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愛知大学低年次キャリアデザインプログラム「探訪記」
西濃運輸株式会社
~この世界の繁栄へ、心をつなぐ~

所在地岐阜県大垣市田口町1
設立 2005年10月1日
代表者取締役社長 髙橋 智
従業員数17,129名(2023年4月現在)

viewpoint 業界

まず始めに、物流業界で行われている取引として、BtoB取引(企業同士の取引)とBtoC取引(企業と消費者の取引)の2種類がある。
西濃運輸株式会社(以下、西濃運輸)ではBtoB取引を行っている。企業同士の取引であるため、私たち消費者からすると直接関わる機会は極めて少ないといえる。
西濃運輸が使用しているカンガルー便のトラックを見たことはあっても、その配達員から荷物を受け取ったことがある人は少数だろう。
しかし、世の中にはBtoB取引が必要なのもまた事実だ。
スマートフォンを例に考えてみよう。原材料を運んでパーツを作り、そのパーツを組み立てる工場に運んで製造、完成品を店舗に運ぶ・・・。
この運ぶ過程において、BtoB取引が発生する。私たちが何気なく購入する商品は、その裏で多くのBtoB取引が行われているのである。
そんなBtoB取引を担っているのが、今回私たちが取材させていただいた西濃運輸である。

viewpoint 企業

西濃運輸は1930年2月11日に創業、1946年11月1日に設立された株式会社である。本社は岐阜県大垣市にあり、代表取締役社長は田口義隆様。西濃運輸は企業同士での取引をするBtoB企業だ。事業内容としては、貨物自動車輸送事業、貨物利用運送事業、倉庫業、航空運送代理店業、通関業、国際複合一貫輸送事業他があげられ、資本金は424億81百万円である。

【福利厚生について】
西濃運輸には多くの福利厚生がある。その中には上位免許取得費用貸与制度や独身寮・借上社宅制度などが含まれる。そして私たち学生にとってありがたい奨学金立替制度がある。この制度は従業員が在学中に利用していた奨学金を西濃運輸が一括肩代わり返済をしてくれるというものだ。

【休暇について】
西濃運輸の年間休日は112日間あり、日曜日、祝日、月3回ほどのシフト休みがとれる。さらに年末年始や夏季休暇、生理休暇、リフレッシュワン休暇をとることが可能だ。以上より、西濃運輸はワークライフバランスが取りやすい会社であるといえる。

西濃運輸というチーム

企業名 西濃運輸株式会社
人事部人事課 伊藤様 加藤様

西濃運輸はチームである。個々で働いているのではない。取材をしていてその気持ちを強く感じた。ここからは取材を通して分かった西濃運輸のチームワークを紹介していく。

部署を超えて働く

西濃運輸では、一人でパソコンと向き合うよりも、部署や支店を越えてチームで働いている。
この言葉の裏には西濃運輸の充実した研修期間の存在がある。
新入社員には一年間の研修期間が設けられており、ドライバーの業務、支店での業務、財務や経理といった事務職をジョブローテーションしながら学んでいく。
これにより社員は、ドライバーや他部署がどんな業務にあたっているのかを知ることができる。
すなわち、相手の考えを考慮して、協力し合いながら仕事をすることができるのである。まさにチーム一丸となり働いているのである。

野球

チームとなって応援する。西濃運輸には野球部、空手道部といった部活が存在するが、特に野球部は全国大会常連の名門である。
そこで社員は、有志により応援部を結成し、応援によって部活を支えている。
また社員で試合会場である東京ドームまで行き、応援や観戦をするといった取り組みも行われている。
そんな野球部の強さの秘訣には、会社が力を入れることで練習環境が良くなる、といった部分が大きいという。
業務外でも社員同士の結束を高める。まさに会社全体でチームとなって戦っているのである。

ドライバーとの話

今回お話を伺った伊藤様によると、トラックドライバーは最初ちょっと怖いというイメージがあったそうだ。
しかし実際に会ってみると、ドライバーはみんな非常に優しく、缶コーヒーをたくさん奢ってもらったそうだ。

