化させる構造となっている。

 先進的な製品を生み出すAW。そのためには新しいアイデアを出し続けることが必要となってくる。このような様々な工夫と努力によって、未来のクルマ社会の創造に挑戦し続けることができるのだろう。

チーム紹介

永原 尚大(経済学部 2年)
松枝 彩花(経営学部 2年)
森下 篤也(経営学部 2年)
蛭薙 舞(経営学部 1年)

※本記事は2017年9月現在の内容となります。