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合格者からのメッセージ
少人数による徹底した法的基礎知識・法曹的思考能力の修得と学生ひとりひとりの習熟度に合わせた教授法を展開しています。
合格者からのメッセージ
伊藤博文研究科長と司法試験合格者(平成28年司法試験合格者祝賀会風景)

平成28年司法試験合格者より、
これから法科大学院で学ぼうと考えていらっしゃるみなさんへのメッセージ
「3年次生のとある1日―
自分自身を見つめ、不得意箇所を徹底的に追求」
未修者コース 松宮令奈さん

3年次生の私が過ごした一日を紹介したいと思います。
授業が朝から無い日は、10:00までに学校へ行き、図書室内にある「キャレルデスク」と呼ばれる仕切り板で囲まれた学生各自に割り当てられた勉強机で授業の予習、復習を行っていました。お昼は、たいていお弁当を持参し学生が集まる6階の部屋でいただき、13時頃まで休憩。午後は学校の復習を中心に勉強をしました。休憩は「休憩したい」と思った際に、とるようにしていました。22:00時または22:30頃に帰っていました。大学から最寄りの地下鉄の駅「車道(くるまみち)」駅1番出入口までは、たった100m位ですし、帰宅するのにもとても便利です。

私が司法試験合格につながったと思われる勉強方法はいくつかありますが、その中でもOB・OGの先輩方によるチューター制度や、仲間と開いた「自主ゼミ」は非常に役に立ちました。愛知大学法科大学院は、縦のつながり及び横のつながりが非常に強固な学校です。そのため、そのつながりに甘えることで自分と向き合い、自分自身の欠点や理解不足の箇所を徹底的に見直すことができました。また、先生方は嫌な顔一つせず私が理解できるまで丁寧に説明してくださいました。このような環境がなければ司法試験の合格は無かったと思います。

9時30分 10時 12時13時18時19時22時30分24時
大学へ 択一試験対策 昼食休憩 授業の復習や論文試験過去問 夕食休憩 チューターによる指導や自主ゼミ択一試験対策帰宅 翌日準備就寝

「法曹としての知識・能力修得に厳格な大学」
未修者コース 鈴木郁穂さん

愛知大学法科大学院は、毎回の定期試験を乗り越えるのが、精神的にきつく、当時は必死でした。でも振り返ってみると、定期試験では、基礎的なことが出題されているので、法的思考能力の展開や知識が答案に書けなければ進級できなくてもやむを得ないとも思います。
先生方が院生の習熟度合いをよく見てくださるので、いいタイミングで個々人にあったアドバイスをしてくださいますし、先生方の授業以外でのサポートも手厚く、勉強環境としては素晴らしいです。また、仲の良かった先輩が合格していく姿をしっかりと見せてくれるので、自分もこの大学院で努力をすれば、絶対に司法試験に合格できるという信頼感がありました。
「学ぶことの全体像を早めにつかんで」
未修者コース 谷本祐輔さん

私は2年次に、要件事実や行政法といった分野の試験で苦労した経験があります。私にとってなじみの薄い分野でしたので、効率よく全体を見て勉強できなかったのが原因です。学ぶことの全体像を早めにつかむことが何よりも大切だと痛感しました。
愛知大学の設備面の利点として、365日、24時間利用できること、IT環境の充実ということがあげられると思います。学習するためのサポート体制が万全ということは、思った以上に、勉強のストレスを軽減させてくれます。
先生方の熱心さが何よりも素晴らしいと思います。他大学院の学生の皆さんの話を聞く機会があり驚いたのですが、司法試験にも十分に対応できるような法的思考能力と知識を備える段階まで、熱心すぎるほど指導していただけたので、安心して、勉学に励むことができると思います。

将来は、できれば、地域社会の皆様のためのホームローヤーというような立場になれればいいなと考えております。交通事故や離婚、相続といった人生の大きな問題に親身になって取り組む姿勢を常に持ち続けていきたいです。

入学を考えている皆様におかれましては、入学前の時間が少しでもあるうちに、司法試験の過去問の問題文や出題趣旨、採点実感をとにかく読めるだけ読んでおくことをお薦めいたします。この作業は、意外に時間がかかりますし、いつかは必ずやらなければならない課題です。早めに司法試験の問題に慣れておくことは、今後の試験勉強に必ずプラスになります。また、一年生のうちに、できる限り、苦手分野を作らないこと、次の学年で学ぶことの全体像をつかんでおくことをお薦めいたします。

