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株式会社アイセロ
包む思いを世界へ
所在地愛知県豊橋市石巻本町字越川45
設立1933年4月
代表者盛田 智
従業員数単体547名 /連結1,175名

viewpoint 業界

 普段あまり意識しないフィルムであるが、とても重要な役割を担っている。もしフィルムがなければ、製品の適切な保存や、輸送ができない。フィルムと言っても様々な用途のフィルムがある。例えば、食品や液体の保存、輸送における製品の保護である。
 近年、新型コロナウイルス感染症により多くの業界が打撃を受けている。しかし、フィルム業界は自動車、食品、医療など多岐にわたる業界と関わっているため、安定した利益を保っている。そして、社会が発展して行くにつれて、フィルムが活躍する場は広がっていくだろう。そのためフィルム業界は今後も発展していくと考えられる。

viewpoint 企業

 株式会社アイセロ(以下、アイセロ)は、1933年に創業された、愛知県豊橋市に本社を置く国内シェアNO.1の包装防錆フィルムをはじめとした機能性フィルムの開発、製造、販売を行っている包装資材開発メーカーである。
 アイセロはニッチな分野の製品の製造や高度な技術力により世界有数の製品を多く製造しているため国外でも多くシェアされており、現在では11カ国16拠点に海外支社を構えている。そして、「お客様の真のお役に立つ」ということを企業理念の原点に置き、そのニーズに応えるために常に進化し続けている。

包む心に+α~人の想いをかたちに~

健康経営

 まず、健康経営とは従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することである。これを行うことで従業員満足度や生産性、企業ブランドイメージの向上が期待できる。アイセロが行っている健康経営のうち、主な2点を挙げる。1つ目は、健康診断の実施である。健康診断を行い、受診率は2017年から3年連続100%となっており、徹底されている。2つ目は健康診断の結果をもとに実施される産業保健スタッフとの面談である。このように、従業員が健康な状態で働ける体制が整っているのである。近年では、福利厚生の充実さに注目して就職活動に励む人が多くいる。そんな中でこのように従業員の事を気遣っているということは就活生にとって大きなアドバンテージではないか。

健康経営のはじまり

 アイセロが健康経営を始めることになったきっかけは“ない”のである。アイセロは健康経営を意図的に始めたわけではない。この制度が始まる前から従業員の管理を行っていたのである。当初行われていた健康管理は2019年に牧野渉前社長により健康経営宣言が策定されたことで義務化された。それにより、現在では健康経営優良法人という特に優良な健康経営を実践している企業に与えられるものに認定されている。
 アイセロが意図的に健康経営を始めたわけではないということは、「どの企業よりも健康経営(のようなこと)をしていた期間が長い」とも捉えることができる。そのため、アイセロの健康経営は決して廃れることのない確固としたものになっており、これから働く新入社員が安心して働ける企業なのではないか。
株式会社アイセロ
水野 江利子 氏
経営管理本部 人事総務部 総務課
第一種衛生管理者 健康マスター(エキスパート)

長く働き続けられる理由

 水野江利子さん(以下水野さん)は、人事総務部総務課で第一種衛生管理者、健康マスターとして活躍している。水野さんは出産・育児を経験しながらアイセロで働き続け、今年で30年を迎える。そんな水野さんがアイセロで長く働き続けることができた理由は、何だろうか。その理由は、子育てしやすい環境が整っているからである。具体的には、残業時間が少なく子どもの習い事の送迎がしやすいことや、育児休暇などの福利厚生が充実していることが挙げられる。また、社員の誕生日には直属の上司からのお祝いのメッセージとギフトカードがプレゼントされる制度や、社内イベントも開催されている。これらのことから職場の上司や部下との信頼関係が成り立ち、社内の雰囲気が良いことも理由の1つである。このように、アイセロでは社員が長く働き続けられる環境や制度が充実しているのである。

社員の健康を気遣う社食

 アイセロの社員食堂では、管理栄養士の資格を持つ料理長が社員の健康を意識して調理し、提供している。健康経営を実施しているアイセロは、健康診断だけでなく、体の内面からサポートする体制が整っている。さらに、メニューも豊富でご当地ラーメンや世界のお食事フェアなどの企画も実施され、社員が飽きずに楽しめる工夫が施されている。

コロナ禍の就活生に伝えたいこと

 コロナ禍で期待していた学生生活が送れていない人も大勢いるだろう。そこで、アイセロの人事総務部の水口亮さん、水野江利子さん、清水道雄さんからコロナ禍の就活生に向けて
「重要なことは、コロナ禍のオンライン授業で培ったITリテラシーに目を向けることであり、自分自身の考えをマイナスからプラスにシフトチェンジすることである。」というアドバイスをもらった。
 また、学生生活において勉強も大切だが、一生懸命遊ぶことも大切だとも言っていた。勉強や資格取得に向けた学習は入社後も可能であるが、遊びを通した経験は社会人になった際に人とのつながりを広げるツールとしての大きな役割を担うのである。
 現代の就活生は、何十年も働き続けられる会社を探しがちである。しかし、転職も一般的になってきているため、まずは3年間ほど働き続けられる会社を探してみてはどうだろうかと水口さんから教わった。
これらのことから捉え方次第で、デメリットがメリットに変わり、自分の視野や可能性も広がると感じた。みなさんも、この考えをこれからの学生生活や就職活動の軸にしてみてはどうだろうか。

信頼の先に・・・

column 発見

 今回の取材を通して、アイセロは健康経営を行うことで、会社全体で社員や社員の家族をサポートする体制が整っていることが分かった。また、健康経営を意図的に始めた訳ではなく、自然と実施されていたことも印象に残っている。
 取材時にも、社員同士の仲の良さが窺える場面が多く、社内全体の和やかな雰囲気を肌で感じることが出来た。アイセロは、独自の技術を誇り世界でも活躍しているだけでなく、周りの身近な環境や社員への気遣いも欠かさない企業である。このような企業は、今後も周囲の信頼を得るとともに、継続的な事業の発展が見込まれるだろう。


チーム紹介

天野 宏香 (地域政策学部2年)
林  詩容 (地域政策学部2年)
岩倉 史織 (文学部1年)
磯村 美葵 (現代中国学部1年)

※本記事は2021年10月現在の内容となります。