教員一覧 - 教員からのメッセージ

久須本 かおり
教授久須本 かおり
1993年 名古屋大学法学部卒業
1998年 名古屋大学大学院法学研究科修了

愛知大学法科大学院の魅力は、議論を通じて学ぶことの楽しさや喜びを日々実感できるところです。法科大学院では双方向・多方向の授業が中心となるので、授業中は、学生同士の議論はもちろんのこと、研究者教員と実務家教員とがお互いの知識・経験に基づいて議論を戦わせるなど、知的好奇心を刺激するような議論が溢れています。授業終了後も、授業の内容について議論し合う院生の輪がいつまでも絶えず、また、質問に来た院生と教員の議論に他の院生も参加して、そこにもまた議論の輪が生まれます。正課の授業以外でも、チューター授業や自主ゼミの場で、あるいは、お昼ご飯を食べながら、給湯室でお茶を飲みながら、学年を越えて法律の議論が花咲いています。こんなにいつも法律の話ばかりしていて嫌にならないかな、と思うのですが、議論をしている院生達の瞳は生き生きとして楽しそうで、そんな様子に惹かれて私も通りがかりに議論に参戦してしまうことがよくあります。

このように、独りで受動的に知識を詰め込むだけではなく、他者との議論を通じて知識を深化させ、自分の腹に落とし込むという学習方法が自然に身につく環境が、この法科大学院にはあります。また、こうした議論の輪が生み出す教員・チューター・院生の縦横のつながりが、愛知大学法科大学院の高い合格率の秘訣ともいわれる「団体戦」というキーワードにつながっているのだと思います。皆さんも我々と一緒に大いに議論を楽しみましょう。

石井 三一
弁護士 / 教授石井 三一
1979年 中央大学法学部卒業 司法修習第39期
1993年 石井法律事務所開所

弁護士は、社会で生じる一切の法律事務・紛争を扱う職業です。取り扱う分野は極めて広範囲に及び、又その関与の形態も助言から紛争解決までと様々であり、そのアプローチも企業側・市民側等と様々です。弁護士の魅力は、このような法律事務について、自己の意思で関わり方を選択し実践できる点にあると思います。

私は現在、倒産事件の処理を主たる業務にしています。倒産事件の魅力は、債権者その他多種多様な関係者の利害調整をしながら、債務者の財産・収益の最大価値を実現していく過程の面白さにあります。その過程では、基本六法以外のあらゆる法律知識を駆使しますし、簿記会計等の法律外の知識も総動員します。また時には反社会的集団と対峙することもあります(過去には監禁された経験もあります)。これらの多くの波をかき分けながら最終処理を目指していく過程の面白さは、他の事件では味わえないと感じています。

法科大学院では、理論と実務を架橋した教育を行います。私は、本法科大学院で倒産法その他を担当しますが、中部地区の倒産業務を扱うトップの実務家として、実務的に意味のない議論は大胆にカットし、実務とその理論的基礎の理解を重視した授業を行っております。愛知大学法科大学院を信じて門を叩いていただければ、と思います。

藤本 瑞穂
検察官 / 教授藤本 瑞穂
1992年 神戸大学法学部卒業 司法修習第46期
1994年 検察官任官

これまで私が出会った印象深い事件の中でも、一生忘れることはない事件に、被害者が13歳のときに母親の再婚相手から被害を受けた強姦事件(被告人は被害者が誘ったとの和姦主張)があります。ビデオリンクの制度ができて間もない頃のことで、某地裁で初のビデオリンクによる証人尋問を実施した事件であり、その他にも、被害者の精神状態やプライバシーの保護のために当時考えられる限りの措置を行い、求刑にも心を砕き、求刑どおりの一審判決を得た事件でしたが、控訴審係属中、被害者は17歳の若さで自宅マンションのベランダから投身して亡くなりました。自分は被害者の痛みをどれだけ理解していたのか、それを精一杯代弁できたのかと自責の念に駆られ、告別式の際、棺の中で二度と目を開けてはくれない被害者に対して、ただただ謝ることしかできませんでした。被害者とその痛みをできる限り共有しようという努力を怠ってはならないと同時に、被害者やその親族の痛みは、そのような努力の下での自分の理解も遙かに超えた痛切なものであり、それを忘れない謙虚な姿勢を持ち続ける必要があると再認識させてくれた事件でした。

法曹の仕事は、人の人生を大きく左右する法的判断を迫られるものです。一つ一つの事件での出会いを一期一会のものとして大切にし、具体的な事件の実体に即した解決を丁寧に見極め、国民から信頼される法曹を目指して、一緒に勉強していきましょう。