愛知大学 綜合郷土研究所

研究所は研究館2階(北側)にあります。

愛知大学 綜合郷土研究所設立趣意
綜合郷土研究所は、東海地方(愛知・岐阜・三重・静岡・長野)の地域研究のために設立され、多面的な見地から総合的な研究を進めています。
愛知大学は東亜同文書院大学(上海)を中心に京城帝大、台北帝大など戦前外地に設立された大学をベースにして、1946年旧制大学として豊橋の地で開学しました。設立にさいして「国際人の養成」と同時に、「地域文化への貢献」が開学の精神とされます。それは愛知大学がそれまで文科系大学が皆無であった中部地方に初めて設立されたことによります。
その趣旨を生かす研究実践の拠点として、1951年にこの綜合郷土研究所が設立されました。65年あまり前に、地域文化の研究をめざしてこのような基礎科学的な研究所が設立されたことは、全国的に見てもきわめて先駆的であり、秋葉隆博士はじめ、当時の先学の着想の先進性とその意識の昂揚ぶりをしめています。

主な活動
  • 東海地方の書籍の収集
  • 考古遺物・古文書の収集および整理
  • 所蔵する古文書の目録データベース化
  • 研究所紀要やブックレットなどの出版
  • 公開シンポジウム、公開講演会、見学会の開催
研究分野の特色
当研究所は社会学、歴史学、地理学、文学、生活文化学等の各分野から構成され、各分野での研究を深めるとともに、共同研究も積極的に行なってきました。とくに渥美半島の文化史的研究や志摩半島の漁村研究は、広く学会からも注目されています。その後も農村の技術伝播、奥三河山村、豊川用水の通水と農業・農村の対応、三河湾の海里山の総合研究などの共同研究を行ない、ユニークな研究所として全国的にも注目を集め、文字どおり地域文化・情報のセンターとなっております。
研究所構成員の業績を編んだ研究成果は、毎年刊行される「愛知大学綜合郷土研究所紀要」のほか、「研究叢書」、近世庄屋文書である「三州渥美郡馬見塚村渡辺家文書」「豊橋市浄慈院日別雑記」などの「資料叢書」、研究所が隔年に実施している公開シンポジウムの報告書の刊行などがあり、各方面から注目されています。そのほか、「愛知大学歴史関係論文目録」と「村落研究文献目録」は、学会に大きく寄与してきました。

所蔵文献・文書・資料・考古遺物
当研究所は65年あまりの歴史の中で多くの文献・史資料、考古遺物を所蔵するに至りました。なかでも東海5県に関する地方史誌類や雑誌類の蔵書数は中部地方有数で、3万件を数えます。また、三河国渥美郡馬見塚村渡辺家文書、三河国八名郡牛川村松坂家文書、尾張藩白鳥村材木奉行手代橋本家文書など、近世・近代の古文書類や、村絵図、国絵図、街道図などを所蔵し、多くの学生などに利用されております。当研究所の草創期に収集した考古関係遺物も多く収蔵しています。