ANA中部空港株式会社
丹沢 朋佳 氏
総務部 総務課
進化し続けるANA中部空港
“空港で働く人”と言うと、語学が堪能、高身長で容姿端麗、女性が多い職場である、などと想像する方は多いだろう。では実際にどのような人材を必要としているのだろうか。
ANA中部空港が求める人材は、上記で挙げた多くの人が連想する“空港で働く人”ではなく、「努力と挑戦の精神を持つ方」そして、「ANA中部空港で働く上で明確な目標がある方」である。つまり容姿や語学力といった表面的な能力だけではなく、自らの能力をANA中部空港で活かしたいという強い思いやチャレンジ精神がある方を求めている。
今回取材をさせていただいた総務部の丹沢様・北河様によると、ANA中部空港は「お客様視点」を第一に考える企業であり、常にお客様の立場にたち、自ら考え行動する人材が多く活躍しているという。
お客様視点での取り組みの1つに、「イノベーション」が挙げられる。新しいアイデアを基に、これまで使用していたモノや仕組みとは異なるものを取り入れることで、航空機を利用されるお客様へのさらなる利便性の向上を目指している。実際に自動チェックイン機や、サイネージと呼ばれる飛行機の運航案内のディスプレイを導入するなど様々な工夫を行ってきた。
近年、日本文化の流行や東京オリンピック·パラリンピックなどの影響もあり、訪日外国人観光客は年々増加し、そのためANA中部空港の利用客も引き続き増加すると見込まれている。日本政府は2030年までに訪日観光客を6000万人に増やすという目標を掲げており、オリンピック・パラリンピックを終了後もますます航空需要は高くなると予想されている。今後のANA中部空港のさらなる発展に期待が高まる。
「お客様視点」がアットホームな社風につながる
今回の取材を通じて、ANA中部空港はとてもアットホームな社風であると感じた。そう感じた理由は2つの取り組みにあった。
1つ目の取り組みは「アサーション」だ。もともとはANAの整備士がヒューマンエラーを防ぐために、気づきや疑問を先輩・後輩に関わらず積極的に声に出すという取り組みから始まった。この取り組みは現在ではANAグループ全体に浸透し、未然にエラーチェーンを防ぐための1つの手段として活用されている。
2つ目の取り組みは「イキイキし対話」だ。普段の業務における課題点を話しあったり、時には世間話もしたりするのだが、社員同士の話し合いの時間をあえて設けることで業務中のオペレーションの効率化、また団結力を高めることを目的としている。
この2つの取り組みからANA中部空港は、部門や先輩・後輩という垣根を超えたコミュニケーションが多いことが分かる。航空機一便を運航するためには、全ての部門が連携して業務を行う必要がある。そのため、ANA中部空港の風通しがよい社風は強みの1つである。「お客様視点」から始まったコミュニケーションを通じて、社内の雰囲気もよりよくするという一石二鳥の取り組みである。