中部国際空港株式会社
名倉 諒人 氏
総務部人事グループ
お客様が来たいと思う空港をつくる
セントレアの特徴の一つとして、イベントが多いことが挙げられる。それは、“飛行機に乗らない人にもセントレアに訪れてもらいたい”という 中部国際空港株式会社の考えによるものだ。イベントの一例としては、2005 年の開港以来毎年行われているイルミネーションが挙げられる。これは飛行機が離着陸する滑走路を見渡すことのできるスカイデッキで開催されている。滑走路の近くに電飾することは、安全面への配慮から厳しい制限を受けてしまう可能性が高いからだ。しかし、セントレアは民間空港のため、安全面に十分に配慮したうえで開催することができる。このようなイベントを行うことで、セントレアを 1つの目的地として多くの人が訪れている。2018年には、ボーイング787初号機の展示をメインとした複合商業施設である「FLIGHT OF DREAMS」を完成させ、飛行機を利用されるお客様も利用されないお客様にも楽しんでもらえるような取り組みをしている。
夢を叶える“Be Columbus” 制度
中部国際空港株式会社には、「Be Columbus制度」というものがある。この制度は、社員の年次や部署を問わず、セントレアでやってみたいこと、あったらいいなと思うことを役員会議でプレゼンテーションを行い、許可が下りれば実現できるというものだ。新入社員でも、企画に全く関係のない部署に配属されていても参加できる制度、そして実現できる環境があるこの会社は、社員の皆さまがとてもいきいきと働いていると私たちは強く感じた。実際にこの制度を利用して多くの企画 が実現されており、先程紹介したイルミネーションの企画も、中部国際空港株式会社で働く社員からの声がきっかけとなった。様々な意見を取り入れ、お客様がセントレアへ来たいと思っていただけるような企画を実現していくことによって、セントレアは来港客数を伸ばし続けているのだろう。
最高の空港へ ~改善し続ける姿勢
セントレアは、スカイトラックス社による空港ランキングで高い評価を獲得し続けている。 この結果は、中部国際空港株式会社の「改善し続ける姿勢」によるものである。例えば、取材させていただいた中国出身の何 様は、以前、セントレア内にある看板の中国語表記が方言のような中国で書かれていることを指摘し、表記を変更した。それにより多くのお客様が理解できる表記に変えることができたそうだ。またセントレアには、お客様に意見を書いてもらうお客様の声というボックスを設置しており、利用したお客様からの率直な意見を集めている。そして、お客様からの意見を管理する部署だけで共有するのではなく、意見が寄せられたそれぞれの部署とも共有をし、解決を目指している。セントレアは常にお客様や社員の価値観を広く吸収・実行し、どんなお客様にとっても利用しやすい空港になるよう日々努めている。