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学長のことば

2023年度学位授与式・学長告辞

告辞
(2023年度卒業式)

皆さん、ご卒業おめでとうございます。大学を代表いたしまして、心よりお祝い申し上げます。
ただし、お祝いの言葉と並行して、私たちは皆さんにお詫びを申し上げなければなりません。ご卒業を迎えられた皆さんの多くは、2020年4月に本学にご入学されたと思います。あの春は、入学式を行うことができませんでした。そして数ヶ月の間、校舎を開けることすらできませんでした。社会情勢が許さなかったとはいえ、我々の力足らずで、皆さんが思い描かれていた環境を整えることができなかったことは、誠に申し訳なく思っています。心からお詫びを申し上げます。

しかしながら、皆さんは、あのような状況に閉じこめられていたにもかかわらず、立派に学業を修められ、本日を迎えられました。分厚い壁を突き破ったわけです。ゆるがない意志と、粘り強さが、皆さんには備わっているはずです。大変に素晴らしいことで、敬服の念を抱きます。
卒業ということは、本学で学ぶべきことは、十分に得たということです。愛知大学の卒業にどれほど価値があるかは、本学のご卒業生、16万人も存在する皆さんの先輩方が、社会のいたるところで大いにご活躍されている、そのことが雄弁に物語っています。

皆さんは、いま、皆さんが思っているよりもずっと、高いところにいます。大きく翼を広げ、飛び出していきましょう。世界は広大で、色彩に溢れています。思い切って、もっと高く、もっと遠くへ。ときには嵐が吹き荒れることもあるでしょう。猛烈な日差しに襲われることもあるでしょう。無理をせず回避することも必要です。ただ、最後には自分の翼を信じて、力強く、飛び回ってもらいたいのです。
そして、たまには翼を休めるべく、本学に戻ってきてください。後輩たちが、世界の大きさ、彩りの豊かさを聞きたがっています。

皆さんの母校は、ずっと、ここ(彼の地)にあります。

改めまして、ご卒業おめでとうございます。今後のご活躍を、心より楽しみにしております。

2024年3月22、23日
愛知大学学長  広瀬裕樹