お客さまのニーズに少しでも応えるために
廣田さんは少しでもお客さまのニーズに応えるため、いくつか心掛けていることがあるそうだ。中でもお客さまを訪問し情報を提供・獲得することが大切だという。新型コロナウイルス流行によって難しくなっているが、可能な限り足を運び、相手の表情を直接見ることが大切だとおっしゃっていた。お客さまとコミュニケーションをとる際には、仕事とは関係のない話や表情などで話しやすい雰囲気づくりを意識しているという。
この廣田さんの心がけには、彼女自身の入社一年目の経験がある。担当していたお客さまに別の企業を選択されてしまったそうだ。お客さまにあまり情報を開示していただけなかったため、凸版印刷が提供する商材がお客さまの求めているものに合っているかわからなかったという。一年目ということもあり経験不足だった、ともおっしゃっていた。
現在、再びそのお客さまとの仕事が動き出しているという。今は始めの段階でまだ以前との違いは分からないそうだが、知識と経験を活かし、できるだけ自身が情報開示をすることで相手の情報を引き出すようにするとおっしゃっていた。相手に情報を求めるばかりでなく自身からも情報を開示するとおっしゃっていたところに、お客さまに寄り添うことへの強い意志を感じた。
連携プレー
廣田さんが入社して初めて担当したのは、大学と広告代理店との仕事だった。学生証や冊子などを制作したという。初めは印刷の行程ひとつとっても分からないことが多く不安だったが、先輩だけでなく営業課全体のフォローもありやりきることができたという。(凸版印刷では新人教育の一環として入社一年目の社員に「ブラザー」「シスター」と呼ばれる先輩がつく。)
廣田さんが仕事をやり遂げるために心掛けている三つのポイントを伺った。
① 分からないことをそのままにせず突き詰め、クリアにする
② お客さまに届くまでの流れを理解し、全体を見る
③ リスクやミスを予測する
特に③の『リスクやミスを予測する』という心がけにおいては生産ラインとの密なやり取りが大切であるとおっしゃっていた。商品のデザインだけでなく、梱包で商品が曲がらないかなど細部まで確認するそうだ。実際に廣田さんは制作の2か月間、何度も工場とやり取りをしたという。
困難に直面した時に課全体でフォローしてくれるというお話を聞き、なんて頼もしい職場なのだろうと思った。また、リスクやミスを予測・回避するために工場と密に連絡を取るというお話からも、凸版印刷の人と人との連携力の強さや、廣田さん自身もその連携を大切にしていることを感じた。
良い社内雰囲気が良い福利厚生を作る
「福利厚生」とは、賃金といった基本的労働条件とは別に、企業が従業員やその家族の暮らしの支えの一部として用意するものだ。近年、新卒で就職活動する学生は、給与だけでなく福利厚生の充実度にも注目するようになっている。就職する会社選択にあたって、福利厚生は重要視されている。
凸版印刷は、産休や育休の取得率が高く、その取得率は女性の方が男性より高く期間も長い。しかし近年、男性の育休の取得率も高くなっているという。廣田さんに産休と育休などを取得時の職場の雰囲気を聞いたところ、元々社内の雰囲気が良いため、無理なく取得をすることが出来るそうだ。また、その後の職場復帰も、上司と十分な相談をした上で個人にあった働き方で復帰することができるそうだ。
このような社内の雰囲気の良さは凸版印刷が人材を「人財」として表記するほど大切にしていることからも見受けられる。
廣田さんの話を聞いて、社内の雰囲気が福利厚生につながり、その福利厚生がまた職員たちの仕事の効率を上げることに繋がると感じた。また、凸版印刷の良い社内雰囲気が良い福利厚生を実践できるようにしたと感じ、雰囲気の良い環境で働くことが良い循環を生み出していることを知った。