当社は、手帳製造メーカーとして、企業からのオーダーに応じるOEMとして営業を展開しておりましたが、メーカーとして自社ブランドを世に投入したいと考えておりました。また、手帳メーカーの社長が他社製品の手帳を使っていたというのも今となっては笑い話しですが、そんな中で立ち上げたのが、オリジナル自社ブランドの「ユメキロック」です。そして、そんな今までにない面白い手帳を発信したいと思い生み出したのが「セパレートダイアリー」です。手帳の上下の二つに分けるという発想、最初はなかなか売れませんでしたが、今では10何万冊と売れる当社のベストセラーとなりました。3年目に新商品として生み出した「テテフ」も印象的です。手帳を畳むという発想はなかなかないと思いますが、現場と相談して思い切って商品化を決めたことが印象的です。
　手帳制作にあたり心がけていることは、現場を大事にすることで、現場になぜ作るのかという目的をしっかりと共有することに気を付けています。「こう作ってほしい」、「こうやって使ってほしい」と伝える中でコミュニケーションを大事にしていますが、その過程の中で、作り手から改善提案があがるなど、社員が一丸となって世に面白い商品を発信していくという体制が整っている点も魅力かと思います。

　これまで3回プログラムを実施しましたが、まず感じたことは学生のプレゼンテーション能力の高さです。グローバルコンベンションホールでのコンペティションという非常に緊張する場面かと思いますが、堂々と発表する学生を感心してみていました。
　最初の商品化は「ワンセメ手帳」でした。当社の「セパレートダイアリー」は上下別々ですが、「ワンセメ手帳」は左右で見られる構造が斬新で、またセメスターで分けるというアイディアもとても新鮮でした。ロゴも可愛くチームのらしさが発揮されていました。
　2年目は「3STEP日記」。3行で日記をつけるという工夫は俊逸でした。また日付フリーという特徴など、日記を続けられるための工夫が多く散りばめられている日記でした。一行ずつ簡単に書くことができ、最後には「どうする？」という形で纏められる点から前向きになれる点も面白く、学生が考案した日記帳でしたが、実際は企業研修や社員研修で採用されたり、高校の部活でも活用されているなど、当初ターゲットとしていなかった層へも浸透している点も印象的です。
　3年目は「クエスト手帳」。こちらは3年目にして初の男子学生チームからの参戦があったことが印象的です。また、その3人は皆、初対面という状態。最初は「厳しいかな・・」と思ったこともありましたが、最終的にグランプリを獲得しました。ゲーム要素を取り込んだ手帳で日々を攻略するという視点がとてもユニークでした。まだ発売したばかりですが、これからの展開が楽しみでもあります。