愛知大学 現プロだより

~現代中国学部 現地プログラム 学生・教員からの近況報告~
現プロだより2019
台湾・国立台湾師範大学からのたより

6月のたより

学生からのたより

◆中国書法について
6月に入り、火曜日午後の文化講座が中国結びから中国書法に変わった。日本の草書を想像していたが、思っていたものと違い、古風な字体だった。初めて書く字体だったため書き順や字のバランスが分からなかったが、先生にこの書法には全てにおいて正解が無く、絵を描くように描いてみて、と言われ少し緊張がほぐれた。みんな思い思いに書いていて字に個性が見られ、満足のいく字が書けたようだった。次回、石に自分の名前を彫り、判子を作る予定で楽しみだ。
現プロ生活も残り1カ月となった。勉強を怠らず、積極的に外出し、十分に遊び、台湾でしか出来ない貴重な経験をしていきたい。帰国後すぐに行われるHSKの試験対策にもそろそろ手をつけていきたいと思う。

先生のお手本「遊雲驚龍」
広報委員 澤田明佳、渡邊涼乃

「さくら21特派員」レポート

先月行われた講演会で日本のさつま揚げがルーツの「甜不辣」という食べ物が台湾にあると聞いた。その講演会以降私は「甜不辣」が食べたくて仕方なかった。十分を訪れた際にやっと私は「甜不辣」を食べることが出来た。もっちりと歯ごたえのあるQQな味でとても食べ応えのある味であった。QQは“もっちりと弾力のある“という意味の中国語だ。台湾の食文化に日本の食べ物が関係していると思うと面白い。食は世界を繋ぐ文化だ。

甜不辣
福沢柊希

私は先日友達と砦潭へ行った。砦潭は新店駅から近いため交通のアクセスが良く、七色に光る吊り橋がシンボルである。川沿いにはテラスレストランや屋台が立ち並んでいる。川にはカップルボートがずらりと並んでおり、川岸には家族連れや犬の散歩をする市民であふれていた。私たちはテラスで夕食を楽しみながら日が沈むのを待った。ライトアップされてからの雰囲気は格別だった。レストランのステージの生演奏を遠くに感じながら、時間を忘れて川沿いでたそがれていた。周りには手をつなぐ夫婦やデートを楽しむカップル、元気よく遊ぶ子供達が自分達の時間を過ごしていた。ふと、私は日本での生活を思い出した。こんなに優雅な時間や場所はあっただろうか。砦潭の雰囲気は、台湾人のように穏やかであった。私はあの雰囲気に溶け込めていただろうか。

夜の砦潭
小寺莉子

5月のたより

学生からのたより

◆東呉大学での交流会
5月10日(金)、東呉大学の日本語学科の学生と交流会を行った。パワーポイントを使って愛知大学についての紹介をした後、日本語で交流した。日本に留学予定がある学生もいて、日本での暮らしのアドバイスや日本の関する話題で盛り上がった。その後、近くにある士林夜市を案内してもらい、全員で牡蠣オムレツや牡蠣スープ、台湾天ぷらを食べた。その後は、それぞれ仲良くなった東呉大学生と中国語で話しながら夜市を散策し、イチゴ飴やクレープを食べた。士林夜市は台湾師範大学の近くにある師大夜市とは違い、規模が大きく様々な種類の店があり、多くの人で賑わっていた。
機会があれば、再び士林夜市に行ってみたい。

東呉大学

士林夜市
広報委員 杉浦彩子、福沢柊希

「さくら21特派員」レポート

先日、岐阜県の名物料理、「鶏ちゃん」を食べた。台北には多くの日本食店があると感じるが、岐阜県の料理は初めて見た。「鶏ちゃん」は日本で何度も食べたことがあるが、驚くことに台北で食べるそれは日本のものと完璧と言って良いほど同じで、感動した。帰り際、その感動を店員さんに伝えた。すると話が弾み、その方はまだ中部、東海地方は訪れたことがないとのことだったので、岐阜県や名古屋について少し話してみた。日本発信というと大げさかもしれないが、これをきっかけに、彼女が東海地方を訪れてくれたらうれしいと思った。

台北市内の日本食店にて
長屋敦大

先日、故宮博物院へ行った。博物館のイメージは、静かであまり人がいない落ち着いたところだったが、故宮博物院はそんなイメージを覆すようだった。たくさんの人で賑わっていた。日本人はもちろん、海外からの観光客もたくさんいて驚いた。故宮博物院の展示品はどれも興味深く、大陸での戦火から守られて台湾の地にやってきたのだと思うと胸が熱くなった。日本統治時代の書物もたくさんあり、日本語の医療書や教科書を見て、私が思っていた以上に当時は日本の色で染まっていたことを実感した。
アジアの歴史に興味がある人は、一度訪れてみると良い。

