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【山形県川西町で愛大ルーツを知る】第1回実地研修がありました!

11/3   現地実習1日目

いよいよ待ちに待った山形県川西町での現地実習が始まりました!

 私はこの研修で本間喜一先生が過ごされた環境や大学を設立するまでに至った思いとはどのようなものであったのか、また今回の研修を通して自分が愛知大学で学ぶ意義をもう一度改めて見つめ直したいという思いと、愛知大学のキーとなる川西町とはどんな町なのかを知りたいという思いを胸に3日間のフィールドワークに望んできました。

 名古屋駅を出発して米沢駅まで約4時間。川西町のある羽前小松駅のホームを出ると梅津さんを始め役場の職員の方々、
そして駅長猫の「しょこら」に温かく出迎えていただきました!しょこらの車掌帽子を被っている姿はとても可愛かったです…!

 その後私達はワゴン車に乗ってアルカディア人物館という場所に向かいました。
 そこは創立から15年で廃校となってしまった中学校を、地域の歴史博物館として再利用して設立されたそうです。
 アルカディアとはギリシア時代にあった「平和」を表す褒め言葉で、昔、川西町に短期滞在したイザベラ=バードは「アジアのアカルディアである」という言葉を残しており、川西町を理想郷としていました。そんな説から川西町をまさに桃源郷のごとく発展させたいという思いが名前の由来の一つになっているそうです。
 展示品を見てみると、本間先生の学生時代の成績表や小学校の卒業証書など貴重な遺品が展示されていました。中でも細かく書き記された自主ノートからは、様々な動物や植物などの内部組織のイラストが描かれており、先生は内部構造を知ることに強い関心を持っていたことが分かりました。ご案内していただいた鈴木さんのお話からは、本間先生の身長がなんと180cmを超えており、足のサイズも29cmあったそうで、普通の足袋が履けずお相撲さんが履いている足袋を使用したり、自分でおならをしたことを人のせいにしたりと、学長の顔とはまた違った本間先生のユーモア溢れる愉快な一面も知ることが出来ました!見学後の会議室では川西町長の茂木さんを始め、役場の方々からのご挨拶をいただき、学生からは今回の現地実習の抱負などを述べ、今後のスケジュールなどについて話し合いました。

 その後私達は1964年のNHK「ひょっこりひょうたん島」で一躍脚光を浴びた作家兼戯曲家の井上ひさし先生との繋がりが深いフレンドリープラザという場所に向かいました。ここには井上先生が22万点にも及ぶ蔵書や資料をこの施設に寄贈されており、天井にまで届きそうな本の多さにとても驚きました。また館内には井上先生が実際に使われていたNEC「文豪」製品のワープロや「スタビロ」「ハーバル」などのドイツ製の赤鉛筆などが展示されており、文房具好きの私としてはとても心をくすぐられました!そして奥に進んで行くとなんと井上先生の書斎の一部が展示してありました!そこでは井上先生が使われていた椅子に座ることができ、実際に学生1人ずつ座らせていただきました。椅子に座って机の上を見てみると、左側にはいくつものタバコの消し跡があり、またその横には丼よりも大きい灰皿が置いてありました。実は井上先生はヘビースモーカーでいらっしゃったようで、左手のタバコをお供に右手で芝居と小説を書き続けていたそうです。また周りをぐるっと見てみると、様々なチラシや本、地図などに囲まれており、木製の棚や窓枠の質感とも相まってなんだか秘密基地のようでとてもワクワクしました!

 そして1日目の終わりはここ川西町のトレンドマークであるダリア園に向かいました。今の時期が満開のダリアは赤や黄、紫にピンクとどれも色濃く鮮やかに咲いていて思わず見惚れてしまいました。この日はあいにくの雨でしたが、花が水に滴る様子もとても綺麗で美しかったです。翌日にはこのダリアの花も「ダリア切り花収穫デー」で全て切り取られてしまっていたので、タイミングよくこの日に見られたのは本当に奇跡だったと思います。



 
 11/3   現地実習2日目


 現地実習2日目の今日は、本間喜一先生のご自宅の茅葺き屋根の環境整備を行いました。
現在ご自宅には本間先生が大叔父にあたる小池ふみさんとそのご家族が生活されています。

 まずは小池さんのご家族から茅の束づくりを教えていただきました。まず三本の紐をバランスよく地面に敷き、次に熊手という農具を使って適量の茅の束を作り、余分な草や土を落として行きます。次にサッカーボールよりも一回り小さいぐらいの厚さに束ねて行き、最後に敷いた紐を使ってバランスよく3箇所を結んでいくという作業です。これをひたすら繰り返して行きます。前日は雨が降ってい為に茅は水分を含んでいて少し重く、高さも2m超えているということもあり、茅を持つところからかなり苦戦しました。しかし1時間もすればだいぶ作業に慣れてきて、茅の束を作るスピードも徐々に上がっていき、作業することの楽しさも増えていきました!

