文字サイズ

経営学部 古川邦之教授が代表する研究グループが国指定天然記念物の黒曜石の起源を解明

教育・研究
黒曜石はマグマの冷却でできる天然のガラスです。
破断面が非常に鋭利なので、日本では後期旧石器時代 (約3万年前)以降の人々がナイフとして使用していました。
なかでも大分県姫島村の黒曜石は、鹿児島県の種子島から中国、四国地方、大阪府に至る広範囲の遺跡から見つかっており、古代の交易ルートを知る上で極めて重要です。
そのため国の天然記念物に指定され厳重に保護されています。

この姫島村の黒曜石についての自然科学的な起源は未解明でしたが、本学経営学部 古川邦之教授が代表する研究グループ(愛知大学、岡山大学、おおいた姫島ジオパーク推進協議会、関西学院大学)により明らかにされました。
グループは地質調査や磁気分析、分光分析により、この黒曜石が30-40万年前に、火山内部のマグマの通り道である火道で形成されたことを発見しました。
またそのマグマは、発泡しながら浅瀬の海底に噴出し、約500mの距離を泡立った溶岩流として流れたことを明らかにしました。
今回の発見は、火山防災的にも考古学的にも重要なものです。
これらの研究成果は、その価値が高く評価されフランスの学術雑誌「Volcanica」に掲載されました。

〈フランス学術雑誌「Volcanica」掲載の論文〉 http://www.jvolcanica.org/ojs/index.php/volcanica/article/view/106
〈参考:大分県姫島村ホームページ〉 https://www.himeshima.jp/kankou/spot/tennenkinenbutsu/
〈参考:おおいた遺産〉 http://oitaisan.com/heritage/姫島の黒曜石産地/




経営学部 古川 邦之 教授
高知大学理学部 京都大学大学院 博士(人間・環境学)
〈専門分野・研究テーマ〉地球科学、地質学、火山学

古川邦之教授の詳しい研究成果、略歴等に関しては、こちらをご覧ください。
〈愛知大学研究者情報データベース〉 http://edu.aichi-u.ac.jp/tsearch/AUT_detail.aspx?pid=11375