小寺莉子

教員からのたより

故宮博物院は大規模な博物館で、中華王朝が誇る貴重な文化財が多く展示されていますが、その大部分が抗日戦争を逃れたもので、戦火を逃れてきたことを考えると、気が遠くなるようですね。その点に注意を払っているだけではなく、日本の統治時代の様子にも関心を寄せていますが、これは大変重要な態度です。このような博物館は、専門的な関心を持つ人にはもちろんのこと、単なる物見遊山の観光客にとっても重要な観光地ですが、その展示物がどのような経緯をたどって今に至っているのか、それはなぜ展示されているのか、見る人はどのような思いを持っているのかなどにまで思いをめぐらせると、さらに様々な問題が示されていることに気づきますね。これからもこのような姿勢を大事にしてください。現地プロも残りわずかです。有意義に過ごしてください。
現代中国学部 教授 河辺一郎

4月のたより

学生からのたより

◆教学実践活動in宜蘭
4月13日(土)に朝からバスで宜蘭へ向かった。はじめに「祥語オーガニック農場」に行った。まず菅笠をかぶり、茶摘み体験した。その後、お茶が販売されるまでの工程について説明を聞き、実際に体験した。出来たお茶は袋に詰めて持ち帰ることができた。次に、飴の一種である「龍鬚糖」作りを体験した。固い飴を柔らかくなるまで伸ばすのだが、その飴がとても固く、お手本のように細く長くするのが難しく、伸ばすのに全員時間がかかった。出来上がった飴をその場で食べたが、とてもふわふわで美味しかった。最後に「品茗杯」というお茶を飲む湯飲みに好きな文字や、絵を彫った。この湯呑は掘る際に出た粉を洗い流した後、帰りには専用の袋も付けて頂き、持ち帰ることができて貴重な想い出となった。「祥語オーガニック農場」では一つの場所でいろいろな文化が体験できて勉強になった。
次に「羅東林業文化區園」というに行った。そこには日本統治時代の鉄道や線路が残されており、台湾の歴史を学ぶことが出来た。
最後に「国立伝統芸術センター」に行った。台湾の古き良き伝統的な建物や食べ物、演芸等伝統芸術に触れることができ、中には伝統的な衣装を着ることが出来る店もあった。
この1日を通して、台湾の歴史や文化をより一層学ぶことができ、充実した一日となった。

茶摘み体験

国立伝統文化センター
広報委員 浅田菜摘、渡邊涼乃

「さくら21特派員」レポート

台湾は日本に比べて夜遅くまで開いているお店が多い。外食文化が発達しているからかもしれない。その為、夜の11時近くでも外に沢山人が歩いているのをよく目にすることがある。夜遅くまで起きている人を台湾では「夜貓子」と呼ぶ。特に夜は運動をしている人が多い。4月でも昼間は30度近く気温が上がるので、比較的気温が下がる夜に運動する人が多いのかなと思った。

繁華街の様子
福沢柊希

台湾では「外帯」という言葉をよく耳にする。これは「持ち帰り」という意味だ。台湾のほとんどの軽食屋では持ち帰りが可能で、持ち帰り用の弁当のメニューがある店がある。お店に席を設けていない持ち帰り専門店も多い。これらの店は安くて美味しいので、利用する人がとても多い。私はよく昼食を持ち帰り、自分の部屋で食べる。台湾ではまだドライブスルーを見たことがない。車よりバイクのほうが圧倒的に多く、土地もそこまで余裕がないからかもしれないが、日本のドライブスルーは本当に便利だと思った。

師大夜市の餃子屋さんで外帯(持ち帰り)
小寺莉子

3月のたより

学生からのたより

◆初授業について
3月18日(月)、開校式と口答での中国語の実力テストを終え、初授業に臨んだ。授業はもちろん全て中国語で、理解できるか心配で緊張はしたが、先生の丁寧な発音や説明のおかげでだんだんと笑顔が増え、楽しく初日の授業を終えることができた。毎日出る宿題は、日本にいる時よりも多い。さらに予習・復習などやることがたくさんあり大変だが、とてもやりがいがあり、これからが楽しみだ。
19日(火)には、中国絵画の授業だった。毎回テーマがあり、先生が絵を描きながら説明をしてくださった後に、各々で下書きの紙に練習をし、最終的に色紙に描くという内容だ。今回のテーマは植物。久しぶりに筆を使って絵を描くことには苦戦したが、自分の満足のいく絵が描けたと思う。次回はもっと上手く描けるように上達したい。

中国語の授業

中国絵画の授業
広報委員 浅田菜摘、福沢柊希

「さくら21特派員」レポート

「何か継続して行える日本発信はないだろうか」、そう考えて思いついたのが、「食事の前に「いただきます」「ごちそうさま」をしっかりと言う」ということだ。「小吃」文化が根付いている台湾。食が身近にあるからこそ、食への感謝を忘れそうになる。中国語には、この言葉の表現が無いらしく、日本の文化だと感じる。日本を発信するため、そして食へ感謝を伝えるため、「美食」を楽しむ前のこの習慣、忘れないようにしたいと思う。

台湾美食のひとつ、魯肉飯のお店にて
長屋敦大