経営学研究科

研究者や会計人(税理士)志望者養成など高度専門職業人の養成を大きな柱に、多様な研究のニーズにも応える

研究科の沿革・概要

本学に経営学研究科が設置されたのは1977年です。はじめに修士課程が設置され、その2年後に博士後期課程が設置されました。さらにその3年後、経営学研究科として、初めての博士号を出すに至りました。
経営学研究科は、これまで40年以上にわたって数多くの大学教員、専門職業人などを輩出してきました。修士課程の修了者は400名を超え、また博士後期課程の修了者(単位取得者)は20名を超えています。最近では、会計人養成を目的とした会計学・税法コースにニーズが高まっています。

3ポリシーの紹介

アドミッション・ポリシー

カリキュラム・ポリシー

ディプロマ・ポリシー

研究科長挨拶

経営学研究科長 田子晃教授
本研究科は、経営学に関する、精深で高度な専門知識を有し、経済・社会や企業経営の変化に対応して自ら課題を発見し、それを論理的に分析・解決・集約し、成果を公表する能力を備えた研究者や高度専門職業人の養成をめざしています。
特に、修士課程においては、「経営学コース」及び「会計学・税法コース」の2つのコースを設置することで経営学の様々な分野に関する研究者・高度専門職業人の育成に取り組んでいますが、税理士養成のための体系的なカリキュラム及び指導体制を整えた「会計学・税法コース」において税理士養成の実績を着実にあげています。

研究科の特色

研究者や高度専門職業人の養成を大きな柱にした多様なニーズに応えるカリキュラムと指導体制を整えています。また、自由かつ系統的な研究を可能とするため、他研究科科目の履修や(単位互換)協定校を締結している商学・経営学系の中部地区5大学院の授業科目を受講できる制度も設けています。国際的レベルの研究を行っている教員も少なくなく、意欲と能力に応じて高度な研究を行うことが可能です。
2015年度からは、会計学・税法コースを設置し、会計人養成を目的とした税理士試験の科目免除に対応したカリキュラムや支援体制を整え、実績をあげています。
また大学院修了後、一般企業や官公庁などへ就職を希望するニーズも増しており、修了生によっては地方自治体や一般企業など多方面で活躍しています。

専攻紹介

経営学専攻

修士課程では、経営学に関する高度な専門知識を身につけ、経済・社会や企業経営の変化に対応して自ら課題を発見し、それを論理的に分析・解決する能力を養うことを目的として、次の2つのコースがあります。

「経営学コース」 : 経営学に関する豊富な授業科目を設置するとともに、きめ細やかな研究指導体制を整え、研究者や専門職業人を養成しています。
「会計学・税法コース」 : 税理士養成のための体系的なカリキュラム、指導体制を整え、理論と実務のバランス感覚に優れた会計人を養成しています。

博士後期課程では、経営学に関するより一層高度な専門知識を身につけ、経済・社会や企業経営の変化に対応して自ら課題を発見し、それを論理的に集約し公表する能力を養うために必要な研究指導体制と論文作成支援体制を整えています。
学位による税理士試験科目免除申請について
税理士資格取得のためには、税理士試験で5科目(うち税法科目3科目、会計学科目2科目)に合格することが必要です。本研究科の修士課程を修了(所定の単位を修得し、修士論文審査に合格することが修了要件となります)し、税理士試験の一部科目に既に合格している場合、学位による税理士試験科目免除制度を利用することで、税法科目のうち2科目、会計学科目2科目のうち1科目の免除申請を行うことができます(学位による税理士試験科目免除制度の詳細は、国税庁のホームページでご確認ください)。

●会計学に属する科目(2024年度開講科目):経営分析特殊講義
●税法に属する科目(2024年度開講科目):法人税法特殊講義、租税法特殊講義、消費者法特殊講義、所得税法特殊講義、相続税法特殊講義、演習

構成員紹介

※項目の詳細は愛知大学公式ウェブサイトへリンクしています

開講科目一覧

開講科目紹介

情報処理論特殊講義  岩田員典教授
各種のデータの処理方法についてアルゴリズムを理解し、プログラミング言語を用いて演習を行います。演習を通じてコンピュータにおけるデータ処理への理解を深めることを目標とします。特に近年注目されている統計処理や、人工知能における機械学習などを中心に学習・研究を進めていきます。
そして、各自が興味のあるデータを実際に利用することで、実践的な利用方法について身につけます。

アジア企業論特殊講義 田中英式教授
主に台湾企業を対象として、アジアNIEsの製造企業の発展要因について講義します。現在、台湾企業は特に情報機器や電子・電気機器の分野を中心として大きな国際競争力を持っています。台湾企業はいかにして現在のような国際競争力を獲得するに至ったのでしょうか。この講義では、人的ネットワークを活用した独自の経営、直接投資を通じた技術移転など様々な視点からその発展要因について議論していきます。

