文字サイズ
所在地東京都千代田区神田美土代町7番地
設立昭和24年(1949年)8月
代表者福神 雄介
従業員数6,260人(2020年3月31日現在)

viewpoint 業界

 私たちは日々、様々な企業によって支えられている。商品を製造しているメーカー、運ばれた商品を販売している小売店、さらに電気や水、ガスなどを取り扱うインフラ企業などがある。その中でも、メーカーと小売店の間に入り、流通の手助けをするのが卸売業などを行う商社である。
 商社はトレードと投資事業を行っており、「総合商社」と「専門商社」に分かれている。前者は、多種多様の商品を取り扱っていて、近年では、投資事業へ力を入れている企業も多い。後者は繊維系や食品系など、限定された分野に特化している。その中で医療系商品に特化しているのがアルフレッサ株式会社である。


viewpoint 企業

 数ある医療用医薬品卸売に携わる企業の中で、10年もの間売上No.1の実績を誇るアルフレッサ株式会社【以下「アルフレッサ」】。
 〈「つなげる」ことで、しあわせをつくりたい。〉をキャッチフレーズに「卸」という立場で製薬会社と病院・薬局を仲介している企業である。取り引き先へ、安心・安全に薬を届けるだけではなく、円滑な経営をするための手助けになるような情報をも提案することで、実際に地域医療の現場を支えている。
 現在アルフレッサでは、より公正な情報を顧客へ提案するべく、営業職を中心に医療機関の経営に特化した知識を要する「医療経営士」という資格の取得を推進している。そしてすでに、約2380人の営業関係者のうち1405人がこの資格の有資格者である。また販売員1人1人が顧客第一主義を掲げており、取り引き先とパートナーという関係を築くことで経営を支え、間接的に最終消費者である私たちを支える。こういったことから、彼らの存在はアルフレッサが誇る強みの1つであるといえる。
 他にも地域ごとで私たちの健康をサポートする「健康フェア」の開催や、医療関係者向けの「勉強会」の実施など、あらゆる取り組みで地域との連携に力を入れている。
 アルフレッサは今後も、優秀な人材の育成や社会への貢献、新たな挑戦を続けていく。

全ての健康を願い歩み続ける

アルフレッサ株式会社
岡野 翔太 氏
名古屋中央第一支店 総合職 営業社員
2017年度 国際コミュニケーション学部 卒業

人の魅力が最大の武器

 愛知大学OBの岡野翔太さん(以下「岡野さん」)は現在、マーケティングスペシャリスト、通称MS(以下MS)として医薬品卸売業の営業職で活躍している。具体的には、市場ニーズの把握から、医薬品・試薬機器といった商品の販売、情報提供を行っている。医療機関や薬局などの、取引先とアルフレッサの関係を最前線で担っている。
 そんなMSとして活躍している岡野さんは「人の魅力で売る仕事こそ営業」だと語った。就職活動中に先輩社員からアルフレッサについての話を伺っていたそうで、そのとき一緒に働きたいと思える「魅力」を先輩社員から感じたという。そうして、数多くの医薬品卸業者がある中でアルフレッサを選んだのである。岡野さんは、入社前後で会社に対する印象の変化において「ギャップはなかった」と語る。MSにとって、お得意先との信頼関係は不可欠である。お得意先との長い付き合いの中で、正しい情報を届けるだけではなく「人の魅力」が大切なのだ。一方で、就職活動における軸を伺うと、入社後の会社の「将来性」を1番に考えていたという。ライフラインである医薬品業界、そして、アルフレッサの投資先に将来性を感じたのだという。
 この話を伺い、営業の仕事において人の魅力は最大の武器となると感じた。人と関わる仕事であるからこそ、重要になってくるのではないか。

