郵船ロジスティクス株式会社
大浦 泰右 氏
航空貨物部
第二航空業務センター 中日本航空業務課
郵船ロジリンク株式会社
古橋 豊大 氏
中日本通関営業所 輸出課
私たちは今回の取材を通して、郵船ロジスティクスの強みは人であるというのが輸送方法にも表れていることに気がついた。
郵船ロジスティクスは船舶を使う海上輸送、航空機を使う航空輸送、トラックや鉄道を使う陸上輸送など最適な輸送方法を提案し、貨物を運んでいる。例えば、時間がかかってもコストを抑えたいというお客様には海上輸送を、目的地まで短時間で届けたいというお客様には航空輸送を提案するなど、納期・費用・安全性、なによりもお客様のご要望に沿った輸送手段を組み合わせてサービスを提供している。
デモ発生などで空港が使用できなくなるといった国際情勢や台風などの悪天候による気象状況の影響にも対応している。悪天候で航空輸送ができない時には他空港や代替路線を利用する、フライト日を変更するといった、お客様にとって最適なサービス提案を行っている。
大浦様に「お客様の信頼と航空会社の信頼では、どちらが重要であるか?」とお聞きしたところ「お客様の信頼も大切ですし、航空会社の信頼も大切です。しっかり関係構築していくことでメニューを揃えてより良いサービスを提供でき、当社を選んでいただくことにつながります。」と仰っていた。
このようにして郵船ロジスティクスは両者と良好な関係を築いてきた。
さらに郵船ロジスティクスは世界中に578もの拠点があり、現地とのやり取りを行う際に最もタイムリーな情報共有を心掛けている。
これまで信頼関係を築き上げてきたからこそ、今の郵船ロジスティクスがあるのだ。
秋田 京子 氏
中日本営業本部 総務経理課
永田 絵美 氏
中日本営業本部 総務経理課
セントレア、多くのメリットを持つ空港
私たちが取材した中部ロジスティクスセンターは、保税倉庫と事務所が一体となっている、2005年にセントレアの総合保税地域内に誕生した拠点だ。ここには、2つのメリットがある。1つは税関への手続きが簡略化できる総合保税地域という場所にあることだ。もう1つは航空会社へ貨物を搬入するまでの輸送時間の短縮だ。大浦様は、「ここ(中部ロジスティクスセンター)は空港のすぐそばにあるため、空港への貨物の輸送時間が10分から15分で可能です。」と仰っていた。つまり現在の拠点にはメリットが多いと言える。そこで、それ以前はどうであったのかをお聞きした。
永田様は、「セントレアができる前は、豊山町にある県営名古屋空港と名古屋市中区にあった自社上屋間の輸送をトラックでしていました。」と仰っていた。例えば航空輸出の場合、名古屋市内にある自社上屋(倉庫)で税関に輸出通関申告をし、許可後貨物をトラックで空港に運び、航空会社に引き渡していた。そのため、交通渋滞に巻き込まれるリスクを考えねばならなかった。
また輸入では、航空機で到着した外国貨物を名古屋市内の自社上屋で輸入通関する場合、税関に保税運送(輸入許可前に外国貨物のまま日本国内を輸送すること)手続きの申請をする必要があった。セントレアの総合保税地域内に自社上屋を移したことで、よりスムーズな輸送サービスの提供が可能となったのだ。
中部ロジスティクスセンターの利点は他にもある。それは事務所と倉庫が一体となっていることにより、貨物の確認を書類上で行うだけではなく、形や状態が分かりづらい貨物(例えば割れ物や、縦長・横長のものなど)があった場合でも倉庫で確認をすることが容易なことである。
さらに中部ロジスティクスセンター内には、航空会社のパレットに貨物を組み付けるための装置も設置されており、自社取扱の貨物のみでULD(Unit Load Device)組みも可能である。一つ一つの貨物の特性を見極めながら、責任を持って組付けできることは貨物ダメージを防ぐという観点からもアドバンテージがあるといえる。
常にお客様に寄り添ったサービスの提供を心掛けているのだ。これからも郵船ロジスティクスは、多くのメリットを持つセントレアと共にさらに、成長していくだろう。