印象派画家の中でもモネほど花を愛し、庭づくりに情熱を傾け、その庭で多くの重要な作品を生み出した画家はいない。
私はオランジェリー美術館にあるモネの大作「睡蓮」に出会って以来モネ研究に歩を進めた。
私が研究の末辿りついたのは庭そのものがモネ芸術であり芸術と生活が一体化したものである。
モネの一言がそれを言い表している。
「私の最も芙しい作品は私の庭だ」と。
この庭には日本美術の精髄が込められている。
池の形は手鏡、橋は太鼓橋、花は和花に、樹は竹林など。
モネの発想は日本の浮世絵にあった。
私はこの池で作品の構想を練った。
モネの視線の先には何があったのか実作を重ねた。