更なる飛躍への秘訣

 アルフレッサ株式会社が医療用医薬品卸売業で売上No.1を誇るには2つの理由がある。
 まず1つ目に「営業の人数」である。アルフレッサの営業の人数は約2000人と多いため、エリアに対する営業の数を多く配置することができる。そのため、1人あたりの担当施設の数を減らすことができ、1つ1つの営業先にしっかりと時間をかけることができると岡野さんは話していた。
 そして2つ目は「アイテムの数」である。アルフレッサは、医薬品に留まらず、検査試薬、レントゲンやMRIなどの医療に関わる、あらゆるモノを取り扱っている。その数は35万アイテム、メーカーは国内外合わせて1000社に及ぶ。これら膨大な数のアイテムや情報を全て把握することは到底難しい。同じ病気に対する医薬品でも何十社のメーカーから仕入れており、それぞれ特徴が違っているため、ある程度の知識は持っていなければならない。そのため、入社当初は頭が追いつかなくなる時もあり、苦労したと語った。しかし、失敗や日々の学びから得た知識の上乗せにより、お得意先のニーズに合った情報を届けることができ感謝された時や、数字として業績を残すことができた時にやりがいを感じるという。また、アルフレッサが担当している得意先には、競合他社の営業の方々も存在する。その中で自社と比較をして勝負をすることが楽しいと笑顔で語ってくれた。
 MSで活躍する人の特徴として「日々の努力を欠かさない人・同じ失敗をしない人・人当たりの良い人」だと岡野さんは語るが、この取材を通して、岡野さんもその人物像に当てはまると感じた。アルフレッサで活躍している人は様々なタイプの人がいるが、負けず嫌いで、日々の努力を惜しまず仕事をこなす「人財」こそ、アルフレッサを躍進させる原動力となっているだろう。

入社は通過点

 コロナ禍となった現在、岡野さんは働き方の変化をプラスに捉えている。働き方が大きく変わったことはないが、一部のお得意先とのリモートを使った面会や、働く時間の短縮があった。そしてこの変化こそが、今までの仕事内容の効率化に繋がったという。コロナの影響で緊急事態宣言があった時は、通常の営業の仕事が減り、その分医薬品などの配達の仕事に回って対応していた時期もあったという。コロナ禍によって営業が短縮になり、経営困難な状況に陥ってしまう会社がある。しかし、その中でも医療用医薬品はどのような状況下においても安定供給が必要不可欠である。そのため、アルフレッサは医薬品卸売業者であるからこそ仕事に対して大きな変化がなく、むしろコロナをプラスに考えて仕事をしていたことを知った。
 「会社に入ってからどんな力を身につけたいかを考えてください。」
これは、1度就職活動を経験した岡野さんからのメッセージである。会社に入る事がゴールだと思いがちであるが、入社はあくまで通過点なのだと改めて感じることができた。目の前の事に囚われるのではなく、将来を見据えて自分はどうなりたいのかを考えること。どんな状況下においても進化し続ける気持ちを忘れずに、向上心を持つこと。これらのことを岡野さんから教えていただいた。
 コロナ禍・少子高齢化といった様々な社会問題を抱える今、医療機関と薬からその先の患者様を繋ぎ、変化を続けるアルフレッサの今後が見逃せない。


3つの「気」

column 発見

 アルフレッサの営業職で活躍する方々の共通点には、3つの「気」がある。その3つとは、「気づき」、「気遣い」、「気配り」である。例えば、営業に赴いた際、営業先である病院や薬局が混んでいた場合、患者様を優先して頂く。アルフレッサは病院や薬局へ医薬品を届ける企業である。しかし、届けた先にいる患者様を常に意識していると営業職に就く伊藤さんは語る。さらに、医薬品を届けるだけでなく営業先で補助金などの経営に関わる話もするという。新しい治療法や新薬の情報整理、患者様の対応に追われる医師に代わり、病院経営に関する新しい情報を医師に伝えることも「気遣い」の1つである。
 ここまで、営業職についての話を展開してきた。その中で我々には古い考えではあるかもしれないが、「営業=男性の仕事」というイメージがあった。しかし、人材開発部の松本さんはそうではないと語る。婦人科系の病気に関することなど女性であるからこその「気づき」があるため、営業において有利に働くことがあるのではという。
 アルフレッサは、こうした「気づき」、「気遣い」、「気配り」により、取引先との良好な関係を築き、今後もさらに事業を拡大していくだろう。



チーム紹介

丸田 彩花 (経営学部2年)
竹本 梨乃 (経営学部2年)
吉川 真実 (経済学部2年)
林 柚希    (経営学部1年)

※本記事は2020年12月現在の内容となります。