稲垣 正浩さん
法を究めるためのレベルの高い学びと充実した環境
平成29年司法試験合格者
既修者コース 2016年3月修了 稲垣 正浩さん

全国有数の司法試験合格率を誇る本院では、その実績を裏づけるように厳しい授業が目白押しで、最初はレベルの高さに挫けそうになったこともありました。しかし「もっと法を究めたい」という一心で、24時間利用可能なキャレルデスクを活用して毎日朝から晩まで勉強に集中しました。膨大な分野の勉強をスムーズに進めることができたのは、先生との距離が近く、質問や相談にもすぐに応じていただいたおかげです。また、大学院OBである教育補助講師(チューター)のサポートも、大きな支えとなりました。今後は弁護士として研鑽を積みつつ、法曹界をめざす愛大生を支える役割を担えたらと考えています。
松宮 令奈さん
徹底的に学んだ基礎が今の自信につながっている
平成28年司法試験合格
未修者コース 2015年3月修了
岡谷鋼機株式会社 審査法務本部 法務部 弁護士を経て
現在は鈴木貴夫法律事務所所属弁護士
松宮 令奈さん

企業法務へのキッカケをあたえてくれた先輩のセミナー
修了生が企画した学内での組織内弁護士セミナーに参加し、組織内弁護士の存在を知りました。このセミナーで、トラブルを未然に防ぐための「予防法務」に興味をもったため、修習後は、企業内弁護士として企業に就職しました。現在は、法律事務所で働いていますが、このセミナーに参加をしていなければ、企業内弁護士として仕事をする選択はなかったと思います。

まだまだ理解することはたくさんあるけどやりがいのある仕事
私は、以前企業の法務部で、会社各部署の取り扱うさまざまな契約書の内容チェック、コンプライアンス、各種商取引上の法律相談や労務管理上の相談など多岐にわたり対応していました。多くの法律が絡み合うため、学生時代には触れたことのない法律を取り扱わなければならず、その都度新たな発見がありました。また、「企業」「会社」という組織そのものを触れることができ、実際に会社という『組織』の中に入ってみないと分からない経験をすることができました。
現在、法律事務所で働いていますが、企業内弁護士の経験を企業案件に活かすことができていると感じています。また、企業では経験できなかった分野については、初めてのことばかりで大変ですが、その分やりがいも感じています。


基礎を徹底的にたたきこむカリキュラムが役立っている
愛知大学法科大学院は、基礎をその都度確認しながら展開される演習科目など基礎を大事にするカリキュラムが多いです。法律の基礎について徹底的に学んできたことが、弁護士として働くうえで非常に役に立っていると実感しています。

山田 敬之さん
少人数教育の魅力
平成27年司法試験合格者
未修者コース 2015年3月修了 山田 敬之さん


愛知大学法科大学院を選んだのは、何より、少人数教育に魅力を感じたからです。法科大学院では、少人数であるが故に、先生・院生間の距離が近く、先生方は、一人ひとりの院生に気を配っていただけます。また、院生同士の距離も近く、互いの必要とするところを把握できるため、院生同士でゼミを組む事も容易です。これらの特長により、時に先生方の厚い指導を仰ぎ、時に院生同士で励まし合い議論を重ねながら、互いを高め合う事ができました。
私は、司法試験に合格し、法曹の仕事を続けるには、日々移り変わる社会についての勉強が必要だと考えています。法科大学院で得た経験を基に、これからも日々勉学の精神で取り組んでいきたいと思います。
長谷川 俊晶さん
少人数教育のメリットが最大限活かされ、学生に教員の指導が行き届いています
平成26年司法試験合格者
未修者コース 2010年3月修了 長谷川 俊晶さん

法律の勉強を始め、弁護士の仕事を知るにつれ、取扱う分野の多さや、依頼者との近さに魅力を感じ法曹への道を志しました。愛知大学法科大学院を選んだ理由は、教育体制が整っており、勉強方法が確立できていなかった私にとって、本格的に司法試験の勉強をする最適な場所だと考えたからです。入学して感じたことは、少人数教育のメリットが最大限に活かされており、学生一人ひとりに教員の指導が行き届いていることでした。また、卒業生の方や職員の方々も一丸となって学生のサポートをしてくださいました。施設面でも広々としたデスクが与えられ、充実した学習環境で学ぶことができました。今後も初心を忘れることなく努力を重ね、自信を持って依頼者と向き合うことができるようにしていきたいです。
金田 正敏さん
平成24年司法試験合格者
既修者コース 2012年3月修了 金田 正敏さん