金融論特殊講義 冨村圭教授
金融論は経済学の理論を応用し、金融事象について研究を行う学問で、幅広い領域を研究対象とします。概括的に、金融システム、金融政策、ファイナンス、国際金融に分類できます。本講義では、国際金融以外を主な学習対象とし、基礎的な金融知識・理論の修得を目標とします。
金融政策は2008年の金融危機以降大きな役割を果たし、また、日本の地方創生においては、地域金融機関に大きな期待が寄せられるなど、金融知識は現代の社会人にとっても必要不可欠なものと言えます。

租税法特殊講義 鎌倉友一 教授
租税法は、租税に関する法の体系的・理論的研究を目的とする法律学の独立の一分野です。受講生の中には、法律学を初めて学ぶ受講生も多いことから、本講義では、租税法の基本原則をはじめ広く租税法全般に関係する基本的な知識の修得をめざします。講師からの一方通行になりがちな座学形式による講義に終始せず、受講生による裁判事例研究の発表・討論を通して法的思考錬成のための双方向性の講義を心掛けます。

法人税法特殊講義 松田和久 教授
法人は事業活動の主要な形態であり、法人税は租税収入のなかでも大きな割合を占めています。法人税の課税物件は法人の所得であり、課税標準は各事業年度における所得の金額です。本講義では、企業会計における損益法と課税標準たる法人税法上の所得との関連相違について理解するとともに、具体的判例及び裁決事例を積極的に活用し、実務に則した実践的なディスカッションを通して税務プロフェッショナルに必要な判断能力及び問題解決力を身に付けます。

履修モデル

本研究科修士課程では修了に必要な32単位以上修得するために、以下の要件を満たす必要があります。それとあわせて修士論文を合格(70点以上)することが必要です。
必修/選択修得単位数備考
必修(選択したコースの授業科目)
20
12
専修科目(講義4単位、演習科目8単位)
※指導教員が受け持つ授業科目を必ず修得すること。
8
選択したコースの授業科目から修得すること。
選択(講義科目)
12
履修できる科目は以下のとおり。
・選択したコースの授業科目(必修で修得した以外の科目)
・他コースの授業科目
・他研究科授業科目(ただし、8単位まで)
修了に必要な単位数の合計
32

上記を踏まえ、経営学コースと会計学・税法コースの履修モデルを示しますので、参考にしてください。

本学経営学部生における大学院授業科目の早期履修

本学経営学部生を対象に経営学研究科修士課程の授業科目を学部在学中に受講できる早期履修制度があります。
詳細はこちらをご覧ください。

在学生の声

経営学研究科博士後期課程 経営学専攻2年 S.Yさん
本学経営学部経営学科情報システムコースから、修士課程、博士後期課程と進学しました。現在は、修士課程で取り組んだテーマである、「ドローンを用いた初学者向けプログラミング環境」について研究を引き続き行っています。
博士後期課程の授業は、1、2年でそれぞれ1コマずつのため、修士課程に比べてより時間に余裕が生まれます。その時間を活かし、自身の研究や、国際学会に向けて英語での論文執筆などに使うことができています。
当研究科では、プログラミングなどの理系分野にも対応できる指導教授の方々がいらっしゃるため、文系だけでなく理系分野も交えて学べるのが魅力の1つです。

卒業生の声

経営学研究科修士課程 経営学専攻 2022年3月卒業 M.Nさん
勤務先:税理士法人(沖縄県)
修士論文は「不動産所得と他の所得区分との関連性」について、不動産にかかる所得のうち、どの所得に区分されるか他の所得区分との性質や判例を用いて考察しました。論文作成が初めてだったため、事実からの論点あてはめがとても苦手でしたが、授業内で例題から事実を把握し、条文に当てはめて結論を出す演習のおかげで少し克服できたと思っています。 
また、コロナによる自粛期間のため、論文作成に必要な資料収集も難しかったです。自粛が明け図書館での資料依頼等(外部書庫からの複写依頼)も利用することで論文作成に必要な情報を収集することができました。論文作成に当たり、ゼミでの情報交換や教授からの直接なアドバイスなども論文作成に欠かせない時間でした。ゼミ生の違う視点からの考察など、論文を書く上で様々な視点から考察することができ、自分の中では満足のいく論文を完成させることができました。
税理士法人へ就職して1年たちますが、最近ではクライアントとのやり取りも増え、質問の中で事実を把握し条文ベースであてはめて回答することができております。上司からクライアントの理解しやすい回答を作成することができていると褒めていただきました。これも本研究科で培ったたくさんの経験が活かされていると感じます。

就職実績

各税理士事務所及び税理士法人(名称省略)、(株)セントメディア、(株)AAST、中国商工銀行
※過去3年分