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所在地愛知県大府市横根町茨狭間7-87
設立1967年5月17日
代表者代表取締役社長 成戸 繁之
従業員数93名 (2024年2月時点)

viewpoint 業界


現在、日本にある全企業数は約358万社あり、その中でも中小企業は99.7%を占めている。
このような多種多様な企業の中で皆さんはどのような企業に就きたいだろうか。
一般的には、製造業、サービス業、IT、小売業、金融業など、このように、世の中には多様な業界が存在している。
その中で、私たちが取材しに行った三恵シーアンドシーは製造業の業界に携わっている企業となる。


viewpoint 企業

三恵シーアンドシーは大府市に拠点を置く企業で、主要な取引先には株式会社デンソーと株式会社ジェイテクトが挙げられる。
通常、製造業は企画から販売までいくつかのステップに分かれているが、三恵シーアンドシーは、設計から製造まですべてを社内で一貫して作り出す強みを持っている。この社内の一貫製造によって、部署を超えてコミュニケーションが活発に行うことができる。
さらに設計ミスが発生した時にも、近くで確認でき、迅速な対応ができるため、フィードバックが行いやすい環境を持っている会社だと言えるだろう。これが全従業員のスキルアップにも繋がり、従業員の人たちが、自ら部品を選定し、設計まで行い、さらに完成まで直接観ることができるのだ。このように、自分の想像通りに造られることで、造り甲斐が感じられる会社という点が、この会社の最も魅力的な長所だと言えるだろう。
さらに三恵シーアンドシーは、2018 年に協会けんぽの健康経営チャレンジ事業所に認定され、その後 6 年連続で健康経営優良法人(中小規模法人部門)に選ばれ、2021 年~ 2024 年にはブライト 500 にも認定された。


viewpoint 健康経営

健康経営とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することである。これは、従業員の健康を向上させ、組織全体の生産性や業績を向上させることを目的としている。これから、三恵シーアンドシーが行っている健康経営の取り組みを2つ紹介する。

【ベジ UP 月間】 一つ目は、ベジ UP 月間である。これは、会社全体で野菜摂取を促進する取り組みで、会社の補助を受けて通年 80 円で購入できるカゴメ野菜ジュースが、ベジ UP 期間中は更に
60 円で購入できる。これにより、通常価格よりもお得に健康的な飲み物を楽しむことができる。
さらに、ベジ UP 月間前後には、ベジチェックが行われる。ベジチェックとは、推定野菜摂取量を可視化する機器のことで、これを使って食習慣改善の行動変容をサポートできる。2021 年度では目標達成者に賞品が贈られ、2022 年度からは目標未達成でも数値が大きく上昇した人にはジャンプアップ賞が贈呈された。目標値に遠い人でもモチベーションを維持できる工夫があり、これがきっかけで野菜摂取に前向きな変化が見られ、多くの参加者が健康への意識を高めた。

【Coming Future】
二つ目は Coming Future である。これは、11 月 8 日のいい歯の日にちなみ、噛むことと将来の健康を社員に考えて行われるものである。具体的な取り組みとして、全社員に歯間ブラシとキシリトールガムの配布を行っている。それと同時に手作りの歯ブラシの効果やガムの効果について書かれている紙も配っている。丁寧な説明が書かれており社員の歯を大事にする気持ちが感じられた。さらに、社員に歯についての知識を深めてもらうため、10 分程度の動画視聴と知識を定着してもらうためのアンケートが行われている。
このような取り組みにより、三恵シーアンドシーは社員が健康に働き続けることができる環境が整っているといえる。

【きっかけ】 三恵シーアンドシーが健康経営を取り組むようになったきっかけとして、大手が健康経営に取り組み始めたことがある。健康経営について紹介されたことで、自分たちもやってみようと考えた。しかし、どのように健康経営を行えばいいかわからなかったときに、健康優良法人認定の協会けんぽのチラシが送られてきた。そこで、健康診断結果を確認したところ、社員の中に要再検査・要精密検査といわれた若い従業員が多くいることが発覚した。そこから、三恵シーアンドシーは食生活の改善といった健康経営に取り組み始めた。その結果、現在では、6 年連続で健康経営優良法人(中小規模法人部門)に選ばれている。

明日への創造、新たなチャレンジ

株式会社三恵シーアンドシー
管理部総務課
岩井 幸子 氏

【大学生に伝えたいこと】
実際、健康経営を行い、社員を大切にする三恵シーアンドシーが求める大学生のすがたとはなんだろうか。そう思い私たちは、管理部の岩井幸子さん、浅田実里さん、山崎裕史さんに直接聞いてみた。
岩井さんからは、「いろんな人と会ってみることや、自分がなんでも話せるような人を作るとよいです。」とアドバイスをもらった。また、山崎さんからは、「失敗は誰にでもあるが、同じ失敗をしないことが大切です。」とも言っていた。働くにあたって重要になるものは人脈作りであり、様々な人とコミュニケーションすることで視点の幅や好奇心が大きくなるという。また、失敗から学び、同じことを繰り返さないという意識や好奇心が自身のモチベーションアップにつながるのだ。
そもそも、やりたい職業の見つけ方がわからない人も多くいるだろう。そこで私たちと年が近い浅田さんにどう探したかを聞いたところ、「一つのツールとして、企業展に訪れてみては?」と教えてもらった。ネット上では載らない情報が手に入る上、その会社の雰囲気が見てわかるという。その印象が自分の働くイメージ像を形作り、決め手となることが多いようだ。
皆さんもこれらを学生生活や就職活動に生かしてはどうだろうか。

取材を通してわかったこと

column 発見

【社員のため、自分のため】
 今回の取材・見学を通して、健康経営を行うことで三恵シーアンドシーが、社員に高い期待をもっている企業であると肌身をもって感じた。他の健康経営を行う企業に比べてかけるお金が少なかったとしても、社員やその家族のために、独創的なアイデアで健康を保とうとするすがたが多く見られた。すべては、自分たちがやってきたことが間違ってなかったことを証明するためにだ。それがとても印象的だった。
三恵シーアンドシーは変わっていくことに保守的ではない。むしろ三恵シーアンドシー自身が変わろうとする、みんなで「明日への創造、新たなチャレンジ。」その考えが、社員を気遣い、長続きするホワイト企業になるのだろう。




チーム紹介

村越 葵  (地域政策学部2年)
早藤 慶人 (地域施策学部2年)
金 大韓  (現代中国学部1年)


※本記事は2024年3月現在の内容となります。