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所在地愛知県小牧市間々原新田629-1
創業・設立創業:1953年12月 設立:1970年9月
代表者代表取締役社長 田中 知克
従業員数100名(2024年3月現在)

viewpoint 業界

産業機器とは人力では困難とされる作業を代行する機器であり、産業機器業界はそれを企画、設計、製造、販売する業界である。私たちの目に直接触れることは少ないが、様々な製品を効率的に生産することができるため、まさに縁の下の力持ちである。以前は新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受け、あらゆる工場が停止し縮小したがその後withコロナによって再び工場は動き出した。しかし、少子高齢化、若手人材の離職率の増加、人件費の高騰などさまざまな要因によって省力・省人化の需要が高まりつつある。今後もこの傾向は続くとされているので、これらを解決する方法の1つとして産業機器業界の重要度はますます増えると考えられる。

viewpoint 企業

ダイサン・(ドット)株式会社(1953年創業、以下ダイサン・)は愛知県小牧市に本社を構え、家電製品、自動車、住宅、医療器具の部品などを製造するための産業機器を企画・設計・製造・販売する企業である。
大阪、ベトナムにも事業所を置いている。数十年前「依頼されたものをそのまま作るところからオリジナルの製造機器を作るメーカーになろう」と決心したが当初は経営に行き詰まり、このままだと立ち行かなくなると思いかけていた。
しかし「潰れてもらっては困る。あなたたちにしか作れないものがある。」と声をかけてくれた企業があった。
それによって物作りを突き詰めていけば価値を認めてもらえるようになると考えるようになり、それ以来、『存在意義』という言葉がダイサン・の原点として掲げられている。

viewpoint 健康経営

健康経営とは、企業が従業員の健康管理を経営課題の1つとして捉え、積極的にその改善に取り組むことをいう。健康経営に取り組むことで生産性や従業員の満足度が上がり、離職率の低下や企業のイメージアップに繋げることができる。ダイサン・では様々な取り組みがなされているが、そのうち主な2つを紹介する。1つ目は、社屋にジムを設置したことだ。車通勤の社員が多かったので運動不足に陥りやすかった。そこで、社員に対する健康への動機付けとして、ジムを設置したのである。ベンチプレス、ランニングマシーン、ケーブルマシーン、さらにサンドバッグもあり、駅前の会員制ジムも顔負けの充実ぶりである。設置したは良いものの、元から健康意識が高い社員だけが使い、そのほかの社員は相変わらずあまり運動していなかった。そこで、2つ目の取り組みとして、「チーム制」を導入した。これは社員7名程度でチームを組み、それぞれのチームで目標を設定し、達成度をグラフに表し最も達成度が高いチームを表彰するものだ。なんと賞金も贈られる。目標の例として、歩いてハワイまで行こうというものがある。チームみなでウォーキングをし、その距離の合計がハワイまでの距離に達するまで行うというものだ。この制度の良いところは、普段の業務上ではあまり関わらない他部署の社員、先輩後輩、上司部下の垣根を超えて交流できるので、社内全体の風通しも良くなるのだ。

<はじめたきっかけ>
きっかけは、社長の田中知克氏が緊急手術を行なったことである。手術を終え入院している間に、もともと健康の大切さは理解していたものの改めてその大切さに気づいたのである。退院したのち、トレーナーによるリハビリを受けていたが、その中のトレーニングがとても良いものであったと感じ、社員たちにもトレーニングを行なって欲しいと考えた。なおそのトレーナーは田中氏と同い年であり、意気投合したため現在では社内ジムに週2回パーソナルトレーナーとして指導している。

働きやすさの追求

ダイサン・株式会社
代表取締役社長
田中 知克 氏

一般的に新入社員は社員研修を終え、すぐに配属先が決まるものである。しかし、ダイサン・では1年間様々な部署を回り、仕事を覚える。そして、1年後に正式な配属部署がきまる。会社内の業務内容を一通り見たうえで配属先を志望できるため、自分に合っている配属先を考え直すきっかけにもなる。さらに、ほかの部署の先輩社員や同僚とのつながりができるので、部署間のコミュニケーションが円滑になる。社会に出る前にやりたかったことと実際に社会人になってやりたいことが変わることもあるだろう。実際にダイサン・では、新入社員が1年間の部署周りを経て営業から製造業務へと志望を変えた例もある。これも働きやすさを追求するために行なっていることのひとつである。

取材を通してわかったこと

column 発見

今回の取材でわかったことは、ダイサン・では社員の運動面、食事面、睡眠面、衛生面等幅広く健康経営を行っており、社員をサポートする体制が整っている企業ということである。
さらに、社員同士の距離感も近く、アットホームな印象を受けた。人間関係や心身の健康は、仕事を続けていくうえでとても重要である。
ダイサン・の新しいことに挑戦し続けるためには、社員の健康が不可欠である。これからもダイサン・は、様々な挑戦で世界をより良く、新しくしていくだろう。




チーム紹介

上田 敦也 (経営学部2年)
吉田 一輝 (経済学部2年)
篠原 正議 (現代中国学部1年)


※本記事は2024年3月現在の内容となります。