西濃運輸のいいところ

西濃運輸では個人のワークスタイルに合った働き方が可能である。
ドライバーの採用が昼間と夜間で分かれているため、昼間と夜間、両方の勤務をこなすということがない。
これは社員それぞれに合わせたワークスタイルで働くことができるということである。
また、西濃運輸は通常業務外の活動が活発である。
西濃運輸には、野球部と空手道部があり、特に野球部は毎年全国大会に出場し、過去には優勝経験もあるチームである。
また社員の中から有志を募り、応援団を設立したり、社員全員で試合会場まで観戦をしたりする取り組みが行われている。
また、入社一年目以上の社員を対象にASEANを中心とした国で一年間業務をこなすグローバルトレーニー制度もあり、社員自ら様々な活動に挑戦できる環境が整っている。

2024年問題

2024年問題とは、働き方改革関連法案によるトラックドライバーの時間外労働の管理が厳格化されることで、ドライバーの勤務時間が短くなり、荷物を届ける時間が長期化するといった問題のことである。
西濃運輸では当問題に事前に対策を講じていた。
これまでトラックで輸送していた荷物を鉄道で配送するモーダルシフトや、同業界の企業と協業し共同配達を行ったりした。
その結果、西濃運輸では2024年問題を単に乗り越えるだけでなく、他企業と協力関係を築いた上に、
2024年問題の影響を受けた中小企業から人材や仕事が舞い込み、逆に成長するチャンスとなった。

就活生へのメッセージ

今回お話を伺ったおふたりから就活生の皆様へメッセージを頂いたので紹介する。
学生のうちに手に入る社会の知識は少ないため、インターンに参加するなど、学生のうちから社会人としての経験を多く積むことが大切とのことだ。
また、インターン参加する際には、興味のある業界・企業に絞らず、出来るだけ広く話を聞きに行きことが重要だ。
これは、それまでに興味がなかった業界・企業に魅力が見つかるかもしれない上、実際に働く中で、聞いておいたが話が生きるかもしれないも知らないからだそうだ。
そして、就職先の企業を決める際には、人事の方の雰囲気、イメージ、知名度で決めずに、自分の目で企業の本質を見抜くことが大切だ。
有名な企業でも経営が傾いている場合があり、また、人事の方はもともと雰囲気のよい方が就職してもらうためにやさしく接しているので、人事の方が良かったからと言って現場の雰囲気も良いとは判断できない。
先輩社員との座談会など、実際の社員から直接話を聞くなどして、自分の目で確かめることが重要だ。

column 発見

今回西濃運輸様の本社に取材させていただいたことで、私たちの普段の生活がいかに物流業に支えられていたのかを実感した。
物流業と聞くと力仕事がメインであまり良いイメージが浮かばない人もいるかもしれない。
実際、私も取材に行くまではその1人だった。
だが、今回取材に応じていただいた人事部の加藤様と伊藤様の話を伺うとそのようなイメージは一変した。
中でも、伊藤様がおっしゃっていた「物流業は表の世界には出てはいないが生活の当たり前を作るスーパーマンです。」という言葉が心に響いた。
西濃運輸では入社1年目に1年間の研修期間があり、そこでドライバーとして働いた経験があるからこそより言葉に重みがありその意味に嘘偽りがなかった。
また、初の企業訪問ということでとても緊張していた私たちを終始和やかな雰囲気で出迎えてくださり、
取材中も生き生きと笑顔で答えてくださり誇りをもって仕事をしているようだった。
やりがいも多く感じていて社員さん同士の仲の良さがひしひしと伝わってきた。
特に、西濃運輸の野球部について話してくださっていたときに感じられた。
選手の背番号や出身地を把握していることはもちろんだが、自分のことかのように嬉しそうに「この前の試合勝ったんだよね」
などとおっしゃっていて西濃運輸のアットホームな雰囲気が伝わってきた。この温かさも西濃運輸の大事な魅力な1つだと思う。

チーム紹介

畑 和佳奈  (国際コミュニケーション学部 1年)
祖父江 晴天  (法学部法学科 2年)
服部 隼弥  (経済学部 1年)
伊藤 凛  (経営学部 1年)
西川 祐吾 (経営学部 1年)

※本記事は2025年11月現在の内容となります。