愛知大学綜合郷土研究所ブックレット06 ー豊橋三河のサルカニ合戦~『蟹猿奇談』~ー
著者:沢井耐三
発行:あるむ
定価:800円(税抜)
2003年4月 72P A5版
ISBN:4-901095-36-6
大阪から豊橋へやってきた武士、大須賀周蔵(栗杖亭鬼卵)は、後年、豊橋を舞台とする『蟹猿奇談』を著わした。豊川城乗っ取りをたくらむ悪人たちと城を守る忠臣たちの抗争を中心にすえた物語である。悪人側には石巻山に巣食う怪猿が軍師となり、忠臣の側には青砥百太郎が助成に付く。百太郎らは、怪猿の妖術や悪計に雄々しく立ち向かい、誘拐された姫君を救出、悪人たちを次々に倒していく。江戸時代、さまざまなサルカニ合戦が作られた中で、チャンバラの活劇を見るような、異色のサルカニ合戦物語に変身した読本『蟹猿奇談』を興味ぶかく読み解く。