Viewpoint 公務員
公務員とは国や地方公共団体において公務を担当する人のことを指す。民間企業は個人や会社の利益を追求するのに対し、公務員は全体の奉仕者として全国民ができるだけ公平で、かつ安全に生活できるように様々な場面で私たちの生活を支えるなどし、国民全体が幸せになれるような公共の利益を追求する。また公務員は国の行政機関で働く国家公務員と都道府県や市町村で働く地方公務員に分かれ、私たちが取材した中村区役所は地方公務員にあたる。地方公務員は憲法に定められた「地方自治」を具現化する行政機関として様々な業務を行い、地方公務員の役割は市町村や都道府県、政令指定都市、特別区によって異なり、市役所の場合は直接地域に寄り添い、サービスを提供する役割を担っている。また日本の公務員全体の約8割以上がこの地方公務員である。
Viewpoint 中村区役所
中村区役所では運営方針として、『「夢」、「笑顔」、「やさしさ」あふれるまち中村区』を基本目標としており、その目標を達成するために4つの柱を立てている。その内容としては①安心・安全で快適なまち、②いきいきと暮らせる「支え愛」のまち、③魅力と活力にみちた、愛着を感じるまち、④身近で信頼される区役所づくり…となっている。
これらの中で私たちが取材した地域力推進室の職員の方は、③「魅力と活力にみちた、愛着を感じるまち」に主に携わり、そのためのイベント等を複数開催している。
その主な事業としては、太閤秀吉功路やなかむら音楽会、尾張中村めしが挙げられる。
太閤秀吉功路は、中村区が豊臣秀吉の生誕地であることを取り上げ、まちの活性化につなげていこうという思いから始まった事業だ。ル―ト上に設置された太閤秀吉モニュメントを活用した謎解きウォークラリーや、地域の店舗等と連携したキャンペーンなどを実施している。
なかむら音楽会は音大生や高校生などによる演奏を聴いてもらうことで、日常生活を少しでも豊かにしてもらうきっかけづくりを目的として開催されている。遠方からのお客さんもおり、人気のイベントとなっている。
三つめの尾張中村めし事業は、中村区制80周年事業として区役所、地域団体、地元商店街などで開発実行委員会が作られ、コロナ禍以前は市民の方からレシピを募り、レシピコンテストが開催されていた。今年もコロナ禍のためレシピコンテストはできなかったが、愛知大学経営学部の土屋ゼミとの合同企画で学生が考えたレシピが学食でメニュー化され、とても好評だったそうだ。
また、その他の業務としては広報なごやの作成、Twitterなどの更新などをはじめとした広報業務が挙げられる。Twitterにおいてはイベント等の告知はもちろんのことその他防犯や防災の情報、また図書館や文化小劇場、消防署など「地域の情報」についての投稿もリツイートしている。
また、名古屋市内の全世帯に配布されている広報なごやは、昭和24年に創刊されて以来、毎月市政と市民をつなぐパイプとしての役割を果たしている。名古屋市の全区共通の内容と、住んでいる区ごとのイベントやお知らせなどが掲載されている。