民法Ⅰ
本講義は、民法総則を扱います。民法総則は、物権関係と債権関係に共通する原則(人・法人・物・法律行為・時効など)を定めるものであり、他の民法分野の前提となる基礎的知識が多く含まれているため、民法の中で第一に勉強する領域です。初めは若干抽象的で難しい印象を受けますが、他の民法分野と有機的に連動しているため、総則で学んだ事柄を、同時並行で行われる民法Ⅱ(物権法)や民法Ⅵ(契約法)での学修において具体的に活用することによって、総則に対する理解は飛躍的に進みます。講義では、民法総則に関する基本的知識の整理、判例や学説に見られる基本的理論の理解をめざし、これを具体的な事案において応用できる力を養うことを目標とする民法演習に備えます。
刑法Ⅲ
いわゆる「刑法各論」に相当する科目。個別の犯罪に特殊な成立要件及びその限界を、規定上の文言の解釈を通じて明らかにするのが、刑法各論の任務です。この授業では、個人的法益に対する罪はほぼ網羅的に、そして社会的法益に対する罪からは放火罪、文書偽造罪、さらには国家的法益に対する罪からは公務執行妨害罪、犯人蔵匿・証拠隠滅罪、収賄罪等を取り上げ、上記の作業を出発点としつつ、具体的な事案においてその成果を応用できるよう、普段の授業時から配慮し、総論で得た知識との融合をもめざします。