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【開催報告】豊橋市教育委員会外国人児童生徒教育相談員 築樋博子先生 による講演が行われました

教育・研究
これからの外国人児童生徒等教育について
~子どもたちの明るい未来のために~


11月17日(水)、文学部日本語日本文学科平高先生ご担当の「日本語教育研究Ⅱ」の授業で、特別講師として築樋博子先生(豊橋市教育委員会外国人児童生徒教育相談員)にご登壇いただきました。
築樋先生は小中学校で日本語指導を行うと共に、外国人児童生徒教育に関する資料の作成や支援体制作りに携わっています。
2018年からは豊橋市の日本語初期支援コース「みらい」のコーディネーターを務められ、この初期支援コース「みらい」は、第52回博報堂教育財団博報賞(奨励賞)を受賞。
2019年度より、文部科学省外国人児童生徒等教育アドバイザーとしても活躍されています。

講演は「日本語教育研究Ⅱ」の履修者のほか、日本語日本文学科の授業を履修する学生や、教職課程を履修中の学生、他学科の教員などに公開されました。
築樋先生からは、日本語指導が必要な児童生徒が東海圏(特に愛知県)に多いことや、支援体制における課題のほか、他市のモデルにもなっている豊橋市の支援事例について、実際の写真をもとにご紹介いただき、学生たちは日本語教育の現場を感じることができました。
また、日本と他国とでは学習の仕方そのものが異なるということを、学校から課せられる宿題の違いや、手を使って計算するフィリピンのかけ算(写真4枚目)など具体例をもとに教えていただきました。

学生からは、「日本語ができないだけで、生徒・児童たちは勉強ができない、力がないというわけではないことをはっきりと実感することができました」、「外国人児童に対する支援では、日本の言葉を教えるのみではなく、日本での学校・社会生活への適応や自己肯定感の向上を助けることも不可欠だと感じました」、「国によってそれぞれ独自の文化や学び方があり、まずは日本と外国でギャップがあるということを理解しなければいけないと感じました」との声が聞かれました。
また、教職課程を履修している学生からは「日本語指導が必要な児童生徒と関わる際には、「日本の学校での当たり前のことをしっかりやってもらわなければ」という考えではなく、その子個人を尊重し寄り添ってあげられるような人になりたいと思います」という声もあり、将来の教員像を描く機会にもなりました。

日本語日本文学科「日本語教育研究Ⅱ」(2021年11月17日)