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2021年度国際教育推進講演会を開催しました

グローバル人材
12月8日(水)、本学名古屋キャンパスグローバルコンベンションホールにて2021年度国際教育推進講演会を開催しました。

第5回目の今年は、前駐ハンガリー特命全権大使の佐藤地氏を講師にお迎えし、「Diversity and Uniqueness 多様性と独自性~外交の現場から学んだこと~」をテーマに講演をいただきました。本学学生を中心に、来場者、オンライン聴講者合わせて、総勢110名を超える参加がありました。

佐藤氏は、2020年まで駐ハンガリー日本国特命全権大使を務め、40年にも渡る外交官生活では、バンコク、ワシントン、ブリュッセル、ジュネーブ、パリ、ブタペスト等、6か所の在外公館等で要職を歴任してこられたほか、2015年は、ユネスコ日本政府代表部特命全権大使を務められました。

多様なグループ、個人が入り混じる社会の中でどのように課題を設定し、解決策を模索していくのか、そのヒントについて、複雑な歴史的背景を持つ赴任先でのご自身の経験や、ユネスコ、WTOでの貿易交渉の実例等を交えながら、ご講演いただきました。


佐藤氏からは、
・相手国を理解するためには、その独自性を理解し、尊重し、そのためにその歴史を知ることも大切であるが、奥行きを持って理解するには、その国が置かれている地域をも俯瞰してみることが大切であること、
・各国・地域は独自の歴史を有しており、国際社会は多様性そのものであり、また、多国間は二国間の足し算ではないこと、
・課題には、自らの働きかけで変えられるものと、変えられないものがあるが、それを見極め、解決する方法、「解」solutionを模索し、多国間、二国間に関わらず、誰もがプラスになると思える「解」(positive sum)を模索することが大切である、
とご講演いただきました。


質疑応答では、多くの学生から質問が寄せられ、成功裡に終了しました。
国際教育推進委員会では、今後も本学学生のグローバル教育の推進のため、様々な取り組みを行ってまいります。


(以下に質疑の内容を一部ご紹介します。ご覧ください。)

「コロナ禍で留学への思いに迷いが生じているが、海外に行くメリットとは?」
→「多様な人々との出会いこそがかけがえのない経験であろう。多様な人々との出会いが、自身の視野を拡げ、人生を豊かなものに変えてくれるのではないか」

「ユネスコやWTOの交渉で大変だったことは? その時の課題をどのように解決されてきたか?」
→「いずれも大変だったが、仲間の存在が何より大きかった。仲間と協同し、交渉を前進させることが苦労でもあり、やりがいであった。外交の仕事では、正直たることを肝に銘じていた。英語のことわざで“正直が最善の外交”ともいう。この人であれば大丈夫だろうという仲間=信頼関係があることで物事が進むのではないか」

「多くの国での滞在経験を経て、改めて日本の良さ、魅力は何だと思うか?」
→「和食の多様性は、誇るべき日本の良さの一つであろう。それに、四季(自然)の美しさ、日本の伝統工芸品も唯一のものであろう」