 12時を過ぎた辺りに小池邸に一旦戻り、小池ふみさんを中心に調理していただいた昼食をみんなでごちそうになりました!沢山の具材が入ったホッとするような温かい芋煮や、新鮮で鮮やかな色が食欲をそそる春菊の和え物、通常の3倍ほどの大きさはあり、甘さが疲れた身体に染み渡る栗の渋皮煮など、山形ならではの郷土料理を沢山いただきました!どれもとても美味しくて疲労した身体に癒しとパワーを与えてくれました。ちなみに、今回いただいたお料理の9割以上が小池さん一家の自給自足で収穫された食材だそうで、大変衝撃と感銘を受けました…!!

 さてお腹と元気を満たしのち、午後の作業が再開されました!晴れた午後には茅の水分が抜けて軽くなっており、作業も午前以上に捗りました。作業をしているとぴょんぴょんと飛び出してくる蛙を発見したり、冷たい風の向こうに広がる山と青空の美しい景色を眺めたりと、豊かな自然を感じながら黙々と作業を続けていきました。




 その後約2時間ほど経た後、作業が無事に終了しました。
 この時には既に筋肉痛になり、足がつりそうなほど身体にダメージが溜まっていました…!
 今回行った作業を、この日行った人数よりも少ない人数で何日も通しながら、本間喜一先生の生家を守る為、これほどにも過酷な作業を毎年続けている小池さん一家にとても尊敬の念を抱きました。また実際に本間先生の生家(現在は小池邸)の中を拝見させていただいて、箱階段や囲炉裏など昔ながらの家の作りに、時代の流れと歴史的感動を覚えました。



 11/4 現地実習3日目

 いよいよ現地実習最終日を迎えました!

 私達はまず初めに役場に向かい、この3日間の現地実習を終えての想いと今後の活動においての抱負を述べました。その後川西町の役場内をご案内していただき、普段お目にかかれないようなお部屋まで拝見させていただきました!

 その後私達は国指定史跡とされている下小松古墳群という場所に訪れました。山の中に入っていくと至る所に古墳が築かれており、こんなにも多くの古墳が眠っていたのかと大変驚きました。山の頂上付近まで進んでいくとそこには、

 真っ青な空と真っ白な霧の下に賑わう美しい川西町の姿がありました。この日は曇り予報で景色が見えにくいと言われていましたが、晴れ女たちのパワーでしょうか…なんと快晴の絶好日和でした!山の中は赤や黄に色付いた紅葉が美しく、この時期には珍しいトンボやトカゲなど様々な生き物もいて、大自然の景色に心を癒されました。


 最後に──

 この3日間を通して本間喜一先生の残したものや思いを私たち後世に伝え、また維持するために、本間先生に関する資料や情報をとことん追求し眠っていた歴史を掘り起こして磨きあげていく方々がいて、また先代が残した家を守っていく為に、毎年全身への大きな負担や過酷な作業を顧みず、変わらぬ伝統を代々、丸ごと全て受け止めていく方々がいて本当に心の底から尊敬しました。またこうした多くの方々の姿を見ていると本間先生がどれほど皆に慕われていて、どれほど偉大な人だったのかが目に見えました。そして川西町の町民の皆さんも心温かく優しい方々で、直接お話しできたり作業できて本当に嬉しかったです。またご多忙の中、町長の茂木さんを始め役場の職員の方々、そして地域連携推進課及びキャリア支援課の職員の皆さん、先生方には今回このような貴重な機会をいただきまして本当に感謝しかありません。ありがとうございました。この経験を今後、より良いパンフレット作りに活かしていきたいと思います!






(法学部法学科1年 齋藤優佳)

愛知大学キャリア支援センターでは、2019年度より「低年次キャリアデザインプログラム~CAREER FIELD~」と題して、1・2年生を対象とした産官学が協働したプログラムを開発しています。
就職をゴールとしない形で、学生の社会人基礎力の養成や、望ましい就業観の醸成を目的として、現場(FIELD)理解に貢献する実践的な学びを創出し、低年次学生が将来のキャリアビジョンを描くことを支援するプログラムを展開しております。
各種プログラムについて、実際に参加した低年次学生からの視点で実施報告をしておりますので、下記URLよりご確認ください。

http://www.aichi-u.ac.jp/recruit/career-center/career-field