司法試験の合格がわかった時の率直な気持ちをお聞かせください。
これまで不合格を何度も経験していたので、合格発表の掲示板の前に行くまでに、足がすくんでしまいました。また、合格者一覧の紙が思ったよりも小さい、A4判2枚程度だったので、掲示板の前でも一瞬たじろいでしまいました。おそるおそる見て、自分の受験番号をみつけたときは、うれしいというよりもむしろほっとしたという安心感の方が強かったです。

法曹をめざした理由は?
私の場合、きっかけは大それたことではありません。他人と議論をしたり、理屈を立てながらしゃべったりすることが好きだった自分が、高校生時に「ディベート大会」で優勝した経験がありました。そこで、法曹はこのような自分の特性を最も活かせる職業ではないかと漠然と思ったことから志望するようになりました。

受験に際し、なぜ本学法科大学院を選んだのですか?
率直に言って合格率の高さです。以前に他大学の法科大学院を修了し、新司法試験を受験したのですが、3回とも合格できなかったという苦い経験を味わいました。しかしどうしても法曹になりたかったので、それならば従来の勉強方法を根本的に変えて再出発しようと決意したのです。そこで、まずは新司法試験の合格率が高い法科大学院を、ということで、最終的に愛大を選びました。また、車道校舎までの交通の便がよく(名古屋駅から地下鉄で8分)、実家から通える距離にあり通いやすいこともその理由の1つでした。

愛大法科大学院に入学してみて感じたところをお聞かせ下さい。
施設面では、法科大学院生専用図書室があり、自分専用のキャレルで365日24時間学習可能だったことが良かったです。特に集中して勉強したい時には遅くまで勉強することができました。また、ICT環境が極めて充実しているのにも驚きました。たとえば、全員に卒業まで1台貸与されるノートパソコンには、すでに法科大学院での学習用に各種ソフトがインストールされており、大変役立ちました。パブリック・フォルダから授業用の教材をダウンロードしたり、同級生の書いた答案を閲覧したりすることができたのも、便利だったと思います。さらに、些細なことかもしれませんが、図書室に設置されているプリンターでの印刷に1人何枚という制限がなかったため、気になった資料を気兼ねなく印刷できたことも、大変助かりました。
教育面では、実際に講義や演習の授業を受けてみて、愛大法科大学院の司法試験合格率の高さを納得しました。講義内容は先生の関心ある事項のみに偏ることなく、学生が必要とするところをつかんだ無駄のないものばかりでした。また授業中自分が間違っている回答をした際には間違っていると先生や同級生がはっきり言ってくださる点も、自分には合っていると思いました。
少人数教育という点もよかったです。先生方が院生ひとりひとりの特徴を把握してくださり、適切なアドバイスをもらうことができました。「また同じ間違いをしたね」「最近力がついてきたね」と言われると、よく見ていただいているのだなぁと実感します。
また少人数のため、知り合いだけなので勉強に集中できた、ということもあります。キャレルで頑張っている同級生の背中を見ると、自分も負けていられないという気持ちが湧いてきて、励みになりました。

法科大学院での勉強全般についてアドバイスがあればお願いします。
法科大学院での勉強はまず何よりも自主性が大事だと思います。そして、司法試験はただ闇雲に勉強すれば合格できるものではありません。ですから、入学前後からなるべく早い時期に計画を立ててみて、それを何度も見直しながら進めていくとよいのではないかと思います。加えて、愛知大学の場合は先生方が院生個々の特徴や問題点をよくつかんでくださっているので、先生方の力も遠慮なく借りて、自己本位の勉強にならないよう、自分を上手にコントロールする必要があります。 勉強は自分で自分を鍛えるという、孤独なものですが、施設や先生、同級生や先輩・後輩など、さまざまな形で助けてくれるものが愛知大学にはたくさんあります。ですので、それらの助けをうまく自分の指針と推進力にしていけば、楽な道ではなくとも、最後にゴールに到達することができると思います。

