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日本史学専攻

日本を中心に関連地域の歴史も学び
日本社会の今を考察する。

「日本史」というと、教科書や年表の丸暗記をイメージする方が多いかもしれません。しかし、本来の歴史研究は知的好奇心と刺激に満ちています。日本史学専攻の授業では、当時の人々が書いた手紙や日記といった史料を解読しますが、原文を読み解きながら、その時代の人々の日常や社会の姿を感じ取ることに歴史の醍醐味があるといえます。また、新たな発見が日本史そのものを変えることもあります。歴史の常識を覆すような最新の研究成果を知ることで、日本史のダイナミズムを実感できるでしょう。日本史学専攻では、2年次より講義および史料講読を行い、基礎的な知識を身につけます。3年次以降は、専門的な演習などで研究能力を高め、卒業論文に結実させます。現場に赴き、歴史的景観や現物を見るフィールドワークや史料重視の教育も大きな特色です。


ゼミナール・卒業論文テーマ

ゼミナールの主なテーマ
卒業論文の主なテーマ

専門教育科目ピックアップ

歴史地理学特殊講義

文学部 教授
山田 邦明
中世の人々は何を考え、どのように生活したか。
現代社会は独身率が高いといわれていますが、実は中世の日本も独身率が非常に高い時代でした。全人口の中で僧侶の占める割合が高く、僧侶は結婚できなかったからです。宗教が現代よりもはるかに重視されていた時代、僧侶は支配者であり、日常の相談事から病気の平癒まで担う先生兼医者でもありました。このように少し視点を変えると、中世の人々のいきいきとした姿が見えてきます。授業では天皇から民衆まで、中世に生きるさまざまな立場の人々の生活を概観し社会の構造をひもときます。また、鎌倉と京都を結ぶ東海道の通過点であった三河・尾張地方は多くの旅日記に記されており、非常に文献に恵まれた地域です。尾張・三河地方の荘園や武士の勢力図などから、この地域の特質を探ります。鎌倉・京都といった中央だけでなく、列島全体から中世を捉え、歴史的思考力を鍛えることがこの授業のねらいです。

世界史学専攻

現代世界の構造とその来歴を問い直す。

よく「中国史の基本」とか「ドイツ史概説」などといいますが、これはある理念のもとにつくられた、一つの歴史像を体現したものにほかなりません。社会や過去の姿をどう描くかは、人によって異なり、誰にでも受け入れられる「客観的」で「真実」の歴史など存在しないからです。現行の「東洋」「西洋」という区分も、ヨーロッパ側から「東洋」を支配するためにつくられた認識を反映したにほかなりません。社会を成り立たせている力の構造と、これが設定した規範によって、そこに描かれる歴史の姿や事件の解釈は、大きく規定されます。「実証的」という言葉で覆い隠されてきた、さまざまな歴史像の成り立ちと、その背後にある意図を見極める「知」を涵養しつつ、我々が縛られている歴史観を問い直していきます。これは世界史という視野の中でしか行いえません。


ゼミナール・卒業論文テーマ

ゼミナールの主なテーマ
卒業論文の主なテーマ

専門教育科目ピックアップ

世界史学基礎講読

文学部 准教授
長井 千秋
漢文史料から、躍動する中国史を体感する。
中国および近代以前の朝鮮半島やモンゴル、シルクロードなど中国周辺地域の歴史研究に不可欠なものが、漢文(漢籍)史料の読解です。とりわけ、『史記』から『明史』まで歴代の中国王朝が編纂した歴史書『正史』は、中国史を研究する上で基礎となる史料です。授業では、清代に書かれた『正史』の評論を題材に、文法や語彙を学びながら、白文を読みこなす力を養います。関羽や曹操など日本でもなじみ深い三国志の人物に関する記述もあり、人々の動きや感情、時代の流れがいきいきと描かれています。原典の文章に触れることで、中国史がより身近に感じられるでしょう。読解にあたっては文章の理解のみならず、地図や年表、辞典などの工具書も参照しながら史実の歴史的な位置づけや地理的な関係を学びます。史料を通して、時代は違っても我々と同じ生きている人間の記録であると体感できること、それが歴史研究の醍醐味です。

地理学専攻

都市や産業が、なぜそこにできたのか。
現地を歩いて明らかにする。

地理学とは、人間の諸活動がどのような秩序の下で地表空間に展開しているかを解明する科学です。日本の国土は、世界でも稀なほど変化に富み、それゆえに多様な文化が生まれました。地理学専攻では、人間の生きる基盤としての土地から、歴史や文化、人々の生活を読み解きます。フィールドワーク実習でデータを収集する技術を身につけ、演習や地図学を通して、データを図表に表示し伝える技術を修得します。地理学専攻の共同研究室には、約50年に及ぶフィールド調査に基づいた卒業論文が今も保管されています。先輩が残した研究成果に学び、フィールドワークで企画立案から調査・分析・まとめ・発表までを実践し、半世紀の蓄積を進化させる発見をめざすと同時に、社会で通用するプランニング力や行動力、コミュニケーション力を養います。


ゼミナール・卒業論文テーマ

ゼミナールの主なテーマ
卒業論文の主なテーマ

専門教育科目ピックアップ

歴史地理学

文学部 教授
有薗 正一郎
江戸時代の農耕を手掛かりに地域性を学ぶ。
アリとキリギリスという童話を日本人が聞くと「なるほど」と理解できますが、熱帯地方の人にとっては教訓の意味をなさない場合があります。一年中作物が収穫できる熱帯では、食料を備蓄するという発想自体がないからです。これは、住む場所が変われば生活様式や価値観までも変化するという代表的な例の一つです。狭く感じる日本においても、北海道から沖縄まで気候や地形、地質といった条件は実に多彩で、それぞれの特徴は大きく異なります。私の授業では江戸時代の農作物や農耕技術を中心に学び、さまざまな地域性を理解します。現在わが国は日本国という単一国家ですが、江戸時代は尾張の国・三河の国と呼ばれていたように、半ば独立した地域で構成された連合国であったといえるでしょう。その多彩な地域性と併せて歴史的背景を学び、地域の多様性を理解することで柔軟な発想を養います。