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所在地愛知県常滑市セントレア一丁目1番地
創業1998年5月1日
代表者代表取締役社長 犬塚 力(いぬづか りき)
従業員数297名(2019年7月1日現在)

viewpoint 業界

 現在日本は、「観光立国」となるべく努力を重ねており、その影響を受け、訪日外国人は年々増加している。そんな流れを支えるのが、海外と日本をつなぐ空港である。日本の主要な空港はインバウンドの増加によって利用客を伸ばし続けており、すなわち中部国際空港株式会社の属する空港業界は、成長産業だということができる。
日本の多くの空港は国や地方などによって管理・運営されているが、最近コンセッションにより国や自治体が運営権を売却し、空港を民営化する動きがある。それにより、今後「民営化」された空港は、各空港によって色の違う場所へと変わっていくと予想できる。つまり、大きな変革期を迎えている業界、それが空港業界である。

viewpoint 企業

 先ほど、「空港の民営化」について触れたが、中部国際空港(以下セントレア)は日本で初めての民間空港として様々な新しい取り組みを行っている。セントレアを経営する中部国際空港株式会社の仕事は、セントレアに離着陸するエアラインの誘致や、飛行機のスポット(駐機場)の決定・調整をするなど、飛行機が離着陸する上でとても重要な役割を担うが、飛行機に関わるものだけではない。お客様が利用する飲食店や免税店などのテナントの管理や誘致、セントレア内でのイベントの企画・運営、地域と連携したプロジェクトの企画などはその一部である。つまり、中部国際空港株式会社 の仕事は「空港の安心安全を守ること」はもちろん「空港を活用してセントレアを盛り上げ、地域とともに発展をしていくこと」である。

可能性の限界ラインは、空ほどに果てがない

中部国際空港株式会社
名倉 諒人 氏

総務部人事グループ 

お客様が来たいと思う空港をつくる

 セントレアの特徴の一つとして、イベントが多いことが挙げられる。それは、“飛行機に乗らない人にもセントレアに訪れてもらいたい”という 中部国際空港株式会社の考えによるものだ。イベントの一例としては、2005 年の開港以来毎年行われているイルミネーションが挙げられる。これは飛行機が離着陸する滑走路を見渡すことのできるスカイデッキで開催されている。滑走路の近くに電飾することは、安全面への配慮から厳しい制限を受けてしまう可能性が高いからだ。しかし、セントレアは民間空港のため、安全面に十分に配慮したうえで開催することができる。このようなイベントを行うことで、セントレアを 1つの目的地として多くの人が訪れている。2018年には、ボーイング787初号機の展示をメインとした複合商業施設である「FLIGHT OF DREAMS」を完成させ、飛行機を利用されるお客様も利用されないお客様にも楽しんでもらえるような取り組みをしている。
大参 沙希 氏
総務部人事グルー プ 

夢を叶える“Be Columbus” 制度

 中部国際空港株式会社には、「Be Columbus制度」というものがある。この制度は、社員の年次や部署を問わず、セントレアでやってみたいこと、あったらいいなと思うことを役員会議でプレゼンテーションを行い、許可が下りれば実現できるというものだ。新入社員でも、企画に全く関係のない部署に配属されていても参加できる制度、そして実現できる環境があるこの会社は、社員の皆さまがとてもいきいきと働いていると私たちは強く感じた。実際にこの制度を利用して多くの企画 が実現されており、先程紹介したイルミネーションの企画も、中部国際空港株式会社で働く社員からの声がきっかけとなった。様々な意見を取り入れ、お客様がセントレアへ来たいと思っていただけるような企画を実現していくことによって、セントレアは来港客数を伸ばし続けているのだろう。
何 方舟 氏
空港事業部交通アクセスグループ

最高の空港へ ~改善し続ける姿勢

 セントレアは、スカイトラックス社による空港ランキングで高い評価を獲得し続けている。 この結果は、中部国際空港株式会社の「改善し続ける姿勢」によるものである。例えば、取材させていただいた中国出身の何 様は、以前、セントレア内にある看板の中国語表記が方言のような中国で書かれていることを指摘し、表記を変更した。それにより多くのお客様が理解できる表記に変えることができたそうだ。またセントレアには、お客様に意見を書いてもらうお客様の声というボックスを設置しており、利用したお客様からの率直な意見を集めている。そして、お客様からの意見を管理する部署だけで共有するのではなく、意見が寄せられたそれぞれの部署とも共有をし、解決を目指している。セントレアは常にお客様や社員の価値観を広く吸収・実行し、どんなお客様にとっても利用しやすい空港になるよう日々努めている。

“海外”で働くということ

 先程紹介した何様を含め、中部国際空港株式会社では外国籍社員を多く採用している。私たちは、何様に「海外で働く上で困ったことはあったか?」と質問をした。すると、 「仕事をする中でより高いレベルでの日本語能力が求められたこと」との回答だった。 そのため、日本語で会議の議事録を作成するなど、個人での努力を絶やさなかったそうだ。 また、「日本人ばかりの中で働く上で大変なことはあったか?」と聞くと、「言葉の壁こそ あったが、そんなに大変なことはあまりなかった。入社前から同期とコミュニケーションを取っており、相談やサポートをしてくれたりした。」と仰っており、スムーズにこの会社に馴染むことができたとのことだった。この記事を読む方の中にも、ひょっとしたら海外で働くことを考えている方がいるかもしれない。やはり最初は苦労があるかもしれない が、出身や文化が違っても打ち解けることができるのだと、私たちは取材を受けてくださった 3名が仲良く話している姿を見てそう感じた。

オフィスカジュアルから見える働きやすさ

column 発見

 私たちは取材のために実際に中部国際空港株式会社へ足を運び、社員の方々とお会いして驚いたことがある。それは服装のラフさだ。取材をさせていただいた 3名ともが、取材日当日にスニーカーを履いており、Tシャツを着ている方もいた。このような服装で出社することができるようになったのも最近のことで、社員が働きやすい環境をつくるために改善されたそうだ。    
私たちは中部国際空港株式会社という会社に、重要なインフラを支える会社であることから、“お堅い”イメージを持っていたが、取材に行ったことでその印象は180度変わった。そんな、社員が働きやすい環境作りに取り組み、若手・ベテラン問わず活躍できるフィールドが用意されている会社が中部国際空港株式会社なのである。

チーム紹介

西 海人(経営学部 2年)
松岡 寛人(国際コミュニケーション学部 2年)
野口 七海(法学部 2年)
三浦 陽花(経営学部 2年)

※本記事は2019年12月現在の内容となります。