愛知大学綜合郷土研究所ブックレット13 ー城下町の賑わい~三河国 吉田~ー



 著者:和田 実
 発行:あるむ
 定価:800円(税抜)
 2007年3月 80p A5版
 ISBN:978-4-901095-83-9

 『 吉田通れば二階から招く、 しかも鹿の子の振り袖がー。』
かつて吉田と呼ばれた豊橋は、多くの人やモノが集積する城下町であった。東西に東海道、北には奥三河、信州へ伸びる伊那・別所街道、南には伊勢へと通じる伊勢航路があり、城下町・宿場町・湊町として複合的な機能をあわせ持つ地域文化の中心地として栄えた。賑わう吉田の城下いは、庶民、旅人、大名行列、盗人から異国の生き物まで、あらゆるものが往来し、さまざまなできことが人々の生活空間のなかで繰り広げられた。そこには、時間が人を作り、人が地域を作るシステムが存在した。五百年以上も続く城下町の歴史を知ることで、文化を軸とする地域のあり方をあらためて問いかける。