愛知大学 現プロだより

~現代中国学部 現地プログラム 学生・教員からの近況報告~
現プロだより2023
台湾・国立台湾師範大学からのたより

12月のたより

学生からのたより

◆台北典藏植物園について
先日、友人と台北典藏植物園に行った。台北典藏植物園は、中山区にある花博公園の一部で、無料で入れる室内展示型植物園であり、熱帯植物の他、台湾在来植物や高山植物などを見ることができる。植物の姿・形は様々で、自分の背丈の何倍もある巨大なものや、香りの良い小さな花をつけるもの、独特な形の葉をしているものなど、個性豊かで大変興味深かった。植物園の他に迷宮花園やバラ園など花博公園内の施設を歩いて回ったが、小さな子どもから年配の方まで幅広い年代層の人々が各々遊具で遊んだりベンチに座って話をしたりとリラックスして楽しんでいる様子がみられ、都会の中でこうした多くの人々にとって憩いの場となる場所があるのは素敵だと思った。

台北典藏植物園


バラ園
広報委員 小嶋 留嘉

◆留学先の授業について 
9月から始まった授業も、早くも終わりを迎えた。長いと思っていた留学生活もあっという間に過ぎ去り、悲しさや寂しさがある。台湾拠点の中国語の授業は、1クラス7,8人といった少人数で行われるため、最初の方は授業についていけるのかという不安があった。しかし国立台湾師範大学の先生方はとても優しく、理解しやすい中国語を使ってゆっくり話してくださり、そんな不安はすぐに消えた。中国語しか通じない授業だったがそれにも次第に慣れていき、休み時間に先生と学生が中国語を使って会話する場面も見られた。そうした際に私たちの中国語で間違っているところがあると、先生は正しい中国語を教えてくださった。このようなやり取りから学ぶことは多く、様々な表現方法が身についた。台湾で学んだ中国語を生かし、次はHSKに合格するという目標に向かって努力していきたい。

先生の誕生日


ハロウィン当日
広報委員 佐藤 琴

◆現地ライフレポート発表会&修了式・送別会について
12月18日(月)、留学の集大成ともいえる現地ライフレポートの発表会と修了式が行われた。発表会では台湾での生活を通して発見したことを基にレポートを作成し、中国語で発表した。この日のために9月から準備を進めてきた。中国語でレポートを書き、約5分間の発表を暗記することは苦戦したが練習を重ね、発表会を成功させることができた。これは私たちの書いたレポートを添削してくださった先生方のおかげだ。先生方の支えがあったからこそレポートはより良いものになった。

修了式の様子

現地ライフレポートの発表会後には送別会が開催された。先生方も交えて食事をし、楽しさもあった反面、これでお別れとなると寂しさもあった。留学生活を締めくくる、最後の素敵な思い出ができた。

送別会の様子
広報委員 佐藤 琴

11月のたより

学生からのたより

◆文化講座について
約四ヶ月間の現地プログラムのなかで合計3種類の文化講座を私たちは受けてきた。中国結びは最後の文化講座であり、今まで受講してきた、水墨画、書道は筆を使い自分の個性を表現してきたが、今回の中国結びはひとつの紐だけで作品を作成していった。最初はどのようにして一本の紐で作品を作成するのか講師の方の説明を聞き、また分かりにくいと感じた個所は講師の方が一対一で丁寧に指導してくださった。生徒たちも最後の文化講座ということもあり、中国語の聞き取りにも慣れてきた様子が見受けられた。残り少ない現地プログラム生活なので、一日一日を大事にしていきたい。

先生の指導を基に作成した作品(中国結び)
広報委員 磯谷 怜美

◆台北動物園について 
先日、友人と共に台北市立動物園に行った。

台北市立動物園

台北動物園はMRT文湖線の終点にある台湾最大の動物園で、8つに分かれたエリアのうちの一つ、台湾動物区では台湾にしか生息しない固有種、固有亜種達を見ることができる他、昆虫や両生類爬虫類はもちろん、パンダも観ることができる。名古屋にある種類数日本一の東山動植物園と比べると、台北動物園は敷地面積が広大で動物達一匹一匹の檻も大きく、檻の中も外も自然に近い環境が整えられている。檻の中の植物があまりに充実し過ぎていて、動物がどこにいるのか見つけられないものもあった程で、動物達の種類だけでなく、飼育環境や園内の風景から海外の動物園であることを感じられたのは大変興味深かった。

