愛知大学綜合郷土研究所ブックレット19 ー古代東山道園原と古典文学~万葉人の神坂と王朝人の帚木~ー
著者:和田 明美
発行:あるむ
定価:800円(税抜)
2010年3月 78p A5版
ISBN:978-4-86333-026-9
古代東山道は、京を発って木曽谷から伊那谷へと神坂峠を越える道である。この標高差1,000m余の最大の難所を過ぎたところに「園原」の里はある。道は山あいを縫うように陸奥・出羽へと1,000kmも続く。
古代においては倭建命の東征伝説の舞台でもあり、万葉人が苦難と別離の旅路を詠み、平安期においては 「 源氏物語 」 の冒頭部で個性的な女性 「帇」 にそのモチーフが生かされ、歌枕の地として古典文学の世界に創造の力を与えてきた「神の御坂」「園原」を、豊かに読み解こうとする古典文学への意欲的な誘いの書。