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所在地名古屋市中区栄五丁目25番28号
設立1951年(昭和26年)
代表者尾畑 聡一
従業員数79人(2023年3月現在)

viewpoint 業界

<得意分野で特長を発揮する専門商社・複合商社>
「ラーメンから航空機まで」の言葉で知られ、ありとあらゆる商材を手掛ける総合商社に対して、特定分野の商材を手掛けるのが専門商社。
食品・鉄鋼・機械・繊維などの大手メーカーや総合商社の一部門が独立したり、特定分野の商品を取り扱う卸売業者の規模が拡大したりした企業であることが多く、特定の分野で高い専門知識や豊富なノウハウを持っている。
また、潤沢な品ぞろえと、きめ細やかな対応も専門商社の特長といえる。

viewpoint 企業

尾畑長硝子株式会社とは板ガラス、サッシをはじめとした建築建材の卸売業の企業である。尾畑長硝子ではさまざまな商品を取り扱っている。取扱商品は主に、建築用板ガラス、住宅用サッシ、住宅設備機器、内装建材、エクステリア、ビル・店舗用サッシなどを取り扱っている。建築用板ガラスの中の代表商品としては遮熱低放射複層ガラス、真空ガラス、現場施工型後付け Low E ガラスなどが挙げられる。それぞれ遮熱、断熱、防災、防犯、防音などの役割を果たしている。私たちの生活の中で知らず知らずのうちに目にしていることも少なく無いだろう。尾畑長硝子では様々な商品の中でニーズに合ったガラスを提供している。中でも重点販売商品として挙げられるのが住宅用サッシである。どれだけ良いガラスを提供しても受け皿であるアルミサッシが無くては窓にはならないという考えのもとガラスと同時に高性能、高機能サッシも提供している。
このようにガラス以外のものも取り扱っている尾畑長硝子は、1921年創業の業歴 100 年の老舗企業である。この会社の経営理念は「住宅建材を通じ、快適な生活環境を提供し、地域に貢献します」というものである。尾畑長硝子はこの経営理念のように地元との取り引き があり、地元に強固な受注基盤が存在し、業績面では愛知、岐阜、三重県のガラス業界ではトップクラスの売上を維持しつつ、リーマンショック後も常に利益を上げてきた。ガラス といえば尾畑長といわれるほど業界では有名な会社であり、オバチョーさんという名前で親しまれている。(株)LIXILやAGC(株)の代理店・特約店として中部地区トップクラスの販売量を誇っている。さらに、ここ数年の利益率は高く財務も着実に安定、実質無借金の優良企業となっている。

従業員とその家族の健康が第一

尾畑長硝子株式会社
産業看護師
 林 真依子 氏

健康宣言

尾畑長硝子株式会社は、ますますの顧客満足を目指した活動を推進するためには、従業員とその家族の健康がその基盤であると考えている。
そのため、従業員一人ひとりが心身ともに健康であり、活力を持って働くことができるよう、安心・安全に充分に配慮した状態で、健康意識を向上させることに力を注いでいる。
尾畑長硝子は、名だけの健康経営を行っているわけではない。
会社全体がより良くなると思って行ってきたことがたまたま健康経営と繋がっていた…!そういった会社が尾畑長硝子なのである。

健康経営優良法人

尾畑長硝子株式会社は、2020年から3年連続で健康経営優良法人に認定されている。この健康経営優良法人というのは、日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、特に優れた健康経営を実践している企業を評価する制度である。
健康経営優良法人認定後の意識の変化として、はじめは健康と経営の結びつきに疑問を持っていたが、社員の体調で仕事の質量に差ができることから、社員の健康=生産性向上につながるという意識に変化したそうだ。
また、健康経営を取り組むようになってからの今年の社内アンケートでは、運動への関心度が30%から80%に増加し、喫煙率は35%から25%に減少している。この結果から、実際に社員一人一人が健康の意識を持っており、結果を出していることがわかる。

尾畑長硝子では他の中小企業にはない健康経営の取り組みをしている。具体的には産業看護師護師(林真依子さん)が会社内に常駐し、健康経営の取り組みを推進している。そのため、社員の方々が医療の情報提供・メンタルケアを中心に気軽に相談できる場となっている。実際に、社員が健康上の相談をされて、そこから産業看護師の目線からアドバイスをしたことで社員とその家族が症状改善することがとができたとお話されていた。他にも、家族の悩みはその社員のストレスに繋がることから、40歳以上歳以上72歳未満の家族の健康診断の補助金を協会けんぽから行っており、家族にまで手厚いサポートがある。

また、健康優良法人の項目にも含まれるストレスチェックは、委託をして行う企業が多い中、尾畑長硝子では産業看護師が自社内で行っている。そのため、営業部署によって違うストレスの特色を、常に社内を見ている産業看護師の方が社員に寄り添って解決しているようだ。この取材を通して、社員の健康を第一に常に新しい取り組みが考えられており、福利厚生が充実している企業であることがわかった。

大きな視野と行動力

column 発見

今回の取材を通して、尾畑長硝子は社員とその家族の健康をサポートする健康経営を行う企業であることがわかった。
また、尾畑長硝子の社員のみなさまは、コミュニケーションをとても大切にされており、実際に私たちが取材した際には社員の方々に温かく笑顔で迎え入れていただき、アットホームな雰囲気を感じた。
また、私たちの取材を受けてくださったうちの1 人の林様は、産業看護師以外にもデザイナー、クリエイター、システムエンジニアという仕事もされていた。
1つの職をこなすのも難しいはずなのに、4つもの職を、それも決して似た職とは言えない4つを兼業していることに驚きと感動を覚えた。
そして、産業看護師という 1 つの職でも働き方はたくさんあることがわかった。
これらの取り組みが地域に愛され、創業が長く続く秘訣であることを身をもって実感した。

チーム紹介

煙ヶ谷 彩花 (現代中国学部2年)
栗木 真央  (経営学部1年)
祖父江 朝陽 (経済学部2年)

※本記事は2023年3月現在の内容となります。