パンダ
広報委員 小嶋 留嘉

◆台南について
11月25日、台南へ観光をしに行った。中国語の授業の教科書で台湾の南は北に比べ天気が良いと学習したが、その通りであった。日差しが強く、とても11月下旬とは思えないような暑さで、こちらに来て間もない頃を思い出した。台南にはおいしい食べ物が多くある。例えば新鮮な牛肉にだしのスープをかけた牛肉湯や、日本では食べられていないサバヒーという魚、ご飯にまでエビのだしがしみ込んだ蝦仁飯や、揚げたトーストの中をくりとってシチューを入れた棺材板などである。

蝦仁飯

蝦仁飯を食べていた時、隣の席に座ったご夫婦に立ち去り際、声をかけられ、「良い一日を」と言われた。神農街周辺を歩いていた時にはすれ違った方に日本人であることを確認され、台南へようこそ、と言われた。 台北でも買い物の際に日本人であると分かると明るく歓迎されたことがあるが、北でも南でも台湾の方は本当に親切な方が多い。駅で手違いが起こり、帰りの発券にてこずった際も、駅員の方が丁寧に対応してくださり事なきを得た。バスが25分遅れて急遽タクシーに乗ったり黒犬に後をつけられたりしたが、そんなトラブル含め台湾の人の親切さに触れられた充実した旅となった。

神農街
広報委員 小嶋 留嘉

10月のたより

学生からのたより

◆教学実践活動について
10月21日(土)に、私たちは教学実践活動として台北市から少し離れた宜蘭を訪れた。はじめに宜蘭伝統芸術センターにバスで向かい藍染め体験をした後、事前に予約していたレストランに行き昼食休憩を取った。その後は奇麗珍珠文化館でタピオカミルクティー作りをし、最後は宜蘭星源茶園でお茶とお菓子を頂いて茶枕を作った。
藍染め体験(写真1枚目)では、波状の模様とドーナツ型の模様とで、二種類の違った模様を作るグループに分かれた。それぞれで異なる説明を受け、それ以外は自分のお好みに合わせて製作した。建物内には藍染めで制作した服やスニーカー、アクセサリーなど、値段は高めだがとても魅力的な品揃えが充実していた。
茶枕作り(写真2枚目)は、藍染めの時と同じように好きなデザインだけを自分で決めて、そのデザインを版画のように枕カバーに刷って制作する。中に茶がらをふんだんに詰め込むため、とても良い香りがする。現地の方々はとても明るい雰囲気で私たちを温かく歓迎してくださり、お茶とお菓子を頂いている時には台湾で流通しているお茶の説明をしてくださった。お話の中では日本の静岡茶の話題も出てきた。藍染め体験やタピオカミルクティー作りの後には館内自由時間が設けられ、その中で静岡茶を使用したアイスクリームが売られているのを発見したため、日本の特産が広く渡って台湾にも知られていることが驚きであった。まさに私たちの母国として誇りである。
後から振り返ってみると、この一日だけで台湾の文化を三つも体験するというのは普段はなかなか出来ない、とても貴重な機会であったと感じた。心温かな台湾人の方々の歓迎にも今一度感謝したい。

藍染め体験

茶枕製作
広報委員 青山 亜麻音

◆台湾社会論・戸外教学計画について 
10月25日(水)、毎週水曜日にある台湾社会論の校外学習(戸外教学計画)ということで、士林と芝山巌(しざんがん)を訪問した。台湾社会論の市川春樹先生の他、国語教学センターの王心怡さんもご引率のもと行われた。事前に芝山巌は小高い丘陵でそれなりに急峻とのお話を聞いていたため、蚊(小黒蚊)になるべく刺されないように虫除けを持参し、あまり肌を出さずに動きやすい服装で校外学習に挑んだ。もうじき11月に差し掛かるとは到底思えないほどの暑さで、目的地の途中では100段以上もある階段や、話で聞いていた通りの急勾配もあり、想像以上に汗をかいたもののなんとか目的地に到着できた。
日本統治時代に初めて台湾に設立されたとされる日本語教育学校も訪れ、特別に許可を頂き校内に入ることができた。士林の周辺を周りながら、抗日事件によって殺害された日本人教師たちの日本式のお墓や、当時の荒んだ状況を物語る、割れた石碑がそのまま取り残されている場所にも実際に足を運んだ。
芝山巌に訪れている最中、ある一人のご老人に出会い、奇跡的にお話を聞くことができた。彼女は昭和七年生まれだと話す。まさに日本統治時代を生き日本語教育を受けた世代のうちの一人だった。私は彼女と少し日本語で会話をし、挨拶をしてその場を後にした。翌週の授業でこの校外学習のフィードバックをした時に、市川先生が「20年程前は彼らの世代がいることはそんなに珍しくなかったが、今では中々見かけなくなってしまった。これがもう5年後となると彼らからお話を聞くことはほぼ不可能かもしれない。」と話しており、現在でも当時の状況を知るご存命の方に出会えたことは本当に奇跡だったのだと知った。私はこの一日でたくさんの学びを得られたはずだ。こうして今回の校外学習はとても素晴らしく、忘れられないものとなった。