これからどのような法曹をめざしますか?抱負をお聞かせ下さい。
人に希望を語り、希望を実現できる弁護士になりたいです。「希望」とは、今日より明日がいい日になる、と信じられることだと思います。合格できず、苦しかった自分が、愛知大学で希望をもらい、自分を取り戻せたように、懐が深く、自分に会えてよかったと言っていただける法律家になりたいですね。
今は、「合格後」の努力を始められることがなによりうれしいです。サポートして下さった愛大法科大学院の先生、スタッフの皆さん、そして先輩・後輩・同級生に心よりお礼申し上げます。また、学費や生活の面で長年迷惑をかけながらも、変わらず信じ、見守ってくれた両親には、これから恩返しをしなければと、あらためて身の引き締まる思いです。

これから法曹をめざす方、本学法科大学院へ
入学を検討している方へメッセージをお願いします。

近年、法曹人口の増加などから、新人弁護士の就職難、経済的困窮が聞こえてくるようになっています。それは法曹が決して特権的地位でなく、他のすべての職業と同じように、法曹を利用する人にとって、「実力」のある人が生き残っていく、ということが確認される時代になったのだと思います。弁護士のあり方も間違いなく多様化していくでしょう。
また、予備試験が始まり、最短ルートと言われ、法科大学院の存在意義自体が問われる時代にもなりました。
そんな時代の変化のなかで愛知大学は、専門職大学院としてのあり方を守り、充実した教育プログラムを組みながら、他方で「出口」の問題にも目配りの利いた指導をして下さっていると思います。実務で活躍されている実務家教員の先生が多く在籍することから、法曹になってから役立つ貴重な財産も得られました。ここで頑張れば「実力」をつけることができると思います。
愛知大学では厳しい指導が待っています。本気で司法試験の合格を願っている人、真に実力のある法曹をめざしている人、は是非愛知大学法科大学院に進んでもらいたいと思います。

ありがとうございました。
西口 誠さん
平成24年司法試験合格者
既修者コース 2012年3月修了 西口 誠さん

合格した時の率直な感想をお聞かせください。
合格発表前の脳内シミュレーションでは、掲示板で自分の受験番号を見付けたときに、感極まって泣いてしまうのではないかと思っていました。しかし、実際に番号を目にすると、信じられないという気持ちが強く、全く実感が湧きませんでした。合格発表から一月経った今でも、あまり実感はなく、ただ、合格発表の前後で激変した生活が、合格したのだということを教えてくれます。

現時点での将来の目標とかはありますか?
小学校のときの卒業文集に、将来の夢は弁護士か政治家になることと書いた覚えがあります。政治家はマクロの視点から世の中を変えることができ、弁護士はミクロの視点から世の中を変えることができる、というのがその当時持っていたイメージでした。将来政治家に転身するかどうかはまだわかりませんが、とりあえず弁護士として、ミクロの視点からどこまで世の中を変えることができるのか、チャレンジしてみたいと思います。

本学ではどのような感じで勉強していましたか?
課題やレポートなどが充実している(反面、負担は重い)ので、なるべくそれらを有効活用することを考えました。論文は、カリキュラムをこなしていくだけでも、相当の力がつきます。既修の私は、独学していた期間が長かったこともあり、変な癖がついているところや偏った勉強をしているところが多々ありましたから、その修正に心を砕きました。短答は、その性質上、自分で勉強するしかありませんが、時間の確保に困難が予想されたため、意識して早めに対策を開始しました。

この法科大学院での良かったことは何ですか?
システムがしっかりしていることと、院生も先生方も目的意識を明確に持って徹底していることです。統一した方針が立てられていない法科大学院では、院生や教員の個人の力によるところが大きいのに対し、確立したシステムのある愛知大学法科大学院では、ある意味、誰にでも司法試験に合格するチャンスがあるといえます。また、予備校を全く利用することなく司法試験に合格できる、数少ない法科大学院の一つでもあります。

これから法曹をめざす方、本学へ入学を検討されている方にメッセージをいただけますか?
当初の予定よりも低い司法試験の合格率、給費制から貸与制への移行、弁護士への就職難など、法曹を志す者に対する逆風が吹き荒れる中、この道を選択されたからには、それなりの動機と覚悟をお持ちなのだと思います。ですが、それが形になるためには、何としても司法試験に合格しなければなりません。愛知大学は、それを可能にする法科大学院です。是非、初志貫徹しましょう。

ありがとうございました。