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所在地愛知県半田市中午町178番地
設立1969年(昭和44年)
代表者加藤 康弘
従業員数150人(2023年3月現在)

viewpoint 業界

普段私たちの生活ではあまり意識しないが、お菓子、パン、麺類などの食品や医療品、化粧品はもともと「粉」で作られている。
それらの粉から製品を作るための機械は粉体機器と呼ばれ、私たちの身の回りの製品を作るために活躍している。
また身の回りの製品だけでなく、ロケットなどの最先端技術にも粉は欠かせないものとなっている。
粉体機器とは粉を計量、粉砕、混合等をする機械のことで、モノづくりに欠かせない粉の無限に広がる可能性を形にするモノである。
ツカサ工業株式会社は、パウダーテクノロジーを展開している粉体機器の総合メーカーである。

viewpoint 企業

ツカサ工業株式会社は、1946年、加藤溶接工業所の創業からスタートし、創業当初は非鉄金属の溶接業を行っていた。1990年代からは海外にも事業を展開している。
経営理念として「挑戦」をキーワードとして掲げ、独自の技術により特許を100以上所有しており、ほとんどの製品をお客様が使われる粉の特性に合わせてオーダーメイドで提供している。
食品粉体輸送設備は国内トップシェアで、食品からエレクトロニクスまで粉体技術のリーディングカンパニーとして、スローガンである“粉を究めて新たな価値を”を幅広い市場に提供することを目指している。

健康経営

日常から健康を目指して

ツカサ工業では仕事をしながら健康を目指せるようにと様々なことを行っている。
同社では「T-lamis」(ティラミス)という名の社員食堂が2021年からスタートし、社員の方が温かく、おいしいご飯をお昼に食べることが出来るようにという目的でつくられた。
食堂の名前であるティラミスには「私を元気づけて」という意味がある。その名の通り食堂のメニューは社員の方の午後からの活力をつける内容となっている。
また、ヘルシーメニューを週に一度提供しているが社員の方から「ヘルシーメニューをもっと増やしてほしい」という提案が出るほど社員の方の健康意識が向上しているとおっしゃっていた。
さらにカフェスペースも設けられており、休憩場所としてだけでなく、社員同士のコミュニケーションの場としても活用されている。

事務所には昇降式デスクを採用している。
座った状態で何時間もデスク仕事をするのではなく昇降式デスクを活用することで立って仕事をしたり座って仕事をしたりと体を痛めることのないように配慮されている。
ツカサ工業では会社に来て働いてもらうだけではなく、会社に来て健康を目指すことの出来る環境を整備している。

個人があってこその会社

今回、私たちが訪問したツカサ工業株式会社は福利厚生がとても充実しているという印象を受けた。例えば、インフルエンザ予防接種の補助があり、健康上の問題で接種できない社員を除き、全ての社員が接種してもらえるよう、一部補助から全額補助にしたことより接種率は85%から98%に向上した。また健康診断の支援も行っており、健診、再検査ともに社員の受診率は100%となっている。2022年度より配偶者への健康診断の補助も開始し、社員を支える家族の健康もサポートしている。他にも育児休暇や資格・語学研修の支援、会員制リゾートホテルの宿泊など魅力的な制度が多いと感じた。特に資格・語学研修の支援では会社が全額負担し、 “個人の成長は会社の成長” という理念をもとにサポートを行っている。
上記に示したとおり、健康経営にも積極的に取り組まれており、この二つが整備されていることで働きやすい会社であると感じた。具体的な健康経営への取り組みとして、社内で毎月発行される健康だよりや保健指導の実施、社員用食堂の開設などが挙げられる。健康経営への取り組みは従業員が安心して働くことができる環境づくりにつながり、それによって能力を最大限に発揮することが可能となり、ひいては会社の利益となる。福利厚生や健康経営への取り組みは働きやすい会社をつくるだけでなく、会社にとっても良い影響を与えることができるだろう。

日常から「きれい」と「安らぎ」を意識して

ツカサ工業に見学に行った際とてもきれいで清潔感のある会社という印象を受けた。ツカサ工業では「いつもきれいな状態に保ちたいという」前会長の考えのもとリフォームやレイアウト変更を頻繁に行っている。そしてきれいであることは信頼にもつながるという考えから常に工場内をきれいに保つことを社員も意識している。工場において緑色がよく使われていた。緑色の備品が置かれていたり、緑色の観葉植物やフェイクグリーンなどが飾られていたりと優しい雰囲気が作り出されていた。緑色には安らぎや健康、安心感を与える効果がある。ツカサ工業のコーポレートカラーが緑色なのもこれらの理由からである。

就活生へのメッセージ

ツカサ工業株式会社
経営企画部 部長
 加藤 めぐみ 氏
ツカサ工業株式会社
経営企画部 主事
 矢作 愛子 氏

自分を見失わない

仕事は、睡眠の次に人生で占める割合が高いという。それを決める就活について今回取材させていただいたお二人に聞いてみた。
すると、やはり仕事は、好きなこと、やりたいこと、やりがいのあることではないと長続きしにくい。就活に臨む上で、まだそのようなことが定まっていない人も、業種・目標や、自分が働く上で何を大事にしたいかという軸を持つべきだとおっしゃっていた。
また、就活をする際、企業を「大企業」や「有名」だからと表面的に見ていないだろうか。大企業や有名企業である上場企業が悪いわけでなく、もちろん大企業にも様々な特徴がある。
ツカサ工業含む中小企業には、自分の意見が通りやすく、一人の責任が大きくなるという特徴があるといえる。
大事なのは、どちらの特徴も知り、自分がどちらに向いているかを考えることとおっしゃっていた。

大きな視野と行動力

column 発見

今回の活動を経て、普段の生活では知る機会が少ないBtoBの会社や中小企業など、世の中には様々な仕事や会社、業界業種があることを知った。
だが、いざ会社選ぼうと思ったとき、残業は少ないか、休みはきちんとあるか、福利厚生は充実しているかなど、仕事自体から目を背けて、楽をしようとしてしまいがちではないだろうか。
しかし、ツカサ工業のような、コロナ禍を経験して、働き方の多様化やグローバル化など、日々変化していく需要に柔軟に対応し、社員を想うことで、会社に行きたくなるような、働きたくなるような環境づくりしてくれる会社があると気づくことができた。
それらに気づくためには、「知る」こと、「調べる」事が大切である。そして実際に訪問し、話を聞き、経験することで、調べるだけではわからない事を知ることができ、感じることができることを学んだ。

チーム紹介

相川 友太郎 (法学部2年)
満仲 心奈  (国際コミュニケーション学部2年)
河村 静果  (経営学部2年)

※本記事は2023年3月現在の内容となります。