芝山公園での一枚
広報委員 青山 亜麻音

◆交流会について
10月27日(金)に国立台湾師範大学にて第一回交流会が開催された。交流会とは日本語を学んでいる台湾の学生と、日本や台湾の文化をお互いに共有しあう会のことだ。台湾の学生3人、愛知大学の学生3人の6人グループに分かれ、まずは自己紹介をした。台湾の学生は日本語を学んでいることもあり、日本に留学したことがある学生も少なくなかった。そのため、日本の好きな食べ物や場所について話してくれて聞いている私まで嬉しくなった。
その後、出されたお題について話し合った。今回のお題は台湾の生活や食べ物についてだった。台湾料理の写真を見て、台湾の学生からどんな食べ物か教えてもらった。また、大学付近の美味しい飲食店をグループで共有した。

交流会の様子

こうした会話には中国語が用いられるが、自分の中国語はまだまだだと感じた。台湾の学生から質問され、何となくしか理解できなかったり、台湾の学生同士の会話が聞き取れなかったりした。授業の予習、復習だけでなく語彙力を高めたり表現の幅を広げたりする必要があると感じた。今回の交流会で得た学びを生かし、11月24日(金)に開催予定の第二回交流会では日頃の勉強の成果を発揮したい。

集合写真
広報委員 佐藤 琴

9月のたより

学生からのたより

◆宿舎での生活について 
2023年9月2日(土)に私たち17人の学生は台湾に到着した。現地プログラム参加中は、台湾師範大学の公館キャンパス内にある宿舎で生活をする。到着当初は、これから4ヶ月間やっていけるか不安もあったが、ルームメイトや他の部屋の学生たちと協力し合い、台湾での生活のスタートを切った。まだ1ヶ月しか経っていないが、日本と違い湿気が多く、気候変動も大きいので体調管理に気を付けていきたい。台湾では、外食するのが主流で、初めてコンビニでご飯を買いに行く際に、中国語の発音が聞き取れず、みんな苦戦していた。これからの現地プログラム中で、日常会話がスムーズに聞き取れ、コミュニケーションを続けられるよう、日々の学習を疎かにしないよう努力していきたい。

宿舎到着当時の様子
広報委員 磯谷 怜美

◆中国絵画について 
現地プログラムに参加して初めての文化講座は伝統的な中国絵画を体験した。講師の方は台湾人の方で、中国語で指導していただいたので、どのように作品を作成していけばよいか困っている時はマンツーマンで筆の使い方、線の太さを指導してくださった。みんな描く回数を重ねていくにつれ、自分らしさを作品の中で表現していた。まだ中国語は流暢に話せるとは言えないが、これからの約4ヶ月間で中国語を自分の強みとできるように毎日の授業に励んでいきたい。

講師の方が描いた見本
広報委員 磯谷 怜美

◆初の海外留学、心境の変化 
9月2日(土)に私たちは台湾に到着した。台湾拠点のメンバーの中には過去にも留学経験のある学生もいたが、私自身はそれまで海外留学どころか日本から出たことが無かったため、楽しみだという気持ちよりもただただ、不安な気持ちが勝っていた。しかし、いざ渡航してみると、現地で直接人々の温かみに触れ、自分の頭で考え頑張って絞り出した中国語で会話ができ、気が付けば台湾に対して非常に親しみを感じるようになった。
台湾師範大学のキャンパス内では中国語や英語だけではなく、多国籍の言語が当然のように飛び交う。そして周りを見渡してみれば、耳に入ってくる言語の多様さと同様に、本当に幅広い人種の学生が一堂に会している事に気づく。日本に居る時ではなかなか見られない、新鮮な光景だ。そして教室の前の掲示板には、簡単な自己紹介と共に「語学パートナー募集!」との文言が書かれた紙が無数に渡り全面に貼り出されていた。大勢の目に入るような場所で、堂々と自身の掲示を行うという点が日本ではあまり見かけないため面白く、そこでも日本との違いを感じた。渡航して1ヶ月が経つ頃には、私自身も語学パートナーやキャンパス内で仲良くなった外国人の友人ができ、有意義な毎日を過ごせている。4ヶ月間という期間は長いように見えてあっという間に過ぎ去ってしまうため、1日1日の価値ある時間を大切にしたい。

授業終わりのキャンパスの景色
広報委員 青山 亜麻音